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第40章|セシリアの自立宣言
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朝の光は、北棟の小窓にもちゃんと届いた。
細い線のような光が床を切り、石壁の凹凸を淡く浮かび上がらせる。
世界は変わらず動いている。王宮も動いている。
――ただ、自分がその動きから切り離されているだけだ。
セシリアはベッドから起き上がり、胸元の名札を指でなぞった。
冷たい金属。
仕事の名。
それは今も、彼女を“働く人間”として繋ぎ止める唯一の印だった。
(……私は、婚約者がレイヴン殿下だったことを知っている)
頭では知っている。
でも、愛していたはずの記憶だけが空白だ。
空白のせいで胸が痛む。
痛むから、あの人を遠い人だと思い込む。
――なのに。
最近は、思い込むだけでは耐えられなくなってきた。
狼。
封印。
写し絵。
祈祷改竄。
慈善金の流れ。
実働の襲撃。
自分が狙われる理由が、少しずつ“形”になってきている。
そして、レイヴンが冷たくする理由も。
(守るため)
そう理解した瞬間、胸が痛い。
だって守り方が、あまりにも残酷だから。
扉の外で足音が止まった。
鍵が鳴り、扉が少し開く。
侍女長マルタが顔を覗かせた。
「……朝食だ。食べろ」
盆が差し入れられる。
湯気の立つスープ。硬いパン。小さな果物。
セシリアは礼を言いそうになって、やめた。
言ってしまうと、感情が揺れるから。
マルタは扉を閉めかけて――一拍置いた。
「……今朝、動きがあった」
その一言で、セシリアの背筋が伸びた。
「動き……?」
マルタは言葉を選ぶように短く言う。
「証拠が揃い始めた。噂じゃない。記録だ」
記録。
その単語が、セシリアの胸を打った。
自分を燃やしたのは噂と記録。
なら救えるのも記録だ。
「……誰が」
「護衛騎士アデルと、密偵が動いている。
そして――」
マルタの目がほんの僅かに揺れた。
「王太子殿下も」
セシリアの胸がぎゅっと潰れた。
(殿下も、動いている)
知っている。
殿下はいつも動いていた。
火を握り潰し、配置を変え、監査を入れ、剣を抜いた。
でも、動いていることを知った瞬間に湧くのは安堵ではなく、悔しさだった。
(私は、何も知らされない)
守られるだけ。
鍵として隠されるだけ。
セシリアは息を吸った。
「……マルタ様。私は、いつまでここに?」
マルタは即答しない。
即答できないほど、危険がまだ濃い。
「今は――」
「“今は”じゃなくて」
セシリアは自分でも驚くほど静かな声で遮った。
「私は、ずっと閉じ込められたままでは壊れます」
言い切った瞬間、胸が熱くなる。
怖い。
でも、言わなければ永遠に檻だ。
マルタの目が細くなる。
「……殿下は守ろうとしている」
「知っています」
セシリアは頷いた。
「でも、守られるだけでは私は生きられない。
私は“働くことで”生きてきた。
働けない私は、ただの空っぽになります」
空っぽ。
その言葉は、自分の記憶喪失とも重なる。
マルタは沈黙した。
沈黙は否定ではない。
現実を測る沈黙だ。
セシリアは続けた。
「私は、思い出さなくてもいい。……今すぐ全部は」
胸が痛む。
でも、言う。
「でも私は、私として立ちたい。
鍵として隠されるのではなく、危険を知った上で、自分の足で立ちたい」
扉の向こうの空気が、少しだけ変わった。
別の足音が止まった気配。
近衛の気配。
そして――あの匂い。
鉄と革と香木。
レイヴンが、扉の外にいる。
セシリアは扉を見つめた。
胸が痛いのに、目を逸らせない。
鍵が鳴り、扉が開いた。
レイヴンが立っていた。
漆黒の髪。琥珀の瞳。
その瞳は今日、いつもより暗い。
暗いのに、怯えている。
――失う恐怖の目。
セシリアは立ち上がった。
膝が震える。
でも立つ。
立って、言う。
「殿下。私は、あなたの婚約者だったことを知っています」
レイヴンの喉が僅かに動いた。
息を飲む音。
セシリアは続ける。
「でも、愛していた記憶だけが空白です。
空白のままでも、私は生きたい。
……だから」
胸が痛む。
涙が滲む。
それでも言う。
「私を“守るために閉じ込める”のではなく、
“守るために一緒に立つ”選択をさせてください」
レイヴンの瞳が揺れた。
拒む言葉が喉元まで上がっている顔。
「だめだ」と言いたい顔。
でも言えば、彼女は壊れる。
レイヴンは拳を握り、声を絞り出した。
「……危険だ」
それだけ。
否定ではなく、恐怖の告白。
セシリアは頷いた。
「危険でも、私は私で立ちたい。
私はもう、“何も知らないまま泣かされる人形”には戻りません」
その言葉が、部屋の空気を切り替えた。
レイヴンの琥珀の瞳が、痛みで濁る。
そして同時に、救われたようにも見えた。
――彼女は折れていない。
折れないからこそ、危険だ。
折れないからこそ、愛しい。
その矛盾が、レイヴンの胸を焼く。
レイヴンは一歩、近づきかけて――止まった。
触れたら揺れる。
揺れたら狼が来る。
でも離れたままでは、彼女の心が死ぬ。
レイヴンは、初めて“王太子の命令”ではない声で言った。
「……分かった。だが条件がある」
セシリアの息が止まる。
条件。
それは檻にもなる。
でも、ゼロよりずっといい。
セシリアはまっすぐ頷いた。
「はい」
レイヴンは目を逸らし、苦しそうに言った。
「俺が、危険を先に言う。
お前は、勝手に扉を開けるな。
……そして」
一拍。
「俺を、試すな」
試すな。
その言葉に、嫉妬と恐怖が混じっているのが分かる。
セシリアは小さく笑ってしまった。
泣き笑いに近い笑い。
「試しません。……私は、あなたを壊したくない」
その一言で、レイヴンの瞳がまた揺れた。
揺れは、壊れる寸前の光。
けれど彼は、壊れないように息を吐き、言う。
「……なら、立て。俺の後ろではなく、俺の横に」
その言葉は、束縛ではなく――初めての“並ぶ許可”だった。
セシリアの胸の奥が、少しだけほどける。
空白はまだある。
記憶は戻っていない。
狼はまだ影の中だ。
それでも、セシリアは確かに立った。
自分の足で。
自分の意思で。
そしてレイヴンは、救われながら同時に怖くなる。
彼女を横に置けば、誰より守れる。
だが横に置けば、誰より失うのが怖い。
その恐怖が、彼の嫉妬をさらに濃くすることを――
二人はまだ知らない。
細い線のような光が床を切り、石壁の凹凸を淡く浮かび上がらせる。
世界は変わらず動いている。王宮も動いている。
――ただ、自分がその動きから切り離されているだけだ。
セシリアはベッドから起き上がり、胸元の名札を指でなぞった。
冷たい金属。
仕事の名。
それは今も、彼女を“働く人間”として繋ぎ止める唯一の印だった。
(……私は、婚約者がレイヴン殿下だったことを知っている)
頭では知っている。
でも、愛していたはずの記憶だけが空白だ。
空白のせいで胸が痛む。
痛むから、あの人を遠い人だと思い込む。
――なのに。
最近は、思い込むだけでは耐えられなくなってきた。
狼。
封印。
写し絵。
祈祷改竄。
慈善金の流れ。
実働の襲撃。
自分が狙われる理由が、少しずつ“形”になってきている。
そして、レイヴンが冷たくする理由も。
(守るため)
そう理解した瞬間、胸が痛い。
だって守り方が、あまりにも残酷だから。
扉の外で足音が止まった。
鍵が鳴り、扉が少し開く。
侍女長マルタが顔を覗かせた。
「……朝食だ。食べろ」
盆が差し入れられる。
湯気の立つスープ。硬いパン。小さな果物。
セシリアは礼を言いそうになって、やめた。
言ってしまうと、感情が揺れるから。
マルタは扉を閉めかけて――一拍置いた。
「……今朝、動きがあった」
その一言で、セシリアの背筋が伸びた。
「動き……?」
マルタは言葉を選ぶように短く言う。
「証拠が揃い始めた。噂じゃない。記録だ」
記録。
その単語が、セシリアの胸を打った。
自分を燃やしたのは噂と記録。
なら救えるのも記録だ。
「……誰が」
「護衛騎士アデルと、密偵が動いている。
そして――」
マルタの目がほんの僅かに揺れた。
「王太子殿下も」
セシリアの胸がぎゅっと潰れた。
(殿下も、動いている)
知っている。
殿下はいつも動いていた。
火を握り潰し、配置を変え、監査を入れ、剣を抜いた。
でも、動いていることを知った瞬間に湧くのは安堵ではなく、悔しさだった。
(私は、何も知らされない)
守られるだけ。
鍵として隠されるだけ。
セシリアは息を吸った。
「……マルタ様。私は、いつまでここに?」
マルタは即答しない。
即答できないほど、危険がまだ濃い。
「今は――」
「“今は”じゃなくて」
セシリアは自分でも驚くほど静かな声で遮った。
「私は、ずっと閉じ込められたままでは壊れます」
言い切った瞬間、胸が熱くなる。
怖い。
でも、言わなければ永遠に檻だ。
マルタの目が細くなる。
「……殿下は守ろうとしている」
「知っています」
セシリアは頷いた。
「でも、守られるだけでは私は生きられない。
私は“働くことで”生きてきた。
働けない私は、ただの空っぽになります」
空っぽ。
その言葉は、自分の記憶喪失とも重なる。
マルタは沈黙した。
沈黙は否定ではない。
現実を測る沈黙だ。
セシリアは続けた。
「私は、思い出さなくてもいい。……今すぐ全部は」
胸が痛む。
でも、言う。
「でも私は、私として立ちたい。
鍵として隠されるのではなく、危険を知った上で、自分の足で立ちたい」
扉の向こうの空気が、少しだけ変わった。
別の足音が止まった気配。
近衛の気配。
そして――あの匂い。
鉄と革と香木。
レイヴンが、扉の外にいる。
セシリアは扉を見つめた。
胸が痛いのに、目を逸らせない。
鍵が鳴り、扉が開いた。
レイヴンが立っていた。
漆黒の髪。琥珀の瞳。
その瞳は今日、いつもより暗い。
暗いのに、怯えている。
――失う恐怖の目。
セシリアは立ち上がった。
膝が震える。
でも立つ。
立って、言う。
「殿下。私は、あなたの婚約者だったことを知っています」
レイヴンの喉が僅かに動いた。
息を飲む音。
セシリアは続ける。
「でも、愛していた記憶だけが空白です。
空白のままでも、私は生きたい。
……だから」
胸が痛む。
涙が滲む。
それでも言う。
「私を“守るために閉じ込める”のではなく、
“守るために一緒に立つ”選択をさせてください」
レイヴンの瞳が揺れた。
拒む言葉が喉元まで上がっている顔。
「だめだ」と言いたい顔。
でも言えば、彼女は壊れる。
レイヴンは拳を握り、声を絞り出した。
「……危険だ」
それだけ。
否定ではなく、恐怖の告白。
セシリアは頷いた。
「危険でも、私は私で立ちたい。
私はもう、“何も知らないまま泣かされる人形”には戻りません」
その言葉が、部屋の空気を切り替えた。
レイヴンの琥珀の瞳が、痛みで濁る。
そして同時に、救われたようにも見えた。
――彼女は折れていない。
折れないからこそ、危険だ。
折れないからこそ、愛しい。
その矛盾が、レイヴンの胸を焼く。
レイヴンは一歩、近づきかけて――止まった。
触れたら揺れる。
揺れたら狼が来る。
でも離れたままでは、彼女の心が死ぬ。
レイヴンは、初めて“王太子の命令”ではない声で言った。
「……分かった。だが条件がある」
セシリアの息が止まる。
条件。
それは檻にもなる。
でも、ゼロよりずっといい。
セシリアはまっすぐ頷いた。
「はい」
レイヴンは目を逸らし、苦しそうに言った。
「俺が、危険を先に言う。
お前は、勝手に扉を開けるな。
……そして」
一拍。
「俺を、試すな」
試すな。
その言葉に、嫉妬と恐怖が混じっているのが分かる。
セシリアは小さく笑ってしまった。
泣き笑いに近い笑い。
「試しません。……私は、あなたを壊したくない」
その一言で、レイヴンの瞳がまた揺れた。
揺れは、壊れる寸前の光。
けれど彼は、壊れないように息を吐き、言う。
「……なら、立て。俺の後ろではなく、俺の横に」
その言葉は、束縛ではなく――初めての“並ぶ許可”だった。
セシリアの胸の奥が、少しだけほどける。
空白はまだある。
記憶は戻っていない。
狼はまだ影の中だ。
それでも、セシリアは確かに立った。
自分の足で。
自分の意思で。
そしてレイヴンは、救われながら同時に怖くなる。
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