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神同人作家と陸くんは嫉妬する
仕事帰りに会える幸せ
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僕には推しのBL作家兼恋人がいる。人気の作品を何本も発表している高西ユウ先生と恋人同士になったきっかけは同人誌即売会だ。あやうく遠距離恋愛になりそうだったけど、神様の奇跡で彼の住む街の近くに僕が引越しして、現在に至る。ちなみに、同棲はしてないよ。……今はまだね。
僕のアパートから電車で二駅の距離に高西先生、いや由宇さんのマンションがある。週末の休みにはマンションに行ってゆっくりしたり、たまに泊まることもあるんだ。大抵は由宇さんからおいで、と連絡がはいる。僕はそのお誘いをいつもソワソワ待っているんだ。
実は、ここ最近そのお誘いがなくて今週も行く予定がない。でもこれは仕方ないことなんだ。何故なら由宇さんは今、商業誌の締切間近で追い込み時期だから! 同人誌を含め今まで締切を破ったことはない由宇さんだけど、今回は本当にやばいらしい。
『会えなくてごめんね』なんてメッセージが来るんだけど、何をおっしゃいますやら。僕は一番の高西先生のファンなのだから邪魔なんて絶対しないよ。寂しくないのかと言われたら寂しいに決まってるけれど、自分の気持ちよりも由宇さんが作品を仕上げてくれるほうが僕にとっては幸せなんだ! と思っている。
金曜日の昼休憩。いつもなら、あと半日頑張れば由宇さんに会えるとワクワクしながらご飯を食べるんだけど、ついため息が出てしまう。大好きなオムライスを目にしても食欲が半減しているのが分かるもんなあ。
高西ユウ先生の新刊のためとはいえ、やはり少し寂しい。
「榎浪、何か心配ごとでもあるのか? さっきからため息ばかりだし食進んでない」
以前勤めていた営業所が閉鎖することになり異動先の選択を藤田は僕と同じ関東営業所を選んだ。仲の良い同僚が一緒で心強いのだがとにかく心配性なのだ。
「うん少し。でも大丈夫だよありがとう」
「ほら、唐揚げあげるから元気だして」
向こうにいる時からだけど、藤田はめちゃくちゃ優しい。もちろん僕にだけではなくてみんなに。なのに彼女も奥さんもいないんだから、不思議だよなあ。気遣ってくれた唐揚げを食べないわけにはいかなくて、パクリとそれを口に入れた。
少し寂しい週末を過ごし、月末の月曜日を迎えた。月中と違い何かとバタバタと業務をこなし、夕方に一息ついたとき、スマホを見ると由宇さんからメッセージが入っていることに気づく。恋人になってもいまだにメッセージを開く時にはドキドキしちゃう。いや、恋人だからこそドキドキしてしまうのかな。
『締切、間に合ったよ!』
そのメッセージに思わず口元が緩む。
『お疲れ様でした!』
僕がそう返信すると間髪入れずにまたメッセージが届く。
『二週間も会えなかったから、会いたいな。夕飯食べに行かない?』
今日は少し残業しようかなと思っていたけど、由宇さんの申し出に僕は定時退社することを決めた。壁にかけてある時計を見るとあと二時間で定時だ。黙々と業務をこなし、定時を少し過ぎた頃に帰り支度を始める。
以前は由宇さんに会うために四時間も新幹線に乗らなくてはいけなかった。それがいまや仕事帰りにふらっと会えるなんて! それを考えると、修羅場の時に会えないくらいで寂しがるなんて贅沢だ!
僕のアパートから電車で二駅の距離に高西先生、いや由宇さんのマンションがある。週末の休みにはマンションに行ってゆっくりしたり、たまに泊まることもあるんだ。大抵は由宇さんからおいで、と連絡がはいる。僕はそのお誘いをいつもソワソワ待っているんだ。
実は、ここ最近そのお誘いがなくて今週も行く予定がない。でもこれは仕方ないことなんだ。何故なら由宇さんは今、商業誌の締切間近で追い込み時期だから! 同人誌を含め今まで締切を破ったことはない由宇さんだけど、今回は本当にやばいらしい。
『会えなくてごめんね』なんてメッセージが来るんだけど、何をおっしゃいますやら。僕は一番の高西先生のファンなのだから邪魔なんて絶対しないよ。寂しくないのかと言われたら寂しいに決まってるけれど、自分の気持ちよりも由宇さんが作品を仕上げてくれるほうが僕にとっては幸せなんだ! と思っている。
金曜日の昼休憩。いつもなら、あと半日頑張れば由宇さんに会えるとワクワクしながらご飯を食べるんだけど、ついため息が出てしまう。大好きなオムライスを目にしても食欲が半減しているのが分かるもんなあ。
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「うん少し。でも大丈夫だよありがとう」
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少し寂しい週末を過ごし、月末の月曜日を迎えた。月中と違い何かとバタバタと業務をこなし、夕方に一息ついたとき、スマホを見ると由宇さんからメッセージが入っていることに気づく。恋人になってもいまだにメッセージを開く時にはドキドキしちゃう。いや、恋人だからこそドキドキしてしまうのかな。
『締切、間に合ったよ!』
そのメッセージに思わず口元が緩む。
『お疲れ様でした!』
僕がそう返信すると間髪入れずにまたメッセージが届く。
『二週間も会えなかったから、会いたいな。夕飯食べに行かない?』
今日は少し残業しようかなと思っていたけど、由宇さんの申し出に僕は定時退社することを決めた。壁にかけてある時計を見るとあと二時間で定時だ。黙々と業務をこなし、定時を少し過ぎた頃に帰り支度を始める。
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