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神同人作家は陸くんを溺愛する
笑顔に溺れさせて
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打ち上げが終わり、半年後に会う約束をしてみんなと別れた。今までなら僕も新幹線でその日に帰っていたけど、そのまま品川のホテルに向かいチェックインした。
売り子さんとの打ち上げが済んだら、由宇さんもここに来る。それまで僕は部屋で待つんだ。シャワーを浴び、ベッドの上で手足を伸ばして大の字になる。
関東に引越しするかもしれない話をしたら由宇さんはどんな顔をするだろう。ああでも今夜は今日の即売会の話で盛り上がりたいから、明日の朝話をしよう!
それともう一つサプライズを企てている。【ブロッソ】の新作ネックレスを由宇さんにプレゼントしようと思っているんだ。由宇さんがくれたのはプレートになっているものだけど、僕が買ったのは【ブロッソ】のモチーフの虹が掘られたリングが重なったものがトップについている。きっと由宇さんに似合う。
誕生日でもなんでもない日だけど、【Jパーク】にあわせて渡したいと思ったんだ。だって僕らの出会いの場所だからね!
僕はかばんの中から由宇さん……いや高西先生の新刊【笑顔に溺れさせて】を取り出し、ページを開いた。
この本は【君の熱を僕に分けて】の十年後の話で、フレンチキスで終わった高校生二人のその後が読める! とSNSでお祭り騒ぎになっていたんだ。だから、いつも即売会で在庫切れを起こさないようにしている高西先生でも今回はとうとう完売。再販をする予定だそう。
そんな作品を読みながら僕は由宇さんを待つ。やがて由宇さんが部屋に到着したころには、僕は【笑顔に溺れさせて】を三回読み返していた。
「遅くなってごめんね」
部屋に入ってきた由宇さんは少し疲れた顔をしていたけれど、僕は走って抱きついてしまった。ふんわりとアルコールと由宇さんの香りがする。
「熱烈歓迎じゃん。どうしたの」
「新刊……! めちゃくちゃ良かったです」
頭を由宇さんの肩にぐりぐりと押し付けると、ポンポンと撫でてくれた。そして僕の顔を覗き込む。
「そっちか……。会えて嬉しくて、かと思ったのに」
「それもです!」
「嘘くさいなあ……まあいいか」
由宇さんはニッ、と笑うとそのままキスをしてきた。
同じベッドで手を繋いで僕らは天井を見上げる。【笑顔に溺れさせて】の感想をこれでもか、というほど伝えると由宇さんは嬉しそうだったけど時間が経つにつれて『高西先生に妬けそうだからそろそろ恋人に戻ってくれない?』と苦笑いされた。
今日はお互い疲れ切っているから、えっちはお預け。とは言えまあ……滞在中には、ね。僕はきっとこの先、関東に住むし、由宇さんと頻繁に会えるようになる。だから何事も焦らなくていいんだ。
そしてフワフワした眠気が襲ってきて、あくびをしたら由宇さんもつられておおあくび。
「そろそろ寝ようか」
照明を落とし暗くなると、いよいよ眠気はピークに。由宇さんはおでこにキスして顔を撫でてきた。暖かい指が気持ちいい。
明日の朝のサプライズを楽しみにしながら僕は眠りにつく。
「おやすみなさい、由宇さん」
「おやすみ、陸くん」
【神同人作家と陸くんは嫉妬するに続く】
売り子さんとの打ち上げが済んだら、由宇さんもここに来る。それまで僕は部屋で待つんだ。シャワーを浴び、ベッドの上で手足を伸ばして大の字になる。
関東に引越しするかもしれない話をしたら由宇さんはどんな顔をするだろう。ああでも今夜は今日の即売会の話で盛り上がりたいから、明日の朝話をしよう!
それともう一つサプライズを企てている。【ブロッソ】の新作ネックレスを由宇さんにプレゼントしようと思っているんだ。由宇さんがくれたのはプレートになっているものだけど、僕が買ったのは【ブロッソ】のモチーフの虹が掘られたリングが重なったものがトップについている。きっと由宇さんに似合う。
誕生日でもなんでもない日だけど、【Jパーク】にあわせて渡したいと思ったんだ。だって僕らの出会いの場所だからね!
僕はかばんの中から由宇さん……いや高西先生の新刊【笑顔に溺れさせて】を取り出し、ページを開いた。
この本は【君の熱を僕に分けて】の十年後の話で、フレンチキスで終わった高校生二人のその後が読める! とSNSでお祭り騒ぎになっていたんだ。だから、いつも即売会で在庫切れを起こさないようにしている高西先生でも今回はとうとう完売。再販をする予定だそう。
そんな作品を読みながら僕は由宇さんを待つ。やがて由宇さんが部屋に到着したころには、僕は【笑顔に溺れさせて】を三回読み返していた。
「遅くなってごめんね」
部屋に入ってきた由宇さんは少し疲れた顔をしていたけれど、僕は走って抱きついてしまった。ふんわりとアルコールと由宇さんの香りがする。
「熱烈歓迎じゃん。どうしたの」
「新刊……! めちゃくちゃ良かったです」
頭を由宇さんの肩にぐりぐりと押し付けると、ポンポンと撫でてくれた。そして僕の顔を覗き込む。
「そっちか……。会えて嬉しくて、かと思ったのに」
「それもです!」
「嘘くさいなあ……まあいいか」
由宇さんはニッ、と笑うとそのままキスをしてきた。
同じベッドで手を繋いで僕らは天井を見上げる。【笑顔に溺れさせて】の感想をこれでもか、というほど伝えると由宇さんは嬉しそうだったけど時間が経つにつれて『高西先生に妬けそうだからそろそろ恋人に戻ってくれない?』と苦笑いされた。
今日はお互い疲れ切っているから、えっちはお預け。とは言えまあ……滞在中には、ね。僕はきっとこの先、関東に住むし、由宇さんと頻繁に会えるようになる。だから何事も焦らなくていいんだ。
そしてフワフワした眠気が襲ってきて、あくびをしたら由宇さんもつられておおあくび。
「そろそろ寝ようか」
照明を落とし暗くなると、いよいよ眠気はピークに。由宇さんはおでこにキスして顔を撫でてきた。暖かい指が気持ちいい。
明日の朝のサプライズを楽しみにしながら僕は眠りにつく。
「おやすみなさい、由宇さん」
「おやすみ、陸くん」
【神同人作家と陸くんは嫉妬するに続く】
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