触手召喚士

柏木あきら

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11.多幸感

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少し体を離しワスカはコオの顔を覗き込む。いつもは真面目で何事にも冷静なワスカの顔が、感情に溢れている。それは欲情にまみれた顔だ。コオは思わず唾を飲み込む。ワスカがどうして自分に触れたいのか、その理由はあとでもいい。自分だっていま、この男に触れられたいと思っているからだ。コオはこの気持ちもあのキスも、今となれば理由は明確に分かってしまった。
(ワスカになら、触れられたい)
 コオは無言で手を伸ばしてワスカの顔を両手で包み込むように触れて自分から顔を近づけて唇を重ねた。するとすぐにワスカはコオの体を抱きしめながらその体をベッドにゆっくりと押し倒した。上半身はティカによって裸にされたコオ。ワスカは着ていた服を脱ぎ捨て、コオの体に覆い被さった。その時感じたワスカの重みと肌のふれあい。そして体温と鼓動。何もかもがティカ、触手では感じることのできないもの。人と肌を触れ合わすというのはこんなにも暖かいものなのかとコオは感じた。
 どんなに快楽を与えてくれる触手が何本も自分を攻めたとて、体は反応しても気持ちは満たされない。だけどいま、ワスカの体温を感じコオはたっぷりと満たされている。全身を伝う彼の辿々しい愛撫はティカに比べたら未熟だ。それでもコオは体中が悦びに溢れていて、きっと気持ちが満たされているから。上半身をゆっくり攻められ、するりと指が後孔に入れられる。しばらく広げるために指で中を弄られている時。コオの体に電流のようなものが駆け巡る。
「あ……! ワスカ……そこ……きもちい……」 
「ここ?」
 答える代わりにコオの体がビクンと痙攣し、ワスカはそこを執拗に攻めていく。コオの声を聴きながら反応を楽しんでいるようだ。
「……や、だ……っ、指でイクの……」
 目を潤ませてワスカを見つめるコオ。その先を望んでいるのは、ワスカには分かっているし彼自身もそうしたい。だけどここにきて尻込みしてしまっている。本当に良いのだろうかと。
「……ワスカ?」
 指を抜き自分のソレを孔の近くにあてがったまま、ワスカは動きを止めている。その様子にコオは少し心配になった。
「本当に、挿れていい?」
 ワスカの言葉にコオは力が抜ける。ここまで執拗に攻めてきて今更……! とは思ったがおそらく挿れてしまうことに大きな意味を感じているのだろう。ココット村の人たちは真面目な性格が多く一途だと聞いたことがある。そんな環境で育ったワスカにとってこの状況に戸惑いがあるのは仕方ないのだ。
 コオは微笑みながら自分の体を跨いでいるワスカの逞しい太ももを優しくさすった。
「いいに決まってるだろ。……それに、俺が望んでる、お前に挿れて欲しいって」
 それを聞き、ワスカはごく、と息を呑んだ。するとあてがっていたソレをゆっくりとコオのナカに挿れていく。侵入してくるモノの大きさにコオは思わずのけぞってしまう。
「う……あ、あっ……」
 何度経験しても慣れない痛みと圧迫感。コオの声に思わず動きを止めるワスカの手首をコオは強く掴み、首を振る。止めるな、というコオの意志を汲み取ったワスカはさらに奥に進みながら唇を重ねた。ティカとは違う快楽、それは抱き合うこと、相手の熱を知り汗を感じお互いの気持ちの昂りを知る。
「あ……あ、んっ、んっ。ワスカぁ……」
 気がつくとコオの目尻から涙が溢れていた。ワスカはそれを優しく指で拭う。
「コオ、気持ちいい……」
「俺も……っ、は……っ、んっ! もう、ダメ……っ」
どんどんと気持ちが昂り、それぞれが限界を感じてきたとき、どちらからともなく手を重ねあい見つめ合いながら、その瞬間を迎えた。ワスカの熱い精をうけ、コオはティカから受けた快楽の何倍もの多幸感を覚えた。
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