神同人作家は陸くんを溺愛する。

柏木あきら

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神同人作家と陸くんは嫉妬する

いよいよ当日!

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 女子組と別れて僕らも明日の差し入れを買ったりして街を周り、夜ご飯を食べた。今回は三連休の中日に開催されるから街はどこも人が多くて大変。早々にホテルに戻り、二人で女子組の帰りを待ちながら飲んでいた。まずは明日の最終サークルチェック。
 最近のオススメBLを語り合う。永田くんオススメもこっそり大須賀くんに教えてあげよう。
「高西先生の新刊も買わなきゃな! そう言えば最近どうなの? 仲良くしてる?」
永田くんの問いに思わず苦笑する。つい最近まで喧嘩していたなんて言えず、僕は首を縦に振った。そして僕らは明日のために早めに就眠する。おやすみなさい、由宇さん。

 翌朝。まさかの雨模様に愕然としたけれど、ホテルを出る頃には雨はかろうじてあがって、胸を撫で下ろす。予報ではこれから晴れるみたいだから、晴れ女さんが何人も本領発揮したんだろうな。ありがたい!
 待ち合わせしていたカフェてひといきついたあと僕らは一般参加の列に並んだ。今回、野外に並ぶと聞き、暑さが心配だったけど、風が涼しくて助かる。
 それでも滲む汗を拭きながら待っていると、ようやく開場のアナウンスが流れた。
「ただいま【Jパーク56】を開催いたします!」
僕らは『健闘を祈る』とカタログ片手にして、各々の推し作家のスペースと足早に向かった。姫野さんとユミさんは先ほど話題に登っていたモモ先生の元へ。永田くんはフクミチ先生、僕はユユカ先生のスペースへと向かう。
 そうして小一時間くらい経過した頃。僕はふう、と気合を入れていた。カタログに色をつけている訪問するスペースがだいぶ減ってきた頃。通路向こうにフクミチ先生と高西ユウ先生の壁スペースが見えた。
 壁サークルで隣同士とはいえ、島中のようにピッタリ隣ではなく、多少机の感覚が空いているので若干安心した。開場直後の二人の列はえげつなかった。特に高西先生の列はドラマの影響もあってか、列があまりに長くなっていたから横のシャッターが開けられて外にまで伸びていた。今はもう外までは伸びていないものの、フクミチ先生の列の倍くらいだ。圧巻だなあと思いながら、今なら忙しいだろうからフクミチ先生のところに行ってもバレないよな、とこっそり列に並んだ。
 数分後、ようやく最前列まで来て机に並べてある新刊とご対面だ。そしてフクミチ先生……藤田とも。
 オールバックにした髪と、メガネ。以前の即売会は色の濃いメガネをかけていたけれど今回はクリアなメガネをしていた。僕に気づくなり藤田は小さく手を振ってきた。僕は慌てて新刊の見本誌を捲る。もう、ここではお前は商業BL作家なんだから自覚もってくれよ!
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