神同人作家は陸くんを溺愛する。

柏木あきら

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神同人作家は陸くんを溺愛する

秋に向けて

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そんなことを思いながら悶々とする日々を過ごしている中、どうやら修羅場がひと段落したのかまた先生から連絡が来るようになった。

『秋のイベント申し込み、完了!』
高西先生とメッセージをやり取りするきっかけとなったBL同人誌即売会は年二回ある。前回は春だったから次回は秋。九月の開催だ。
『むかし、申し込み忘れかけてて売り子さんに怒られたんだ』
『それって二年前の春の時ですよね』
締切の一時間前に滑り込みで申し込んだ、と当時のSNSに書いてあったのを僕は思い出した。即売会の申し込み時にイベントの参加表明をする先生や、スペースが取れてから行う先生がいるけど、高西先生は前者。だから参加表明が流れてこなくて、もしや不参加なのかなとヒヤヒヤしていたんだ。
『よく覚えてるね』
先生のメッセージに僕は凍りついた。もしかしたら、引かれたかな……。
『すみません』
『なんで謝るの? めちゃ愛されてるなあ俺!』
高西先生。愛のハードル低すぎない? 引かれてないのはホッとしたけど。

『陸くんはもうホテルを予約したの?』
DMのやりとりをはじめたころから、高西先生は僕の名前を呼んでくれるようになっていた。SNSの名前を変えるのが面倒くさくて本名の陸のまま、登録していたんだけどかえってラッキーだった。
『してます。早割するとかなりお得なので』
会場に近いホテルは人気で、都内の一等地にあるホテルより安価だから、早めに予約しないと埋まってしまう。
『早いね! もしかしてロイヤルホテル?』
ロイヤルホテルはイベント会場から一番近いホテルだ。前回、花の写真を撮っている僕を高西先生が見つけたあの庭園が敷地内にある。
『そうです。ここ楽だから』
『だよね。俺も毎回、ここにしてるよ。家から朝出ると時間かかるから泊まってるんだけど。よかったらツインにして一緒に泊まらない?』
僕はそのメッセージを見た途端、唖然としてしまった。一緒に泊まるって! 他意はないことはわかっているんだけど……。僕は高西先生の大ファンで、この前まで雲の上の人だったのに、こうして一緒にお泊まりの誘いまで受けるようになるなんて。
『ご迷惑じゃ……』
『迷惑なわけないじゃん? まあもしかしたら何か作業手伝ってもらうかもだけど』
それを見てホッとした。きっと何か手伝わしたくて言っているんだろう。それならぜひ手伝わせてもらいたい!
『手伝いがあるなら一緒に泊まります! 僕、歯軋りひどいですけど』
『じゃあ、決まり。歯軋りしてたら叩き起こすね』
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