神同人作家は陸くんを溺愛する。

柏木あきら

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神同人作家と陸くんは嫉妬する

一方的な感情

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「陸は、俺がやましいことをしていたから、連絡しなかったんだと思っているの」
「……」
「終電がなくなって、タクシーで帰るにも距離があるからそれならうちに泊まればって泊めた。それがいけなかった? 下心あって泊めたんじゃないかって?」
「だって、大須賀くんは由宇さんの推しだから……」
 テーブルを強く叩く音と震える由宇さんの拳。僕は顔から血の気が引く。しばらく沈黙が続き、やがて由宇さんが口を開いた。
「推しだから手を出すだろって? ……じゃあ、陸は俺が推しの作家だから付き合ってるってこと? 推しじゃなければ俺とは付き合わなかった?」
 その言葉に息を呑む。さっきまで怒りに満ちていた顔は、とても悲しそうな表情になっていた。僕が口を開く前に、由宇さんはため息をつき頭を振る。そして僕に反論の余地を与えないままに呟いた。
「……ごめん。今日は帰って」

 どうしよう、どうしよう。
 由宇さんをあんなに怒らせてしまった。
 
 僕は自分の部屋までどう帰ったのか思い出せないくらい、打ちのめされていた。いや自分が言い出したくせにショックだなんて、自業自得すぎる。
「どうしよう……」
 倒れるようにベッドにうつ伏せになると、目が熱くなって涙が溢れて来た。
 あんなにまで言うつもりはなかったんだ。ただ僕がこれだけヤキモキしているのに由宇さんが呑気に大須賀くんの話をするから、イラッとしてしまった。
 そもそも大須賀くんが遠慮なしに知り合って間もない作家の家に泊まるのがおかしいんだ。
……ああだめだ。一番おかしいのは自分なのに、勝手なことを言って人のせいにばかりしている。
 涙が次から次へと溢れ出して枕が濡れていく。
『陸は俺が推しの作家だから付き合ってるってこと?』
 そんな訳ない、となぜすぐ答えなかったんだろう。大好きなのは由宇さんなんだって。優しくて、一緒にいて楽しくて安らげる由宇さんだからこそ僕は好きになったんだ。推しだからって恋愛になる訳じゃないか。
 そこまで考えた時、気がついた。僕はそう思っているのに、なんで大須賀くんと由宇さんがって怪しんでるんだ? 恋愛になる訳じゃないって分かっているはずなのに。
 そう思った途端、息が苦しくなってパクパクと口を開ける。矛盾した気持ちに僕はすっかり混乱してしまう。
誰か、助けて。由宇さん、助けて……
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