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メイドカフェのアルバイトでセーラー服を着て女装した俺。気がついたら女体化していた。痴漢に追いかけ廻されてトイレに連れ込まれる。

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 (1)

 ハロウィンの季節が近づいて俺は秋葉原にコスプレの衣装の下見に行った。
何軒かコスプレ衣装の店を見て歩いたがどの店も結構値段が高い。
一休みしようと思って以前よく行ったウェンディーズを探したが閉店したらしい。
どこでもいいやと思って裏道にはいるとメイドカフェの女の子達が大勢ビラを配っている。
セーラー服を着た可愛い子がいたのでビラを貰おうと手を伸ばすと「よかったらうちの店でバイトしませんか、体験入店で一日五千円になるんですよ」と女の子に言われた。
なんで男の俺がメイドカフェでバイトしてそんなに金になるんだろうと思ってよくよくビラを確かめてみると男の娘カフェらしい。
どうやら店のビラを配っていた女の子も男の娘らしい。
俺は子供の頃に姉の誕生会で女装をさせられたことがある。
姉の友達の女の子達に可愛いと褒められて嬉しかったのを思い出した。
一日アルバイトするだけで5千円というのはかなり魅力的だ。
こんな上手い話は断る手はないと俺は思った。
「本当に俺でもいいんですか」と俺は一応聞いてみた。
「大丈夫、ちゃんとお化粧すれば可愛くてモテモテになりますよ」と女の子に言われて俺はすっかりその気になった。
「じゃあ、やらせてもらいます」と俺が返事をするとさっそく店に案内された。
しゃれた感じの喫茶店風の店にはセーラー服を来た女の子が数人いたが全員男の娘らしい。
店の奥の控室でセーラー服に着替えるとお化粧もしてもらった。
自分で鏡で確かめてみたが、可愛くて女の子にしか見えない。
お店でお客の男の子たちとおしゃべりをしていると閉店の時間になった。
「よかったらカラオケにいかないか、お腹すいたんじゃないか。食事もできる店があるんだ」と中年の男性に誘われた。
俺はどうしようかと思ったがせっかくのお誘いを断るのも悪い気がした。
男と二人でカラオケ店に入ると「おなかが空いたろう。この店はねスパゲティーが美味いんだ」と言ってメニューを渡してくれた。
ペペロンチーノだのアラビアータだの訳の判らないスパゲティーの名前が並んでいてどれを頼んでいいのか判らない。
俺は何でもいいやと思って適当に注文した。
スパゲティーを食べながら、お酒を薦められて慣れないお酒をいっぱい飲んだ。
食事のあとカラオケをしたが何を歌ったか酔ったせいで記憶がはきっりしなくなった。

  (2)

 目が覚めたとき俺は公園のベンチで寝ているのに気がついた。
家に戻ったはずだと思ったがどうも違っていたらしい。
どうやらコスプレのセーラー服を着たまま公園のベンチで寝たしまったらしい。
昨日の事を思い出そうとしたが、カラオケを出た所までは覚えているがそのあとの記憶がない。
俺はセーラー服を着たままなので着替えようと思ったが着替えがない。
持ち物をさがすと財布と携帯をもっている。
これなら家に帰る電車賃くらいはありそうだと思って公園を出たが自分がどこにいるのか分からない。
景色を確かめると体育館が近くにあるのが見えた。
どうやら渋谷にいるらしいと俺はなんとなく気がついた。
駅前まで歩いていくとファーストキッチンを見つけたので一休みしようと思った。
チキン竜田サンドとコーヒーを頼んで空いてる席に座ると食べ終わったあとトイレに立った。
セーラー服を着ているので便器に座って小便をしようとしたとき俺は愕然とした。
股間にあるべきものがないのだ。
何度も手で触って確かめたがやっぱりない。
それでも小便がでるので用は済ませたがやっぱり変だ。
トイレの鏡で自分の顔を確かめてみたがいつもの俺の顔とは全然違う。
お化粧をしているから別人に見えるのかとも思ったが顔の輪郭が全然違う。
胸に手を当てて確かめると肉の塊の感触があって本物の胸だ。
何がなんだかさっぱり訳が分からない。
俺は昨夜何があったのか思い出そうとしてみた。
俺は昨日までは確かに男だったはず。
男の娘カフェでセーラー服の女装をしたが、それだけで身体が女になるはずがない。
スカートを直して席にもどったが頭の中は混乱するばかりだった。
このまま家に帰るかどうか俺には決心がつきかねた。
俺はもともと男の子なはず。
家に戻れば家の子じゃないと言われるに決まっている。
しばらくぼんやりとしていると「君。うちの学校の生徒だよね、こんなところで何をしているんだ」と男に声を掛けられた。
「君は吉祥女子学院の生徒だね。その記章は三年生百合組だ。学校をさぼるなんてどうゆうつもりなんだ」と男が言うのを聞いてどうやら俺の着ているのは吉祥女子学院の制服らしいと気が付いた。
「こんなところで、男と待ち合わせでもしてるのかね。援助交際なんてとんでもない話だ。即退学だ」と男に言われて俺はなんて答えていいのか返事に困った。
この男は吉祥女子学院の先生らしくて、口調からしてたぶん生徒指導かなんかを担当してるらしい。
とりあえず謝った方がいいと思って「すみません」と小さい声で男に答えた。
「いいから一緒に来るんだ、身体検査するかなら」と言うと男は俺の手を掴んでファーストキッチンから連れ出した。
男に手を引かれ裏道に入るとすぐ目の前にラブホテルらしい建物が見えてきた。
男はラブホテルの入り口に俺を連れ込むと「ここで身体検査をするから、一緒にはいるんだ」とぬかしやがった。
セーラー服を着た女の子が男とラブホテルに入るなんてどう考えても変だ。
俺が男と一緒にラブホテルに入るのをためらっていると男は強引に俺の手を引っ張って中に入ろうとした。
いつもの俺だったらこんな男に手を引っ張られたくらい何でもないが今は女の体だ。
男の手を振りほどこうとしても手に力が入らない。
俺は男に引っ張られてラブホテルの玄関まで連れてこられた。
このままラブホテルに連れ込まれたらやっかいなことになる。
きっと俺を裸にして身体検査をするつもりに違いない。
そのとき俺の体が男に戻ったりしていたら男が何を言い出すか分からない。
ここはなんとかして逃げるしかないと思って俺は男の股間に蹴りを入れてやった。
セーラー服のスカートが捲り上がって、パンティーが丸見えになったけどそんなこと気にしていられない。
思い切り強く蹴り上げたつもりだが、俺の蹴りは軽く男の股間に触れただけ。
女の体では力が入らない。
それでも上手く男の急所に入ったらしくて男は体ごと飛び上がるとそのまましゃがみ込んだ。
男が俺の手を離したので、俺は大急ぎでラブホテルの前から逃げ出した。
男に追いつかれないように必死で走ったがセーラー服のスカートの裾が乱れて気になって上手く走れない。
なんとか大通りにでて駅前まで来ると俺は後ろを振り返った。
男の姿は見えない。
ここまでくれば大丈夫と思って俺は一息ついた。

  (3)

 俺はこのまま吉祥女子学院の制服のセーラー服を着て居たらまた生徒指導の先生に見つかると思った。
だが服を買うお金はない。
俺は今着てる吉祥女子学院のセーラー服を古着屋に売ればなんとか金になるかもしれないと思いついた。
中古のセーラー服は結構金になるという話だ。
女子高を卒業した女の子が不要になったセーラー服を売って結構な金をもらったという話も聞いたことがある。
名門校なら高く売れるとの話だ。
吉祥女子学院は女子高としてはかなり有名だしセーラー服のデザインも可愛くて人気がある。
いくらで売れるかは分からないが当面の生活費の足しにはなるだろう。
だが普通の古着屋でセーラー服など買ってくれるはずはない。
俺は携帯でしらべてセーラー服買取専門の古着屋を探してみた。
かなり離れた場所だが、セーラー服を買ってくれる古着屋を見つけた。
センター街を出て裏道を進むと、ガード下をくぐって駅の反対側に出た。
住所を確かめてそれらしいビルに行ってみたが普通のマンションで店があるとはとても思えない。
だが住所はあってるので、ビルの入り口の郵便受けを見ると確かに店の名前がある。
俺はエレベータに乗って店のある階まで行ってみた。
ビルの廊下の中ほどに小さな看板がでているのが見えた。
店のドアが開いているので中に入ってみると古着の匂いが鼻にむっときた。
細い通路を中に入ると、店の中には中古のセーラー服が壁にぎっしりと飾ってある。
どうやらここが目的の店らしい。
店には客らしい中年の男がセーラー服を物色してる。
何のために中年の男がセーラー服を買うのか訳が分からない。
自分の彼女に着せるためなのかそれとも自分で着るためなのか。
目の前の中年男がセーラー服を着ている姿を想像するとぞっとする。
自分が売ったセーラー服が何に使われるのか、セーラー服を売る女の子は分かってるんだろうかと気になった。
何に使われても金さえもらえればどうでもいいと思ってるのに違いない。
店の奥のレジまで進むと両側にはセーラー服の他にはブルマーや中古のパンティーがいっぱい並んでる。
こんな店にはとても長居はできない。
俺は今着てる吉祥女子学院のセーラー服を買ってもらおうと店主らしい男に声を掛けた。
結構な金額で買い取ってもらえる話がまとまって俺は一安心した。
だが俺はやっかいなことに気が付いた。
今吉祥女子学院のセーラー服を脱いでしまえば代わりに着る物がない。
俺は店の中を見回してみたが、店に置いてあるのはセーラー服や体操着のブルマーばかりで普通に女の子が着る様な服は見当たらい。
俺が「なにか着るもの置いてませんか」と恐る恐る店主に聞いてみると店主は「これならお安くなってますよ」と着替えの服を差し出した。
とりあえず着るものなら何でもいいと思って俺は店主が差し出した服を受け取った。
レジの横の試着室で着替えることにした。
セーラー服を脱ぐと俺はもう一度自分の体を確かめてみた。
もしかして男の体に戻ってるかもしれないと思ったからだ。
パンティーの上から股間を手で探ってみたがやはりあるべき物はない。
胸もブラジャーからはみ出そうなくらい前に突き出てる。
試しに胸をきつく握りしめて感触を確かめてみたがやはり本物だ。
店主に渡された服は広げてみると花柄のワンピースらしい。
頭からかぶって着てみると、生地がかなり薄いしデザインがなんだか変だ。
肩が細い紐になっていて、肩が剥き出しになるデザインだ。
俺は店主に渡されたのがキャミソールらしいと気が付いた。
キャミソールは随分と前に流行った服で今時着て居る女の子などいない。
生地が二重になっていて裏地が付いているけど見た目はスケスケだ。
女の子が着れば可愛いかもしれないが俺は元々男だ。
恥ずかしくてとてもこんな服を着て外は歩けない。
だがこの店は普通の古着屋なんかじゃない。
吉祥女子学院の制服を売ったお金で他の学校の制服を買ってもしかたないし、ブルマを着て外を歩くわけにもいかない。
俺はとりあえずは我慢するしかないと諦めた。
脱いだ吉祥女子学院のセーラー服を店主に渡して金をもらうと俺はすぐに店を出た。
キャミソールを着ていると、足元がスウスウとしてこそばゆい。
風がちょっと吹いただけでもキャミソールの裾が捲り上がってしまうので気になって仕方ない。
いつもみたいに大股でなんかとても歩けない。
俺は内股でよちよちとアヒルみたいに歩くしかなかった。

  (4)

 とりあえずキャミソールを着て居たくないので、古着屋でズボンを買おうと思った。
原宿までは歩いてすぐの距離だ。
原宿にだったら古着屋は一杯あるし、セーラー服を売ったのでお金も少しある。
俺は大通りを原宿の方角を目指して歩き始めた。
しばらく歩くと、原宿の駅が見えてきた。
原宿駅前から竹下通りに入ると、細い道の左右に洋服屋が一杯並んでる。
どの店も女の子向けの可愛らしい服をたくさん飾ってある。
俺は古着屋を一軒づつ見て回って安い女物のズボンを探した。
二件目の古着屋でよさそうなズボンを見つけたが、もっと安い店があるかもしれないと思って。俺は次の店を目指して竹下通りを先に進んだ。
三軒目の古着屋は前の二軒よりかなり広くて、値段も安かった。
奥に入ると細い通路の先に女物のズボンがいっぱい置いてある。
俺は似合いそうなズボンを手に取って値段を調べてみたがかなり安い。
この店で買おうと思ってズボンを手に取ると、次はシャツを探すことにした。
原宿だけあって女物のシャツは可愛いものばかり。
店の一番奥に行くと、男の子っぽい地味目のシャツが置いてある売り場があった。
俺がシャツを手に取ってサイズを確かめていると、俺の後から男が近づいてくるのに気が付いた。
女の子の古着の売り場なのに、何で男が来るのかと思っていると男は俺のすぐ後ろまで来た。
俺はなんだか変だと思ったけど、気にせずにチェックのシャツを手に取ろうとして前かがみになった。
そのとき俺のお尻にくすぐったい感触が触れてきた。
何度も軽く押し当てるようにお尻を触られて、俺は痴漢らしいと気が付いた。
キャミソールを着て居るので、前かがみになるとお尻が丸出しになってしまうんだ。
女の子は前かがみになるときは膝を曲げてしゃがむ恰好をしないといけないんだと俺は気が付いた。
そうしないとお尻が丸見えになってしまうんだ。
ともかく今は着替えを買わないといけないと思って俺はしばらく痴漢に何をされても我慢していた。
しばらくして他の客の女の子が俺に近づいてきたとき痴漢は俺から離れてどこかに消えた。
俺はこれでやっと一安心と思ってレジでズボンとブラウスを買った。
どこかで着替えをしようと思って携帯で検索してみると近くに児童公園があるらしい。
俺は古着屋を出て、裏通りに入るとしばらく歩いて遊具の置いてある児童公園についた。
トイレで着替えを済ませて、トイレを出ようとしたとき目の前に男が立ちはだかっているのが見えた。
さっきの痴漢にずっと後を追いかけられていたらしいと気が付いて俺は寒気がした。
俺は男の横を通り過ぎようとしたがいきなり腕を掴まれた。
男は俺の腕を捩じりあげると、トイレの中に連れ込んだ。
熱く煮えたぎった欲望を前にして、俺の心は逆らう気力を失った。
俺の身体を包み込んだ欲望の渦は、すぐには激しくならずに、俺の感触を楽しんでいるようだった。
しだいに激しさを増す欲望には抵抗する気力もなくなるほどの荒々しさがあった。
許されない喜びの深い淵に俺の体は沈み込んで戻ることができなくなった。
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