塩彼転じて甘彼となる。

柏木あきら

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6.大円満

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「えっ今夜飲み会なの?」
朝、トーストを食べながら学は頷いた。相変わらず予定をギリギリに言う癖は治らないけど、それでも出張予定だけは早めに言うようになってくれた。
「うん。うちの部署のやつたちが奢ってくれるんだとさ」
ガサガサと読んでいた新聞をたたむ。新聞だってネットで読めばいいのに、親父くさい。でも実はシャツを着て新聞を読んでる学がかっこよくてついつい見惚れてしまう。本人には内緒だけど。
「奢ってくれるなんて、いいね」
「祝いにな」
「祝い?」
たたんだ新聞紙をテーブルに置き、学は僕の顔を見て、ニヤリと笑う。
「課長に昇進したんだ。残業続きだったのもこれが理由」
僕は驚いてコーヒーを吹きそうになった。そんなこと知らなかった。そうか、僕が悩んでる間、学が無神経に見えたのは、そっちを頑張っていたからなのか。もう、先に一言言ってくれてたらよかったのに。
「おめでとう。僕が先に祝いたかったなー。じゃあ明日はケーキ食べよう」
ケーキと学の好きな料理を作ってやろう。そうだ、奮発していいワインも買ってこなきゃ。そんなことを思っていると、学がぽつりと呟いた。
「これでお前を養っていけるな」
「……へ?」

僕の塩彼氏はどこまでも秘密主義で、口数が少なくて誤解されやすいけど。僕のことが大好きなんだ。これからも何度もすれ違ってしまいそうな予感はおおいにするけれど、きっと僕らはうまくやっていけるはずだ。

だからこれからも一緒にいてやるよ、学。

【了】

















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