先生の消しゴム

柏木あきら

文字の大きさ
2 / 2

後編

その後、高瀬からメッセージが届くようになった。一人暮らしを始めたことや、講義が面白いとか他愛のないことを数ヶ月あけてポツリポツリと。それを読み返事を送る。
そんなやりとりは一年くらいは続いたけど、翌年からは少なくなり冬を迎える頃にはメッセージは来なくなった。
少し寂しいけれど、高瀬はきっと友達たちと充実した日々を送っているのだろう。
「雪ノ下先生、この回答についてなんですけど」
声をかけられてハッとする。目の前には、大学受験追い込み中の生徒がいた。
「ごめんごめん」
「授業中にボーっとしないでくださーい」
他の生徒につっこまれて、教室は笑い声が溢れた。

「うどんすすると鼻水止まらなくなりますねぇ」
昼休み、教員室で濱田はカップ麺を食べながら言う。汚いなー、と苦笑いしながら隣でおにぎりを頬張った。
また受験のシーズンがやってくる。今はその前の、ほんの少しだけ平穏な生活だ。
「ああ、そういえば雪ノ下先生。これ見ました?」
濱田は自分のスマホを俺に差し出す。ネットニュースが画面に表示されていた。
「中間ゆきみの婚約ニュース?お前ファンだったもんな」
「いや、そこじゃなくて。その下!」
婚約記事の下にある他の見出し。
『一世風靡したあの子役が芸能界復帰!』
その文字を見た途端、頭を叩かれたくらいの衝撃が走る。えっこれもしかして?
慌ててその文字をタップするとそこに表示されたのは、男の子と青年。
『たかせはやと』と『高瀬颯人』だった。
驚いたのは今の高瀬の画像。あの長い前髪はセンター分けになっていて、隠れていた大きな瞳がこっちを見据えているのだ。カメラには慣れているのか、表情は穏やか。
「高瀬くんなんだが変わりましたねぇ。こんなにイケメンってむかし、分からなかったな」
スマホを覗きながら、濱田が感心したように言う。イケメンだったよと心の中で呟きながら俺はなんだかモヤモヤしていた。

高瀬の前髪の下にある素顔を、色んな人が知ったこと。それが自分の中で焦りとも寂しさともとれる感情が渦巻いている。

『芸能界から離れ、学業に勤しみ大学進学を果たした。在学中であるため、芸能界活動は控えめにする予定』と記事には書いてある。どうして復帰する気になったのだろうか。
てっきり大学生活を普通の学生として楽しみ、就職するのだろうと思っていたのに。
いやでもそもそも、色々考えたとて虚しいだけだ。いまや連絡をとっていないのだから。
「再ブレイクしそうですね」
濱田の言葉に頷きながらも、俺は自分の気持ちが整理できなかった。

「先生、ここの塾に高瀬颯人くんがいたって本当?」
今日の授業が終わり、教員室へ向かっていると廊下で突然声をかけられてそんなことを聞かれた。俺は思わず持っていた参考書を落としそうになる。
「誰がそんなことを」
目の前の女子生徒は目を輝かせている。
「兄貴の友達が、前ここに通ってたときにいたって言ってたの。でも雰囲気が全然違ってたたみたいであまりみんな気にしてなかったって」
仕方ないなあと思いながら俺は小さく頷いた。
「確かにいたけど、個人情報だからな。拡散しちゃだめだよ」
「しないよ!この前、高瀬くんがインタビュー受けていて塾の先生の話してたから、もしかしてその先生がいるのかなあって」
それを聞いて俺は思わず息を呑んだ。ほらほら、コレと女子生徒がスマホで動画を流し始めた。画面の中の高瀬は椅子に座りインタビューを受けていた。はにかみながら質問に答える彼を見て、芸能人なんだなあとつくづく感じてしまう。
『高瀬さんはしばらく芸能界から遠ざかっておられましたよね』
『実は学生のときに復帰しないかと話をいただいたのですが僕は大学には行きたかったので』
以前からそんな話が出ていたのか。
『なるほど』
『でも成績が芳しくなくて、自信を失ってました。そんな中、テストの結果がなかなか出ない僕に、塾の先生が頑張れって書いた消しゴムをくださって。僕はそのおかげで頑張れたんです』
「この先生誰なのかなあ。雪ノ下先生、知らない?」
女子生徒の声でハッと我にかえる。
「さあ、分からない」
自分の頬が熱い。顔を背けたけれど、もしかしたら気づかれたかもしれない。

家に帰ってパソコンでもう一度、インタビューの動画を見ながら俺はため息をついた。
何故なら気がついてしまったからだ。
高瀬が『消しゴムをくれた先生』の話をした時の笑顔が、それまでの笑顔と違うことに。
そしてその笑顔を画面越しに見ることの寂しさの意味に。

俺は高瀬に恋愛感情を持ってしまっている。消しゴムの話も、笑顔も独り占めしたかった。

「……アホか、俺」
報われることのない気持ちに今更気がついたところで、何になる?
いやそもそもあの頃に気がついても、どうしようもなかった。
塾の講師に告白されるなんて、ドン引きだろ。しかも同性だし。

『素敵なお話をありがとうございました。その先生に感謝ですね』
『はい、僕の大好きな先生です』
マイク越しに聞こえる高瀬の声。俺は液晶画面に手を当て、映っている顔を撫でた。 
すると突然鞄の中からムー、ムーとスマホの振動音が聞こえた。帰宅して取り出してなかったなと思いながら慌ててスマホを出す。画面に表示された相手の名前は、高瀬だった。
約二年ぶりの連絡がいまこのタイミングだなんて。
『もしもし』
緊張して声が少しうわずってしまった。ああもうカッコつかないな……
すると少しだけ間があってようやく高瀬の声が聞こえた。
『お久しぶりです、雪ノ下先生』
さっきまでパソコンから聞こえていた声が、スマホを通して耳元で聞こえる。好きだと自覚した途端、自分に向けられる声がこんなに特別になるとは。
って俺、いい大人なのに何でこんなに初心にかえってるんだろうか。

『お元気ですか?』
『あ、ああ。相変わらずだよ。高瀬の方は……って元気そうだな』
俺の言葉に、高瀬は何かを掴み取ったのかまた少し沈黙が流れた。
『……復帰したの、知ってるんですね』
『うん。ネットニュースで見たよ。おめでとう。言うの遅くなったな』
『いえ、そんな』
『元々復帰の予定があったなんて、水臭いなあ教えてくれたら良かったのに』
照れ隠しのためか、自分の気持ちを吐き出したかったのか饒舌になってしまう自分を止められない。
『まあ……塾の講師には言わないよな。でも濱田先生から教えてもらってさ、少し寂しかったんだぞ』
高瀬は何も言わない。そこで俺はようやく自分が言いすぎたことに気がついた。
『……あっ、ごめん。俺一人で喋って』
『先生寂しいって思ってくれたんですか』
そう言われて恥ずかしさのあまり、俺は思わずスマホを投げつけたくなった。何歳も年下の高瀬に言われるなんて。
『そりゃ大切な生徒だったし』
『生徒、ね……そう言えば先生、僕本当は復帰する気なかったんです』
高瀬は急に話を変える。
『そうなのか?』
『高校生のとき、親に当時のマネージャーから連絡が入って打診されてたんです。だけど大学入学するまでは待ってほしいと父に伝えて話をつけてもらいました』
以前、芸能界の話を辛辣に語っていた高瀬を思いだした。
『母は僕をいつも応援してくれていたから、期待に応えなければと思って無理してたけど……それを父は分かってくれていたようで。マネージャーは待ってくれる約束をしてくれたんですが、僕は自分が大学合格しなければ復帰は諦めるんじゃないかって』
『もしかして、テストの点が悪かったのは』
『……先生の思っている通りです。僕はわざと力を抜いてました。だけど雪ノ下先生が消しゴムをくれたとき、自分がどれだけ失礼なことをしているか気がついたんです。本当にすみません』
本来なら怒るところかもしれない。だけど俺はそんな気になれなかった。だって彼はその後頑張れっていたのだから。

『先生の暖かさが身にしみて……雪ノ下先生のために、合格したいと思ったんです。だから合格したとき先生が喜んでくれたことが嬉しくて』
ああ、もう。そんなことを言われたら講師として最高に嬉しくなるじゃないか。高瀬はどうしてこんなに俺を喜ばせることに長けているんだろうか。いや……高瀬だから俺が嬉しいのか。

独白に耳を澄ませていると、うしろで甲高い遮断機の音が聞こえてきた。
『お前いま外なのか?寒いだろ』
今夜は冷え込む天気予報で、明日はこの冬一番に寒くなるらしい。風邪を引いたら一大事だ。
しかし、高瀬は突然思わぬことを言ってきた。
『先生、会いたい』
『……は?』
『今日、撮影が荒川であったんです。いま、その帰りで歩いていて……先生住んでるの荒川でしたよね』
以前、遊園地でそんな話をしたのを思い出した。よく覚えたな、と感心しながら苦笑いしてしまった。
『高瀬、お前いま、どこ歩いてるの』

都電の横を走りながら高瀬の待っている公園に俺は急いだ。そして街灯の下でスマホを見ている高瀬を見つけた。
「高瀬」
顔を上げた高瀬は動画で見た通り、塾にいた頃よりもうんと大人っぽくなっていて笑顔を見せてきた。久しぶりに見た、画面越しではない笑顔に俺は胸が熱くなる。自分の顔が赤くなってないか、心配だ。
だけどよく見ると高瀬が少し疲れたような表情なのは仕事帰りだからなのだろうか。それとも寒い中外にいたせいか。
コートは着ているものの、この気温ならダウンジャケットじゃないと堪えるはずだ。
「雪ノ下先生」
どれくらい冷えたのか心配で思わず高瀬の左手をにぎった。するとかなり冷たくてこっちが震えるほどだ。
「こんなに冷たくなって」
両手で手を擦ってしばらく温めてやると、高瀬が手を振り解く。
そして突然俺に抱きついてきた。あまりのことに、俺は声が出ない。

ふわりと香る柑橘系のフレグランス。サラサラの髪が頬に当たる。 
それはほんの少しの時間。でもとても長く感じた。

「たっ、高瀬?」
ようやく声をかけると高瀬はゆっくりと体を離した。
「……先生が暖かいから、つい」
ついってお前、と言いかけて真横にある端正な顔に思わず目を逸らした。
「とりあえず! 俺の家に行くぞ。風邪ひいたら大変だろ」
「ここでいいですよ。わざわざ家に行くなんて申し訳ないですし」
近くまで来ているとアピールしながら、この寒空の下でいいなんて、謙虚なんだかよく分からない。
しばらく押し問答したあと俺の一言で高瀬は反論をやめた。
「俺が、寒いんだよ! だから家に来い」

コーヒーの香りが漂う暖かい部屋でしばらく体を休めるとようやく高瀬の顔色が良くなってきた。
「これ美味しいですね」
「近くに美味しいコーヒーショップがあって、焙煎した豆を買ってるんだ」
「へぇ」
それにしても、自分の部屋に高瀬がいるのが何だか不思議だ。まあ自分が連れてきたんだけど……
テーブルを挟んで俺はなんだかソワソワしながらコーヒーを飲んでいた。
それからポツリポツリとお互いに近況を話す。高瀬の近況はネットニュースに書いてある通りだった。
「……聞いていいか分からないけど、どうして芸能界復帰したんだ?」
「大学合格したとき、マネージャーがめちゃくちゃ喜んでくれたんです。息子みたいなものだからって。それを聞いて、絆されたというか。芸能界、嫌なことばかりじゃなかったし、恩返ししたいなって」
絆されただけで芸能界復帰は考えないだろう。マネージャーのためにとは言っているがどこかで本当は挑戦したいと思っていたのだろう。
「そうか、頑張れ。応援するよ」
「雪ノ下先生はいつも僕を応援してくれるから」
そう言うと、高瀬はポケットから何かを取り出し、テーブルに置いた。

それは小さな消しゴム。あの時渡した俺の名前が入っている消しゴムだ。まだ持っていたのか、と思わず胸が熱くなる。

「……よく持っていたな」
消しゴムを手に取り、まじまじと見る。頑張れと書いた自分の文字は判別が難しいくらい薄くなっていた。
「うん。僕の宝物です。だって」
そこまで言うと、高瀬は急に言葉を止めた。何だろう、と顔を高瀬の方に向けると何か言いたそうにしながら俺を見つめる。
「……大好きな雪ノ下先生がくれたから」

ドクン、と鼓動が高鳴る。まてまて、高瀬の言う『大好きな』はきっと先生としてのはず。
でも、突然会いたいと言い出したり抱きついてきたり。そんなこと、ただの『大好きな先生』にするだろうか。
高瀬の言葉の続きを待つ。いつのまにか見つめ合うような形になっていた。高瀬の茶色い瞳をこんなに長く見るのは初めてだ。

「本当はあの遊園地の観覧車で言いたかったけど、勇気が出なくて。でもいまなら」
高瀬はテーブルに手をつき、体を俺の方に突き出して更に顔を近づけた。
「僕は雪ノ下先生が好きです。先生としてじゃなくて……恋愛的な意味で」
高瀬の言葉を聞き、手にしていた消しゴムが手から滑り落ちた。
確かにもしかしたらなんて思っていたけれど……それを聞いて俺はもう高瀬から目を背けられなくなった。

黙っているとさらに高瀬は言葉を続ける。
「告白しようって決意してたけど、先生を目の前にするとやっぱり言えなくて……。先生と離れて『告白してどうするんだ』『迷惑じゃないか』って悩んで気がついたらもう連絡できなくなったからもう諦めた方がいいのかなって」
俺が高瀬に対する気持ちに気づいたころ、高瀬は俺を諦めようとしていたのか。
「だけどインタビュー受けた後から、どうしても声が聞きたくなって。でも声聞いたら会いたくなってしまうし……本当は告白する気なかったのに、先生が家に呼ぶから」
その言葉に思わず笑ってしまった。
「俺のせいかよ」
「公園で顔見るだけでよかったのに……しかも手に触れてきたりとか、反則でしょ」
「だってお前が寒そうだったから、それにゆっくり話したかったし」
そう言うと、ふいに高瀬は俺の腕を手に取った。突然だったから心臓が飛び出そうなほど驚いた。

「雪ノ下先生、僕のことどう思ってますか?ただの元生徒?」
「え、あ……」
すると高瀬は笑顔を見せる。それは『遊園地に連れてって欲しい』とおねだりをされた時に感じたあざとい笑顔と同じ。
「先生は寂しかったって言ってくれたし、同性にこんな告白されて普通なら拒否するのに、先生は顔を赤らめて僕の話を目も背けずに聞いてくれてる。今だって僕の手を振り解かないし」
そう言えばさっきから顔が熱い。というか、もう見破られている。

高瀬はジッと俺の答えを待つ。さっきまであんなに雄弁だったのに。
ああ、もう降参するしかない。

「お、俺が自覚したのは最近だからな」
心臓が口から出てしまいそうだし、顔から火が出そうに熱い。
「ちゃんと聞きたいです、先生」
「~~っ」
こんなに意地が悪かったか?と思いながら、心の中でもやもやしていたその言葉をとうとう口にした。
「……高瀬が好きだよ」 
すると、高瀬は満足そうな笑顔を見せる。ほんの少しだけ目が潤んでいるのはきっと気のせいではないだろう。俺は何だか力が抜けて高瀬の手を握り返した。
「お前が芸能界復帰するって聞いて、俺に見せていた笑顔をみんなに見せるのかと思ったらイラついたんだ。ただの生徒なら独り占めしたいって思わないし」
一度好きだと口にするともう楽になって、想いを伝える。高瀬は笑顔のまま俺を見つめていた。
「……うん」
「復帰するの誰より先に教えて欲しかったし」
ぷは、と高瀬は吹き出す。そして手を離し立ち上がると俺の横に座り、体をすり寄せてきた。
「雪ノ下先生、寂しがり」
「う、うるさい」
「嬉しいです。ねぇ、僕はまだ先生のことあまり知らないし、先生も僕を知らない。これからも一緒にいてお互いを知っていきましょう。だから付き合ってもらえませんか」
肩に顔を乗せ、上目遣いにこちらを見る。このあざとさは計算されてるのか、天性なのか?
俺はとうとう頷き、高瀬の頭に手を置く。するとすりすりと頭を振ってくる。まるで猫のように。

まさか高瀬とこんな仲になるなんて、と嬉しいやら照れ臭いやら。だけど同性と付き合うなんて初めてだし芸能人だし、前途多難なことは明白だ。でも腹を括るしかない。
なにせ高瀬は俺の特別なのだから。

気がつくといい時間になっていたので、今日は高瀬を泊めることにした。せっかくだからと夜更かしをしながらゆっくり過ごす。
「先生、ひとつお願いしていい?」
「うん? なに?」
床に転がったままの消しゴムを拾うと、テーブルの上に置く。文字が薄くなっているそれを俺の前に差し出すと高瀬が言った。
「また書いてよ、頑張れって。ずっと持っておきたいんだ」
「……新しいのじゃなくて?」
「これがいい。僕の大切なお守りだから」
それを聞いて俺は思わず高瀬の顔に手を伸ばす。頬に触れしばらく見つめ合い、ゆっくりと顔を近づける。
そしてどちらかともなく唇を重ねた。柔らかな感触が甘い、ほんの短いキス。
閉じられていた高瀬の瞼が開き、また見つめ合う。そして二度目のキス。これもまた啄むようなキスだ。
そっと離した後、高瀬が俺を抱きしめた。
「先生、ありがとう」
「……もう先生じゃないだろ」
そういうとより一層、力強く抱きしめられる。
「陽介さん大好き」

***

「たかせはやと」のどこか不自然だった笑顔。
今は「高瀬颯人」として自然な笑顔がメディアに引っ張りだこだ。
一時期はその笑顔を見るのが辛かったことがあったけれど、今は安心して見ることができる。
俺はコーヒーを飲みながら、高瀬が出演しているドラマを見ていた。
「ただいまぁ」
玄関から声がしてトタトタと足音が近づき、リビングに高瀬が入ってくる。
「ドラマ見てくれてんの」
「うん。今いいとこだし」
「って、僕が彼女に振られるところじゃん」
マフラーを取りながら笑う高瀬。この俺にだけ向ける笑顔がそばにある。だから俺はどんなに高瀬がメディアで笑顔を振り撒こうが、不安になることはないのだ。
なんて不思議な縁で、愛おしいのだろう。
「彼女に振られるから、いいとこだろ」
俺もつられて笑うと、高瀬が頬にキスをする。
「間違いないね。陽介さんにとってはいいところだ。ああいい匂いする!」
「早く着替えてこいよ。今日は寒いからビーフシチューだ」
大好物のビーフシチューと聞いて、高瀬はさらに嬉しそうな笑顔を見せた。

【了】





感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
鍛えられた肉体、高潔な魂―― それは選ばれし“供物”の条件。 山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。 見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。 誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。 心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

職業寵妃の薬膳茶

なか
BL
大国のむちゃぶりは小国には断れない。 俺は帝国に求められ、人質として輿入れすることになる。

素直じゃない人

うりぼう
BL
平社員×会長の孫 社会人同士 年下攻め ある日突然異動を命じられた昭仁。 異動先は社内でも特に厳しいと言われている会長の孫である千草の補佐。 厳しいだけならまだしも、千草には『男が好き』という噂があり、次の犠牲者の昭仁も好奇の目で見られるようになる。 しかし一緒に働いてみると噂とは違う千草に昭仁は戸惑うばかり。 そんなある日、うっかりあられもない姿を千草に見られてしまった事から二人の関係が始まり…… というMLものです。 えろは少なめ。

楽な片恋

藍川 東
BL
 蓮見早良(はすみ さわら)は恋をしていた。  ひとつ下の幼馴染、片桐優一朗(かたぎり ゆういちろう)に。  それは一方的で、実ることを望んでいないがゆえに、『楽な片恋』のはずだった……  早良と優一朗は、母親同士が親友ということもあり、幼馴染として育った。  ひとつ年上ということは、高校生までならばアドバンテージになる。  平々凡々な自分でも、年上の幼馴染、ということですべてに優秀な優一朗に対して兄貴ぶった優しさで接することができる。  高校三年生になった早良は、今年が最後になる『年上の幼馴染』としての立ち位置をかみしめて、その後は手の届かない存在になるであろう優一朗を、遠くから片恋していくつもりだった。  優一朗のひとことさえなければ…………

そんなの真実じゃない

イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———? 彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。 ============== 人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。

happy dead end

瑞原唯子
BL
「それでも俺に一生を捧げる覚悟はあるか?」 シルヴィオは幼いころに第一王子の遊び相手として抜擢され、初めて会ったときから彼の美しさに心を奪われた。そして彼もシルヴィオだけに心を開いていた。しかし中等部に上がると、彼はとある女子生徒に興味を示すようになり——。

病弱の花

雨水林檎
BL
痩せた身体の病弱な青年遠野空音は資産家の男、藤篠清月に望まれて単身東京に向かうことになる。清月は彼をぜひ跡継ぎにしたいのだと言う。明らかに怪しい話に乗ったのは空音が引き取られた遠縁の家に住んでいたからだった。できそこないとも言えるほど、寝込んでばかりいる空音を彼らは厄介払いしたのだ。そして空音は清月の家で同居生活を始めることになる。そんな空音の願いは一つ、誰よりも痩せていることだった。誰もが眉をひそめるようなそんな願いを、清月は何故か肯定する……。