7 / 53
神同人作家は陸くんを溺愛する
3/10 PM15:00
しおりを挟む
【三月十日 十五時】
多分もう一生、宝くじ当たらないと思う。
こんな運を使い切ったんだから。
『先ほど【ブロッソ】の話をしたものです。お話出来て嬉しかったです。次回またスペースにお伺いします』
ああどうしよう、なんて書けばいいのだろう。【甘い吐息の行方】の蒼太も、攻めの雅臣にメッセージを送る時に何度も文字を消しては入力して、出来上がった文章をえいや! って送っていたシーンがある。
まさに僕の気持ちはこの蒼太と同じだ。
DMを震える手で送信をタップしたとき、会場内にアナウンスが流れる。
『十五時になりました! これにてJパーク五十五は閉場となります!』
スタッフさんの爽やかな声に、まわりからパチパチと拍手が起こる。みんな笑顔だ。
『次回は秋、九月に開催となります。またその日にお会いしましょう!』
トートバッグの重みも、歩きすぎてぱんぱんになった足も幸せな時間の賜物だ。そして何より高西先生とのかけがえのない時間。僕は大きな背伸びをして、待ち合わせしていたオフ会のメンバーの元へと駆け出した。
カバンの中で、スマホが震える。
それは高西ユウ先生からのメッセージ。
『今度表参道のお店、一緒に行きましょう!』
僕がそのメッセージに気がついたのは、それから一時間後。そのお店に高西先生と一緒に行ったのは、半年後の九月。同人誌即売会の前日に。
そして有明の朝焼けを、一緒に見れたんだ。
その話を、聞いてもらえるかな?
多分もう一生、宝くじ当たらないと思う。
こんな運を使い切ったんだから。
『先ほど【ブロッソ】の話をしたものです。お話出来て嬉しかったです。次回またスペースにお伺いします』
ああどうしよう、なんて書けばいいのだろう。【甘い吐息の行方】の蒼太も、攻めの雅臣にメッセージを送る時に何度も文字を消しては入力して、出来上がった文章をえいや! って送っていたシーンがある。
まさに僕の気持ちはこの蒼太と同じだ。
DMを震える手で送信をタップしたとき、会場内にアナウンスが流れる。
『十五時になりました! これにてJパーク五十五は閉場となります!』
スタッフさんの爽やかな声に、まわりからパチパチと拍手が起こる。みんな笑顔だ。
『次回は秋、九月に開催となります。またその日にお会いしましょう!』
トートバッグの重みも、歩きすぎてぱんぱんになった足も幸せな時間の賜物だ。そして何より高西先生とのかけがえのない時間。僕は大きな背伸びをして、待ち合わせしていたオフ会のメンバーの元へと駆け出した。
カバンの中で、スマホが震える。
それは高西ユウ先生からのメッセージ。
『今度表参道のお店、一緒に行きましょう!』
僕がそのメッセージに気がついたのは、それから一時間後。そのお店に高西先生と一緒に行ったのは、半年後の九月。同人誌即売会の前日に。
そして有明の朝焼けを、一緒に見れたんだ。
その話を、聞いてもらえるかな?
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
今日もBL営業カフェで働いています!?
卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ
※ 不定期更新です。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる