9 / 14
9.キス
「あ、あ……っ!」
ビクッと体が震えたのち、ずるりと触手が孔から抜かれ、四つん這いになっていたコオはベッドに倒れた。触手がコオに触れている間、ワスカは同じ部屋にいる。ティカは行為をやめる術を身につけていない。ワスカが止めなければずっと続けてしまうのだ。行為を見られてしまうことに当初、コオは激しく拒否したが自分で止められる自信があるのかと問われ、半分ワスカに押し切られた。実際、今も二回ほど達したのにまだ触手は伸びてくる。
もう体が持たないとワスカの方を見て首を振ると、ワスカは立ち上がり手にしていたティの葉に口付け何かを唱えた。すると伸びていたティカはするすると細くなりあっという間に消えていく。壁に張り付いていたものも全て。その様子を肩で息をしながら、コオは見ていた。やがて全て消えたとき、ワスカはシーツを持ってきて体を優しく包み、しばらく息を整えてコオはようやく落ち着いてきた。ふと以前、ティカは枯れてしまったのに、今日は消えたのが不思議でコオが聞くと答えが返ってきた。
「本当は今日みたいに消えるのがいいんだ。彼らを戻すだけで、生きているからね。この前は……咄嗟にだったから、死んでしまった」
ティカはもう個体数が少ないと聞いていた。それでもコオを助けるために貴重なティカを引きちぎり捨てたのだ。
胸が熱くなり、コオは視線を右に向けた。するとワスカの日に焼けた逞しい腕が目に入り、体を半分起こし振り向くと目の前にワスカの顔があって、薄い茶色の瞳がジッと見ていた。その時コオの中に甘くどうしようもない衝動が走った。
(ワスカに触れたい)
そのままコオは顔をゆっくりとあげてワスカの唇に自分の唇を重ねた。その柔らかい感触に心が落ち着いていく。これが何の意味を持つのか、コオ自身もわからない。満足そうなコウに対して、ワスカは思いもしなかったことに目を見開いたが、拒否せずそのまま触れていた。
少しの間、重なった唇が離れると、二人は見つめ合う形になりどちらからともなくまた唇を重ねた。今度はゆっくりと、お互いの唇を感じるように。長く長く。
「ん……」
ワスカの背中にコオの手が伸びて体に抱きつくと、ワスカもまたコオを抱きしめる。そして長く甘い口付けを何度も重ねた。
あなたにおすすめの小説
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)