10 / 14
10.触れたい
しおりを挟む
翌日。その日の朝コオはワスカとどんな顔をして会えばいいんだと悩んだが、ワスカは何もなかったかのようにいつも通りだった。そして薬草の探索している間、あまりの暑さにコオの悩みは吹き飛んだ。暑くて何度も足を止めるコオにワスカは容赦なくまくし立てる。そんなんじゃヤハもユキも見つからないぞとワスカが呆れ顔をしながら休もうとするコオに水筒を差し出す。
(相変わらず口は悪いんだから)
それでもこうして水をくれるワスカの優しさにコオは口元を緩めた。
それから数日間は何もなかったのだが相変わらずコオは夜になると体が疼く。ティカの毒性は強いからとワスカが言っていたのをコオは思い出しながらため息をついた。まさかワスカにもう一度召喚してくれと頼むわけにはいかない。
「全く……」
ベッドから降りて、水を飲むためにあくびをしながら廊下に出るとワスカの部屋からは灯りが漏れていた。まだ起きているのかと思いながらその灯りをぼんやりと見つめる。
(あのとき、なんで俺はワスカにキスしたんだろう)
気持ちが昂っていたとはいえ、たまたまそこにいた人間にキスをしたくなるものだろうか。それともワスカだからキスをしたいと思ったのか。確かにワスカはムカつく時もあるけれど一緒にいると楽しい。それにあの逞しい腕と褐色の肌に強い眼差し……
「……っ」
ベッドにいる時から多少疼いていた下半身がさらに熱を帯びてきた。コオは慌てて部屋に戻ろうとした時、ワスカの部屋のドアが開いた。
「コオ? どうした」
背中から聞こえたワスカの声。なんだっていつもコイツはタイミング悪いんだと舌打ちする。返事をしないコオを不審に思いワスカはコオの体を無理矢理自分の方に向けた。
「あ……」
コオは前屈みになり、膨れてしまったものを何とか見られまいとするが、ワスカはすぐ気がついてしまった。
「……部屋に行こうか?」
それはティカを呼ぼうか、という意味だろう。コオは違う、と言いたかったのに何も言えずにいた。ただこのまま部屋でひとりではいたくない。気がつくとコオはうなづいていた。
部屋の中でシュルシュルとティカが壁一面に伸びていく。それをベッドの上に座っているぼんやりとコオが見ている。そしてワスカは少し離れたところでコオを見ていた。
器用なティカはまるで優しくエスコートするかのようにコオのパジャマを剥ぎ取る。露わになった白い肌にティカの触手が伸び、胸の突起に触れられてコオは思わず声を上げた。
「う……っ、あ……」
甘い声が上がり始めてティカの触手も何本も増えていく。いつもの快楽にコオは身を震わしながら、ふとワスカの方を見る。彼に見られるのは初めてではないけれど今日は特に見られたくないと感じた。
(いやだ、見ないでくれ)
コオは声を上げながらも目を閉じていると、ティカの触手が触れてこないことに気づく。不思議に思い目を開けてみると、ワスカが目の前に立っていて先ほどまでコオの体を弄っていたであろうティカの触手を握りしめている。そのティカはもう細く枯れたように萎んでいたのだ。そして彼はコオをじっと見つめていたがやがて壁一面のティカをもぎとり、彼らもすべて萎み死んでしまった。
突然のワスカの行動にコオは驚き、動くことができない。すると手にしていたティカを放り投げてワスカはベッドに上がり込み、コオのほおに指で触れた。その目はうっすら潤んでいる。彼の名前を呼ぼうとしたとき、硬い何かがコオの体に当たった。すぐさまそれが何か分かり、コオは息を呑んだ。
(ワスカの、勃ってる)
ティカとの行為を見て、そういう気持ちになってしまったのだろうか、とコオが戸惑っていると突然ワスカはコオを抱きしめた。そして小さな声で言う。
「コオが触れられているの、もう我慢出来ない」
その泣きそうな声にコオは目を見開いた。それはどういう意味なのだろうか。触手召喚士としての申し訳ないという罪悪感からなのか……それとも、もっと単純な気持ちなのか。
「……ティカほど気持ちよくできないかもだけど、俺がコオに触れたい」
(相変わらず口は悪いんだから)
それでもこうして水をくれるワスカの優しさにコオは口元を緩めた。
それから数日間は何もなかったのだが相変わらずコオは夜になると体が疼く。ティカの毒性は強いからとワスカが言っていたのをコオは思い出しながらため息をついた。まさかワスカにもう一度召喚してくれと頼むわけにはいかない。
「全く……」
ベッドから降りて、水を飲むためにあくびをしながら廊下に出るとワスカの部屋からは灯りが漏れていた。まだ起きているのかと思いながらその灯りをぼんやりと見つめる。
(あのとき、なんで俺はワスカにキスしたんだろう)
気持ちが昂っていたとはいえ、たまたまそこにいた人間にキスをしたくなるものだろうか。それともワスカだからキスをしたいと思ったのか。確かにワスカはムカつく時もあるけれど一緒にいると楽しい。それにあの逞しい腕と褐色の肌に強い眼差し……
「……っ」
ベッドにいる時から多少疼いていた下半身がさらに熱を帯びてきた。コオは慌てて部屋に戻ろうとした時、ワスカの部屋のドアが開いた。
「コオ? どうした」
背中から聞こえたワスカの声。なんだっていつもコイツはタイミング悪いんだと舌打ちする。返事をしないコオを不審に思いワスカはコオの体を無理矢理自分の方に向けた。
「あ……」
コオは前屈みになり、膨れてしまったものを何とか見られまいとするが、ワスカはすぐ気がついてしまった。
「……部屋に行こうか?」
それはティカを呼ぼうか、という意味だろう。コオは違う、と言いたかったのに何も言えずにいた。ただこのまま部屋でひとりではいたくない。気がつくとコオはうなづいていた。
部屋の中でシュルシュルとティカが壁一面に伸びていく。それをベッドの上に座っているぼんやりとコオが見ている。そしてワスカは少し離れたところでコオを見ていた。
器用なティカはまるで優しくエスコートするかのようにコオのパジャマを剥ぎ取る。露わになった白い肌にティカの触手が伸び、胸の突起に触れられてコオは思わず声を上げた。
「う……っ、あ……」
甘い声が上がり始めてティカの触手も何本も増えていく。いつもの快楽にコオは身を震わしながら、ふとワスカの方を見る。彼に見られるのは初めてではないけれど今日は特に見られたくないと感じた。
(いやだ、見ないでくれ)
コオは声を上げながらも目を閉じていると、ティカの触手が触れてこないことに気づく。不思議に思い目を開けてみると、ワスカが目の前に立っていて先ほどまでコオの体を弄っていたであろうティカの触手を握りしめている。そのティカはもう細く枯れたように萎んでいたのだ。そして彼はコオをじっと見つめていたがやがて壁一面のティカをもぎとり、彼らもすべて萎み死んでしまった。
突然のワスカの行動にコオは驚き、動くことができない。すると手にしていたティカを放り投げてワスカはベッドに上がり込み、コオのほおに指で触れた。その目はうっすら潤んでいる。彼の名前を呼ぼうとしたとき、硬い何かがコオの体に当たった。すぐさまそれが何か分かり、コオは息を呑んだ。
(ワスカの、勃ってる)
ティカとの行為を見て、そういう気持ちになってしまったのだろうか、とコオが戸惑っていると突然ワスカはコオを抱きしめた。そして小さな声で言う。
「コオが触れられているの、もう我慢出来ない」
その泣きそうな声にコオは目を見開いた。それはどういう意味なのだろうか。触手召喚士としての申し訳ないという罪悪感からなのか……それとも、もっと単純な気持ちなのか。
「……ティカほど気持ちよくできないかもだけど、俺がコオに触れたい」
0
あなたにおすすめの小説
触手生物に溺愛されていたら、氷の騎士様(天然)の心を掴んでしまいました?
雪 いつき
BL
仕事帰りにマンホールに落ちた森川 碧葉(もりかわ あおば)は、気付けばヌメヌメの触手生物に宙吊りにされていた。
「ちょっとそこのお兄さん! 助けて!」
通りすがりの銀髪美青年に助けを求めたことから、回らなくてもいい運命の歯車が回り始めてしまう。
異世界からきた聖女……ではなく聖者として、神聖力を目覚めさせるためにドラゴン討伐へと向かうことに。王様は胡散臭い。討伐仲間の騎士様たちはいい奴。そして触手生物には、愛されすぎて喘がされる日々。
どうしてこんなに触手生物に愛されるのか。ピィピィ鳴いて懐く触手が、ちょっと可愛い……?
更には国家的に深刻な問題まで起こってしまって……。異世界に来たなら悠々自適に過ごしたかったのに!
異色の触手と氷の(天然)騎士様に溺愛されすぎる生活が、今、始まる―――
※昔書いていたものを加筆修正して、小説家になろうサイト様にも上げているお話です。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる