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第2章 にゃんだふるライフ
新しい部屋
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「無事、元に戻れて良かったわね」
いつもの場所で、いつもの顔ぶれがカウンターに座っていた。
違う事といえば、カウンターの上ではなく、ユリシスの隣にきちんと座っているレフィスの姿だ。
「うん。皆にも迷惑かけちゃった。ごめんなさい」
「何、今日は気持ち悪いくらい素直だね」
おぞましいものでも見るかのように、眉間に深い皺を寄せたライリがわざとらしく仰け反った。
「失礼ね! 私はいつも素直よ」
間に座るイーヴィを挟んで、いつもの言い合いが始まった。それを今日はイーヴィが優しく止めて、レフィスをじっと見つめてくる。
「それはそうと、レフィス」
「何?」
「今回は報酬、貰えなかったんでしょう? これから暫くどうするの?」
人に戻ったはいいが、レフィスには問題がもうひとつ残っている。
そう、レフィスは宿無しなのだ。
「今更探さなくてもいいんじゃない。そのままユリシスと一緒に住んじゃえば?」
何かを企むような目を向けてくるライリにいつもなら言い返すレフィスが、ここではなぜか勝ち誇ったようににんまりと笑みを浮かべた。
「うわ、気持ち悪っ」
そんな悪態もなんのその。
レフィスは待ってましたと言わんばかりにライリとイーヴィを見ると、こほんとひとつ咳をしてから口を開いた。
「実はね……」
続く言葉を遮って、奥からフレズヴェールが驚きに満ちた表情のまま飛び出してきた。
「おい、ユリシス! お前さん、自分と同じ宿の部屋、ひとつレフィスに貸してやったって本当か? 宿のおかみが路上で大声張り上げて言いまくってたぞ。あの堅物ユリシスが女に部屋をひとつ無期限で貸してやったってな。ついでに言やぁ、結婚も間近だと尾ひれが付いてるぞ」
その言葉に普段は表情を変えないユリシスが、頬杖を付いていた肘をカウンターから物の見事にずり落とした。
「……どこでどう捻じ曲がるんだ」
そう呟いて、ユリシスは不機嫌な顔を片手で覆い隠す。イーヴィは「あらあら」と意味深な視線を投げかけ、ライリはこれ以上ないくらい目を輝かせてにこにこ笑っている。
「ふぅん、そう。結婚おめでとう、レフィス」
「だからっ! 全っ然違う! 私はただ部屋を借りただけで……」
僅かに赤らめた顔を更に赤くして、レフィスがまたもイーヴィを挟んで口論に持ちかけようとライリを睨み付けた。そんな視線すら面白そうに見つめて、ライリも頬杖を付いたままレフィスをじっと見つめ返す。
浮かべられる笑顔はやっぱり綺麗で、でもその微笑の裏に隠された毒を、レフィスはもう何度も味わっている。こういう微笑は特に厄介だと身構えたレフィスの耳に、気持ちいいくらいに澄み切ったライリの言葉が届いた。
「それで? 子供は何人希望?」
とどめの一言に、レフィスの頭がごいんっとカウンターに落下した。
いつもの場所で、いつもの顔ぶれがカウンターに座っていた。
違う事といえば、カウンターの上ではなく、ユリシスの隣にきちんと座っているレフィスの姿だ。
「うん。皆にも迷惑かけちゃった。ごめんなさい」
「何、今日は気持ち悪いくらい素直だね」
おぞましいものでも見るかのように、眉間に深い皺を寄せたライリがわざとらしく仰け反った。
「失礼ね! 私はいつも素直よ」
間に座るイーヴィを挟んで、いつもの言い合いが始まった。それを今日はイーヴィが優しく止めて、レフィスをじっと見つめてくる。
「それはそうと、レフィス」
「何?」
「今回は報酬、貰えなかったんでしょう? これから暫くどうするの?」
人に戻ったはいいが、レフィスには問題がもうひとつ残っている。
そう、レフィスは宿無しなのだ。
「今更探さなくてもいいんじゃない。そのままユリシスと一緒に住んじゃえば?」
何かを企むような目を向けてくるライリにいつもなら言い返すレフィスが、ここではなぜか勝ち誇ったようににんまりと笑みを浮かべた。
「うわ、気持ち悪っ」
そんな悪態もなんのその。
レフィスは待ってましたと言わんばかりにライリとイーヴィを見ると、こほんとひとつ咳をしてから口を開いた。
「実はね……」
続く言葉を遮って、奥からフレズヴェールが驚きに満ちた表情のまま飛び出してきた。
「おい、ユリシス! お前さん、自分と同じ宿の部屋、ひとつレフィスに貸してやったって本当か? 宿のおかみが路上で大声張り上げて言いまくってたぞ。あの堅物ユリシスが女に部屋をひとつ無期限で貸してやったってな。ついでに言やぁ、結婚も間近だと尾ひれが付いてるぞ」
その言葉に普段は表情を変えないユリシスが、頬杖を付いていた肘をカウンターから物の見事にずり落とした。
「……どこでどう捻じ曲がるんだ」
そう呟いて、ユリシスは不機嫌な顔を片手で覆い隠す。イーヴィは「あらあら」と意味深な視線を投げかけ、ライリはこれ以上ないくらい目を輝かせてにこにこ笑っている。
「ふぅん、そう。結婚おめでとう、レフィス」
「だからっ! 全っ然違う! 私はただ部屋を借りただけで……」
僅かに赤らめた顔を更に赤くして、レフィスがまたもイーヴィを挟んで口論に持ちかけようとライリを睨み付けた。そんな視線すら面白そうに見つめて、ライリも頬杖を付いたままレフィスをじっと見つめ返す。
浮かべられる笑顔はやっぱり綺麗で、でもその微笑の裏に隠された毒を、レフィスはもう何度も味わっている。こういう微笑は特に厄介だと身構えたレフィスの耳に、気持ちいいくらいに澄み切ったライリの言葉が届いた。
「それで? 子供は何人希望?」
とどめの一言に、レフィスの頭がごいんっとカウンターに落下した。
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