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妊娠しないオメガの使い道
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舞台の上のシチャはうずくまったまま――肩で息をしている。そして照らされた体が真っ赤だ。シチャの周りにはベータの客たちが集まっている。彼の放つヒートの香りに当てられているのだろう。
やがて彼が顔を上げるとヒートのオメガ特有の『欲情している』潤んだ瞳。その瞳がカークの方を向いている。その瞬間、シチャを助けなければと理性が叫ぶのに、体の奥底では彼を押し倒せと本能が吠えていた。猛烈に襲いたい衝動に駆られる自分にカークは手元にあったマドラーを自らの掌に突き刺しその衝動をなんとか止めるとカウンター内にいるナルに怒鳴った。
「なぜ、ヒート中のシチャがでているんだ! 厳重に管理しているんじゃないのか」
早く止めなければ、と額に青筋を立て巻き立てるカークにナルは冷ややかに答えた。
「店の方針なんだよ。――シチャはヒート中でも出すってね」
「どうして! 襲われてしまうだろう」
「襲わせるんだよ。ほら、アルファの本能がうずくだろう? お前も楽しめばいい」
背後から声がして、カークが振り返るとそこにいたのはオーナーのルモンドだ。アルファである彼だが、シチャのヒートの香りは影響がないらしく涼しそうな顔で――微笑んだ。楽しそうに。
「……何言って――」
目を見開くカークのフェイスベールを長い人差し指で弄びながら答えた。
「シチャは後天性オメガだ。いいかい、後天性オメガは妊娠しない。他のオメガは妊娠されるとやっかいだから出さないんだ。それに――ヒート中のオメガとヤレるって評判だしな」
ぐったりとしたシチャを店のスタッフが抱えて舞台から降ろし、布で仕切った部屋へと移動させ――数人の客が一緒に消えた。カークの心臓は爆発寸前だ。
「何をさせる! あの客たちに!」
烈火のごとく怒り狂ったカークは彼らを止めるべく、駆け出したがルモンドがその体を掴み押し倒した。床に叩きつけられてカークは唸りを上げる。
「お前がシチャのなんだと言うんだ? ただの客にうちの踊り子に対してとやかく言われる筋合いはない」
倒れ込んだカークの背中をルモンドは汚いものを排除するかのように革靴で蹴り上げた。
「後天性アルファに何が出来る? 番もできない出来損ないめ」
周囲の客が、ルモンドの言葉に同調するようにゲラゲラと笑う。その声が、カークの背を焼くように突き刺さる。
通常のアルファであれば、運命の番を見つけうなじを噛めば番うことができる。だが後天性アルファはそれができない。後天性オメガが妊娠できないように彼らもまた欠如している。オメガのヒートの香りも普通ならもっと早い段階で気づける。しかしカークのようにピークにならないと分からない。それもまた後天性アルファだからだ。
やがて彼が顔を上げるとヒートのオメガ特有の『欲情している』潤んだ瞳。その瞳がカークの方を向いている。その瞬間、シチャを助けなければと理性が叫ぶのに、体の奥底では彼を押し倒せと本能が吠えていた。猛烈に襲いたい衝動に駆られる自分にカークは手元にあったマドラーを自らの掌に突き刺しその衝動をなんとか止めるとカウンター内にいるナルに怒鳴った。
「なぜ、ヒート中のシチャがでているんだ! 厳重に管理しているんじゃないのか」
早く止めなければ、と額に青筋を立て巻き立てるカークにナルは冷ややかに答えた。
「店の方針なんだよ。――シチャはヒート中でも出すってね」
「どうして! 襲われてしまうだろう」
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「……何言って――」
目を見開くカークのフェイスベールを長い人差し指で弄びながら答えた。
「シチャは後天性オメガだ。いいかい、後天性オメガは妊娠しない。他のオメガは妊娠されるとやっかいだから出さないんだ。それに――ヒート中のオメガとヤレるって評判だしな」
ぐったりとしたシチャを店のスタッフが抱えて舞台から降ろし、布で仕切った部屋へと移動させ――数人の客が一緒に消えた。カークの心臓は爆発寸前だ。
「何をさせる! あの客たちに!」
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「お前がシチャのなんだと言うんだ? ただの客にうちの踊り子に対してとやかく言われる筋合いはない」
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