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ロボット実験場から逃げ出して地上に戻ろうとしたがだめ。一つ上の階に上がって以前良一君に案内されて来た森の中の城にでただけ。
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あらすじ
久美ちゃんとピーチと一緒に手伝って貰って牢獄に捕らわれていた勇二君を助けた。ロボット実験場から逃げ出して地上に戻ろうとしたがだめ。一つ上の階に上がって以前良一君に案内されて来た森の中の城にでただけ。森の中で怪物に襲われるが勇二君の活躍で何とか逃げる。
朝になって有紀が目を覚ますと彩香ちゃんは心配そうな顔をしてる。
「昨日勇二君が四つ葉学園の女の子達に捕まってしまったので、もう四つ葉学園には行かない方がいいと思うの」有紀が言うと彩香ちゃんも同じ意見だ。
鈴木先生は四つ葉学園の女の子達に歌舞伎町には行かないようにと指導してたはず。
この出会い軽喫茶に居ればしばらくは安心だ。
しばらくぼんやりと部屋で過ごしていると、くんくんと鼻を鳴らす音が聞こえた。
ピーチが戻ってきたんだ。
久美ちゃんの家には食べる物がないから戻ってきたに違いない。
彩香ちゃんがピーチを抱き上げると、すぐに久美ちゃんがピーチを探しに来た。
彩香ちゃんは慌ててしゃがみ込んでピーチを四つ葉学園の制服のスカートの下に隠すと、知らん顔で微笑んだ。
「ねえ、ピーチきてますよね」と言われて彩香ちゃんが「知らないけど」と言った瞬間にピーチが彩香ちゃんのスカートの下で「ワン」と一声ほえた。
これじゃあしょうがない。
「私、ピーチとここから出て地上に出たいんです」と久美ちゃんがピーチの頭を撫でながらいった。
久美ちゃんがどうして地上の事をしってるんだろうと有紀は不思議な気持ちになった。
「ピーチが、教えてくれたんです、地上には青いそらと太陽があるって」
「幸せになるには、青い空と、真っ赤な太陽の下でないと、幸せにはなれないんだって」
「私、ピーチと二人で幸せになりたいんです」と久美ちゃんが言うので、有紀はあれっと思った。
「でも、どうやって」と有紀が半分言いかけると、久美ちゃんは「ピーチが地上に通じてる通風口の出口を知ってるんです、そこを通れば地上に出られるってピーチが教えてくれたんです」と久美ちゃんが言い出した。
どうも話しが変だと思ったけど、久美ちゃんはピーチと話しができるらしい。
久美ちゃんはロボットなんだから、犬語が理解できる機能もついてるってことは十分あり得る話しだ。
この世界から地上に出られる方法は判ったけど、勇二君を置き去りにする訳にはいかない。
勇二君が何処に連れて行かれたかは判らないが、久美ちゃんがいいアイデアをだしてくれた。
ピーチに探させれば良いのだ。
ピーチは犬だから、勇二君の匂いを辿れば勇二君が何処に連れて行かれたか跡をたどれば判るはず。
さっそく勇二君が連れ去られた場所にみんなで行ってみることにした。
四つ葉学園前の公園に行ってみると、今は授業中らしくて女の子達の姿は見当たらない。
久美ちゃんが「くわん、くわん、うう、ゆうう、、ぐーー、すいっちょー」とピーチに話しかけるとピーチはすぐに勇二君の匂いを探し始めた。
やっぱり久美ちゃんは犬語が話せるらしい。
彩香ちゃんも目を丸くしてる。
しばらく公園の中をぐるぐる歩き回った後、ピーチは勇二君の匂いを見つけたらしくて鼻を地面に近づけながら歩き始めた。
だけど、ピーチが辿りついたのはさっきの喫茶店の裏口だ。
きっと彩香ちゃんか有紀か、それとも男の子の江実矢君の匂いと間違えたに違いない。
彩香ちゃんも心配になって「ねえ、間違えたんじゃないの」と久美ちゃんに聞いてみた。
久美ちゃんがまた犬語で「くく、くええ、わんぐー」とピーチに聞いてみると間違いじゃないとピーチが言ってるらしい。
裏口から喫茶店にはいってみると、ちょうど変な十字架の置いてある部屋にでた。
もしかして勇二君は十字架に縛り付けられてるのかと思って彩香ちゃんが十字架に駆け寄ったが誰もいない。
部屋の周りには鉄格子がついた部屋が幾つも並んでいるのが見えた。
ピーチが匂いを嗅いで確かめたが、鉄格子の部屋には入った様子はない。
ピーチがさっきの十字架の所まで来てまた勇二君の匂いを見つけたらしい。
十字架のすぐ裏手の壁に鼻先を近づけるとピーチが「うわん、、くーー、わん」と鳴いた。
「この壁の先に勇二君がいるってピーチが言ってるの」と久美ちゃんが突然大声で叫んだので彩香ちゃんは驚いた顔で青ざめた。
もしかして勇二君がこの壁の中に塗り込められちゃったのかもしれない。
だとすれば生きてる訳がない。
有紀が試しに壁をそっと押してみると、すっと奥に開いた。
ピーチが先に中に入ってみると、壁の奥は少し広くなっていて上に登る階段が見えた。
彩香ちゃんは思い過ごしだと判ってほっとした顔で階段を見上げた。
「きっとこの上ね」と有紀が彩香ちゃんに声を掛けると彩香ちゃんはすこし気持ちが落ち着いたのかゆっくりと息を吐いた。
ピーチを先頭に螺旋階段を登っていくと薄暗い通路に出た。
通路の両脇には鉄格子のはまった部屋が沢山ならんでいる。
有紀は耳を澄ませて部屋の様子を伺った。
しんと静まり返って、物音一つしない。
ピーチが床に鼻をすりつけるようにして先に進んでいくと、微かに寝息らしい音が聞こえてきた。
彩香ちゃんが確かめてみると、鉄格子の奥で寝ているのは確かに勇二君だ。
だが彩香ちゃんは困った顔をしてすぐ横を向いた。
勇二君は裸で寝てるらしい。
だけどそれだけじゃあない。
彩香ちゃんが顔を赤くしてるのを見て、有紀もすぐに勇二君の様子が変なのに気がついた。
男の子の大事な物がおっきく真上にそびえるように立ってるのだ。
これじゃあ、恥ずかしくてとても女の子には近寄れない。
久美ちゃんはまだ男の子の事をよく知らないらしくて、平気な顔で鉄格子に近づいた。
鉄格子には鍵が掛かってるけど、暗証番号で開ける暗号式の鍵だ。
久美ちゃんが適当に押してみたがすぐには開きそうにない。
諦めたのか久美ちゃんは一旦鍵から指を離すと、今度は指を揃えて鍵の上に置いた。
いきなり指が凄い勢いで一斉に目にも止まらない早さで動き出した。
全部の組み合わせを片端から押してるらしくて、しばらく待っても何も起こらない。
だけど急にカチッと音がしたと思うと久美ちゃんの指が止まった。
鍵が開いちゃったんだ。
さっそく勇二君を助け出そうと思ったけど、勇二君は裸だ。
この際仕方ないと、江実矢君に制服のスカートを脱がせた。
江実矢君はアンダースコートが丸見えになって、恥ずかしそうにしている。
久美ちゃんが江実矢君のスカートを持って、檻の中に入ると勇二君に着せて出てきた。
どう見ても女子高生には見えないが、ちょっと太めの女子高生だと言われたらそう見えないこともない。
勇二君の話しでは、ここはタコイーカ財団の地下の実験場でロボットのテストをしてるらしい。
地上の世界とそっくり同じ世界を地下に作って、ロボットを生活させてそれで上手く動くかテストする計画らしい。
女の子達の部屋にはみな、ビデオチャット用のパソコンが置いてあって、そのパソコンはインターネットにつながってる。
地上のパソコンにもつながっていて、それでビデオチャットの練習もしてるらしい。
普通の女の子の振りをして、地上の普通の男の子達と話しをしてるって訳だ。
勇二君は偶然、百合ちゃんとビデオチャットしてこの地下の実験場に気がついたらしい。
勇二君が百合ちゃんのパソコンにウィルスを送って、それで百合ちゃんのパソコンをハッキングして、パソコンのデータを盗んで調べたんだ。
そしたら百合ちゃんの設計データがパソコンにはいっていて、百合ちゃんがロボットだ判ったらしい。
百合ちゃんのパソコンを経由して、タコイーカ財団のメインコンピュータにウィルスを送り込んで、この実験場のデータを盗んだんだと勇二君が得意そうに話してくれた。
地下の実験場からは、排気口がいっぱい地上につながっていて、地下の世界に空気を送ってる。
ロボットは空気が無くても生きていけるけど、地下の実験場には本物と同じ木や草も植えてあるから空気が無いと困るんだ。
ピーチは偶然猫を追いかけて排気口に迷い込んだらしい。
彩香ちゃんの匂いが排気口から微かに流れてきたので、ピーチは彩香ちゃんを捜して地下まで降りてきてしまったらしい。
ピーチには迷子防止のためにGPS首輪がついてるから、勇二君にはピーチの居所がわかったんだ。
勇二君の話を聞いて大体の事情は分かったけど今はともかくここから逃げ出すしかない。
排気管は途中が幾重にも折れ曲がっていてあちこちに枝分かれしてるから、地上に上手く逃げ出すのはなかなか難しいらしい。
犬のピーチが道順を匂いで覚えてるので、ピーチなら道が判ると久美ちゃんが教えてくれた。
ピーチと犬語で話しが出来るのは、ロボットの久美ちゃんだけだ。
久美ちゃんも一緒に連れて行くしか、地上に上手く辿り着く方法はない。
すぐに檻をでようとしたが、久美ちゃんがピーチとなにか話してる。
「くーー、くぃんくあんんん」とピーチがうなると久美ちゃんが「タンポポの匂いが遠くからしてくる」と通訳してくれた。
この檻は地下の牢獄らしくて、上まで登れば地上にでられるに違いない。
さっきの螺旋階段まで戻ろうとすると、急にすぐ横のドアが開いた。
黒いリクルートスーツの胸が大きく飛び出してる格好は鈴木先生だ。
「あんた達、なにやってるの」と鈴木先生に言われて、久美ちゃんは立ち止まって動けなくなった。
鈴木先生が持ってる鞭を見て、有紀も恐くて震えてきた。
「さっさと檻に戻るのよ」と鈴木先生の甲高い声が聞こえたが、勇二君はひるまない。
女の子が危ないときには男の子が守るのが男の役目だと勇二君にも判ってるんだ。
胸を張って両手を広げて前に出ると、鈴木先生の前に立ちはだかった。
鈴木先生の腕がすばやく動いた。
鞭の先がすっと伸びると、ぐんと伸びてしなった。
勇二君のおでこめがけて鞭の先がしなって伸びた瞬間に、有紀はもうだめだと思って身体が震え上がった。
鞭の先が勇二君のおでこにぶつかる瞬間に、勇二君の身体が少しだけ後に仰け反った。
そんなことで鞭が避けられるわけ無い。
すると鞭の先が手前で上に跳ね上がるとぴんと音を立てて天井のパイプを叩いた。
天井のパイプがグアンと音を立てて響くと、今度は鞭の先が跳ね返って床を叩いて跳ねた。
あの鈴木先生が鞭の扱いを間違えるなんてとてもあり得ない。
だけどこの地下室は天井が低くて狭いので鈴木先生でも鞭が上手く使えないらしい。
もう一度鈴木先生が鞭を手元にたぐり寄せて、勇二君のおでこをめがけて打ち付けようとした。
今度も勇二君は少しだけ後に身体をずらせただけだが、それでも鞭の先を空を切って天井のパイプを叩いただけ。
鈴木先生はいつもの鞭の振り上げ方では鞭が上手く使えないと気づいた様子。
鞭の取っ手を短く持ち替えると、腕の振りを小さくしてもう一度勇二君めがけて叩きつけた。
だが今度は鞭の先が勇二君の手前でストンと床に落ちてしまった。
勇二君にもっと近寄らないと、鞭が上手く当たらないと判って鈴木先生は少しづつ様子を見ながら勇二君に近づいた。
勇二君は今度はわざと前に身を乗り出して、鈴木先生の前に立ちはだかった。
すると今度は鈴木先生が怯えた様子で後に下がった。
鈴木先生がいつも強気なのは鞭が使えるからだ。
鞭が使えないとなると、やっぱり女。
男の人が恐いらしい。
勇二君がさっきの檻の入り口近くまで進むと、急に履いていたスカートを脱いで床においた。
タータンチェックのプリーツスカートは勇二君の足元で丸い花びらみたいに重なって広がってる。
「ちょっと、その短剣こっちによこしなさい」と鈴木先生が泣きそうな声で叫んだ。
いったい何が起きてるのか有紀には判らなかったけど、鈴木先生の視線が勇二君の腰の前に注がれてるので有紀はなるほどと思った。
この世界には男はあの良一君しかいない。
その上良一君には男の大事な物がついていない。
鈴木先生は本物の生身の男の子を見たことがないから、勇二君の腰についてるが何だか判らないのだ。
勇二君は鈴木先生に見せつけるように腰を前後に大きく振った。
ぶるんぶるんと鈴木先生の目の前で大事な物が大きく揺れると鈴木先生は「何よ、何なのよ、やめてよ」と今度は泣き出しそうな声。
勇二君が調子に乗って、今度は腰を大きく上下に揺さぶりながら鈴木先生の目の前まで歩み寄った。
「いい気になるんじゃないわよ」と鈴木先生が大声を張り上げると、思い切り鞭を振り上げて勇二君の腰のすぐ前に打ち付けた。
だが距離が近すぎるし、すぐ近くに牢獄の鉄格子が並んでる。
振り上げた鞭が壁に当たると、鞭の先が跳ねて牢獄の鉄格子にぶつかった。
鉄格子の間を鞭の先が通り抜けると、床を叩いて天井に跳ねてまた戻ってきた。
ちょうど鉄格子を一回りして鞭の先が勇二君の目の前で床に落ちた。
素早い動きで、勇二君が鞭の先をつかむと力任せにいっぱいに引っ張った。
鞭が鉄格子を一回りして、今度は鈴木先生の身体を引っ張った。
鈴木先生は思わぬ事の成り行きにびっくりしたのか、必死で鞭を握りしめて離さない。
鞭を持ったまま鈴木先生の身体が床に倒れ込んだ。
勇二君は鞭をたぐり寄せて、思い切りぐいぐと引っ張り寄せた。
鈴木先生の身体が鞭ごと、牢獄のなかに引っ張り込まれた。
慌てて鈴木先生が鞭から手を離して、牢獄の入り口から出ようとしたが足がもつれて立ち上がれない。
鈴木先生が両手を牢獄の鉄格子に延ばして立ち上がろうとした時、勇二君が鞭をたぐり寄せて大きく鈴木先生の目の前に打ち下ろした。
びしゃっと大きな音がして、鈴木先生の目の前の床を鞭の先が叩きつけられた。
「服を脱ぐんだ」と勇二君が大声で怒鳴りつけた。
鈴木先生は目を大きく見開いて勇二君を睨みつけたが、勇二君が鈴木先生の目の前に鞭を振り上げると俯いて「だめ」と小さく呟いただけ。
「さっさと脱ぐんだ、痛い目に遭いたいのか」ともう一度勇二君が怒鳴ると、鈴木先生も観念したらしくて「許してと」小さく呟くと、リクルートスーツの上着を脱ぎ始めた。
真っ白なブラウスはスケスケで下のに着た黒いブラジャーが浮き上がって見える。
鈴木先生は勇二君の顔色を伺いながら、ブラウスも脱ぐとお尻にぴったしと張り付いたようなデザインのパンツも脱いだ。
黒いレース模様のパンティーはお色気たっぷりで、勇二君は思わず口元をすぼめて微笑んだ。
「ブラジャーも脱ぐんだ」と勇二君が鈴木先生の目の前に鞭を垂らして脅すと鈴木先生は仕方なくブラジャーのホックを外した。
ブラジャーの肩紐を外すと、あれっと有紀は目を丸くして鈴木先生のブラジャーを見つめた。
おっきく膨らんだブラジャーはパッドが入れてあって、鈴木先生の胸はぺったんこだ。
鈴木先生はずっと巨乳だとばかり思ってたけど実は胸にパッドを入れてあるだけだったんだ。
裸になった鈴木先先生の体をよくよく見ると、体つきは百合ちゃんや久美ちゃんとそっくり同じ。
ハイヒールを履いてるから背が高く見えるけど、四つ葉学園のロボットの女の子達とそっくり同じ体つきだ。
この鈴木先生、タコイーカ財団の研究所の職員だとばかり思っていたけど、鈴木先生もロボットだったみたい。
勇二君が鞭の先で鈴木先生を脅しながら、鈴木先生が脱いだ服の折り重なった床に歩み寄った。
鈴木先生は「だめ、いやん、もうだめ、ゆるして、そんな」と訳の分からない言葉を繰り返すだけでまともにしゃべれない。
勇二君が屈み込むと、鈴木先生のブラジャーを手に持った。
いやらしい顔付きで、ブラジャーの臭いを確かめてるけど勇二君の顔付きはどうも変だ。
勇二君は手に取ったブラジャーを自分の胸に当てると、背中に手を伸ばしてホックを留めた。
男の子なのにブラジャーをするなんていったいなんのつもり何だろうとと思ってると、勇二君は手早く鈴木先生の服に着替え始めた。
鈴木先生のリクルートパンツはきつくてぴっちぴちだけど伸び縮みする生地なので、勇二君が着てもぴったしだ。
これなら遠くから見れば鈴木先生に見えないこともない。
勇二君は得意顔で、彩香ちゃんの前でくるりと一回りしてみせるとポーズを取った。
だけど今はそんなことして遊んでる暇はない。
鈴木先生の居る牢獄のドアを閉めて鍵を掛けると、鈴木先生はまだ床に寝そべったまま体を震わせてる。
早くここから逃げ出さないとまた、誰が来るか判らない。
彩香ちゃんが急いで牢獄の横の階段に駆け寄った。
江実矢君は慌てて、勇二君が脱いだスカートをはき直してる。
ピーチがくんくんと鼻を鳴らしながら螺旋階段を登り始めた。
勇二君が鞭を持ってピーチのすぐ後から、階段を上がった。
長い螺旋階段は登っても登っても階段がずっと続いてる。
ピーチは階段を登るのに疲れたのか座り込んで動けなくなった。
久美ちゃんがピーチを抱え上げると先頭に立ってまた階段を登り始めた。
しばらくして螺旋階段の上の方から明るい光がさしてきた。
やっと階段の出口に着くと、広い広間に出た。
古いお城みたいな建物は、石造りで冷たく冷え切ってる。
高い天井を見上げると窓から青い空が見える。
すがすがしい空気が窓から入ってきて急に息が楽になった。
部屋の中を歩いてみたが、あちこちに通路があって何処が出口だか判らない。
ともかく出口を探すしかないがピーチにも何処が出口なのか判らないらしい。
どこでもいいから行ってみるしかない。
正面の大きなドアを開けて、廊下を進んでみると行き止まりで左右に部屋が並んでる。
部屋の窓から外を見ようと思って、部屋に入ってみたが窓がない。
仕方ないからもとの大広間に戻って、他の通路に出てみたがやはり部屋が並んでるだけ。
この城は何処を歩いても、出口が見あたらない。
こうなったら天井近くにある窓から出るしかない。
勇二君が鞭を振り上げて、うまく窓の金具に通すと鞭の先を下まで降ろした。
鞭をしっかりと掴んで窓をめがけて昇り始めた。
窓から身を乗り出すと外の景色が見えたらしい。
勇二君が嬉しそうな顔で手を振ってる。
まず彩香ちゃんが鞭を掴んで先に登って、次に有紀が登って最後に久美ちゃんがピーチを抱えながら登った。
窓の外は大きなテラスになっていてタンポポが植えてある。
だが空を見上げて彩香ちゃんが「やっぱりだめよ」と呟いた。
有紀も空を見上げてみたが、太陽の色が変だとすぐ気がついた。
一応は赤く輝いてるけど、本当の太陽ならまぶしくて直視はできないはず。
あらためて城をよく眺めてみると、見覚えがある。
ちょっと前に良一君と百合ちゃんが案内してくれたお城のある森だ。
こないだ来たときに登った塔も、タンポポの植えてあるテラスの両脇にそそり立ってる。
地上に登ったと思ってたけど、実際には実験場の一つ上の階に上っただけ。
これじゃあしょうがない。
ピーチの話しではやっぱりさっきの喫茶店の中からしか、地上に出る通路はないらしい。
また今来た道を戻るのはとても無理だ。
前来たときにはエレベータで登ってここに来たはずだ。
エレベータで喫茶店のある歌舞伎町に戻れば、そこからはピーチが地上にでる通風口の道順を知ってると久美ちゃんも通訳してくれた。
他に地上に戻る方法はあるかもしれないが、ピーチが知ってる道順を辿るしか今の所方法はない。
だけどエレベータの有る場所までは森の中を通り抜けなければいけない。
森の中にはまだあの変な怪物達がいるはず。
怪物に捕まったら大変なことになる。
エレベータまでの道はピーチが知ってるらしいので、ピーチを先頭に勇二君が鞭を構えて用心しながら歩き出した。
この前きたのと同じ、森の中の道を抜けていくと何だか様子が変だ。
シュルシュルと紐の擦り合うような音がすぐ近くから聞こえてくるけど怪物の姿は見えない。
彩香ちゃんは不安そうに眉を寄せて、勇二君の後にぴったりと寄り添った。
急にシュルシュルと有紀の背後で大きな音がした。
有紀が振り返ると、江実矢君のすぐ後の木陰から怪物の足が伸びてくるのが見えた。
「恵美ちゃん危ない」と有紀が大声をだすと、江実矢君が慌てて飛び退いた。
怪物の足がすっと伸びてきて空を切ると、また木陰の影に隠れて見えなくなった。
勇二君が江実矢君の側まで来ると、鞭を構えて用心しながら怪物の居る方に歩み寄った。
左右からまた怪物の足が伸びてきたが、勇二君が鞭を叩きつけるとすぐに引っ込んだ。
勇二君が数歩前に進んで鞭を構えると、少し離れた木陰から怪物の大きな頭が見えた。
以前見たときよりも一回りも大きくなった怪物の頭は、大きく膨らんだり縮んだりを繰り返して気持ち悪い。
勇二君が怪物の頭を狙って鞭を叩きつけると、怪物は後に飛び退いた。
鞭を怖がっているらしくて、すぐには近寄ってこない。
「今の内にエレベータに急いで逃げるんだ」と勇二君が鞭を振り回しながらみんなに声を掛けた。
エレベータはこの先すぐにあるはずだから、勇二君が怪物を脅かしている隙に逃げ込めばなんとか成るはず。
ピーチがエレベータの方向に走り出すと、久美ちゃんもすぐピーチの後を追いかけて走り出した。
彩香ちゃんが「いそぐのよ、早く」と大声で叫ぶと有紀も江実矢君と一緒に必死で駆け出した。
森の中の小道を走って右手に曲がると、すぐにエレベータのある建物が見えた。
これで助かったと思って有紀は必死の思いで勢いをつけて走りつづけたが、久美ちゃんと彩香ちゃんの姿が見えない。
どうしたんだろうと思った瞬間に、左右から怪物の足が伸びてきて有紀の手足に絡みついた。
うまく怪物達の作戦にはまってしまったらしい。
小さな怪物達の足に持ち上げられて有紀は森の奥まで連れていかれた。
大きな広場には、怪物達が大勢待ちかまえていて、有紀の体に触手を絡ませてきた。
前に来たときよりも怪物達の数が相当増えていて、彩香ちゃんや久美ちゃんの体にも数え切れないくらいの触手が絡みついてるのが見えた。
不意に「彩香ちゃーん、どこにいるんだ」と勇二君が大声で叫ぶのが聞こえた。
勇二君が助けにきてくれたんだ。
勇二君の鞭が怪物達を叩きつけると、怪物の足がちぎれて飛んで紫色の血を流して地面にはね回っている。
大きな怪物が、ピーチの体に触手を絡ませて抱え上げると勇二君の前に立ちはだかった。
鞭を使おうにもピーチが人質になっては、とても使えない。
勇二君が怪物のすぐ目の前に立ちつくすと、どうしていいのか判らずに怪物を睨みつけた。
不意に木の上から大きな網が落ちてくると、勇二君の体に絡みついた。
勇二君が鞭で網を払おうとしたが、大きな網はもう勇二君の体に巻き付いて解けない。
怪物が木の枝を勇二君の鞭に絡めると、くるくると枝を廻して鞭を絡め取ってしまった。
こうなると勇二君は手も足もでない。
網の上から怪物の玉の足が勇二君の体に巻き付いてブラジャーの上から勇二君の胸を締め付けようとした。
その時、怪物の足がいきなり痺れたように震えて飛び跳ねた。
何があったのか判らないが、勇二君が身につけたブラジャーには怪物を撃退する力があるらしい。
怪物の大きな胴体がどさっと真横に倒れて地面に横になった。
怪物の触手から自由になったピーチがすばやく木の枝に巻き付いた鞭の取っ手を口でくわえると、勇二君に駆け寄った。
勇二君がピーチの口から鞭を取り上げて立ち上がろうとすると、勇二君の前に怪物が立ちはだかった。
一番大きな怪物で、怪物の親玉らしい。
怪物が勇二君の目の前に彩香ちゃんの体を抱え上げると、勇二君の顔色つきが変わった。
彩香ちゃんの体は怪物の触手が絡みついて、足を左右に一杯に広げさせられた格好で震えてる。
怪物の親玉はは彩香ちゃんの後で体を屈めて隠れてるので、これでは鞭が使えない。
怪物の足が彩香ちゃんの口の中に入ると、彩香ちゃんが顔を歪めて苦しそうにしてる。
彩香ちゃんの広げた足の丁度真ん中に怪物の足がくねくねと入り込むと彩香ちゃんの体中が痙攣を始めた。
不意に彩香ちゃんの顔が気持ちよさそうな微笑みを浮かべた。
瞼が半分開いたまま白目になって、口から涎を垂らす顔付きは普通じゃない。
彩香ちゃんの体の中に怪物があの甘いゼリーを流し込んでるんだと有紀は気が付いた。
このままだったら彩香ちゃんはもう怪物の餌食になって逃げられない。
勇二君もこのままどうしていいのか判らないらしくて立ちつくすだけ。
今にも泣き出しそうな顔で勇二君が顔を歪めると、鞭を地面に落とした。
もうどうなってもいいと勇二君が覚悟を決めたらしい。
次の瞬間に勇二君が彩香ちゃんめがけて両手を広げて全速力で駆け寄った。
怪物の足がするすると地面を這うと、勇二君の足に絡みついた。
胸を狙うと弾き飛ばされるのが判っているから勇二君の足を狙ってるんだ。
怪物が勢いよく勇二君の足を引っ張ると、勇二君が仰向けに倒れた。
こうなったら勇二君はもう絶対絶命。
怪物の足がするすると勇二君の履いたリクルートスーツのパンツの裾に入り込んだ。
リクルートスーツのパンツが盛り上がると、怪物の足が勇二君の股間まで届いてきた。
もうだめと思った瞬間にいきなり怪物の体が震えると小さく縮ながら横に倒れた。
勇二君の男の子の大事な物に怪物の足が触れたらしい。
江実矢君の大事な物に怪物の足が触れたときも同じ事が起きたけど、勇二君は江実矢君のより大人で男の子の大事な物も一回りも大きさが違う。
怪物があっというまに倒れちゃうのも納得できる話し。
彩香ちゃんの体に絡みついていた怪物の足も糸みたいに細くなってちぎれて飛んだ。
勇二君が起きあがると、目の前で怪物が倒れて居るのを見て何がなんだか判らないらしい。
急いで勇二君が鞭を掴んで振り上げると、怪物達は一斉に逃げ出した。
勇二君が彩香ちゃんに駆け寄ると、彩香ちゃんを抱きかかえて持ち上げた。
彩香ちゃんも勇二君に必死で抱きついたが口から涎を垂らして眼も虚ろだ。
ピーチがエレベータの方角に走り出した。
「急ぐんだ」と勇二君にせかされて、みんなでいっせいにピーチの後を追いかけた。
エレベータまで辿りついたが、暗証番号が判らないとドアが開かない。
さっきと同じに久美ちゃんの指がすばやく動くとしばらくしてドアが開いた。
エレベータのドアがしまって動き出すと有紀はこれでやっと大丈夫だと思った。
久美ちゃんとピーチと一緒に手伝って貰って牢獄に捕らわれていた勇二君を助けた。ロボット実験場から逃げ出して地上に戻ろうとしたがだめ。一つ上の階に上がって以前良一君に案内されて来た森の中の城にでただけ。森の中で怪物に襲われるが勇二君の活躍で何とか逃げる。
朝になって有紀が目を覚ますと彩香ちゃんは心配そうな顔をしてる。
「昨日勇二君が四つ葉学園の女の子達に捕まってしまったので、もう四つ葉学園には行かない方がいいと思うの」有紀が言うと彩香ちゃんも同じ意見だ。
鈴木先生は四つ葉学園の女の子達に歌舞伎町には行かないようにと指導してたはず。
この出会い軽喫茶に居ればしばらくは安心だ。
しばらくぼんやりと部屋で過ごしていると、くんくんと鼻を鳴らす音が聞こえた。
ピーチが戻ってきたんだ。
久美ちゃんの家には食べる物がないから戻ってきたに違いない。
彩香ちゃんがピーチを抱き上げると、すぐに久美ちゃんがピーチを探しに来た。
彩香ちゃんは慌ててしゃがみ込んでピーチを四つ葉学園の制服のスカートの下に隠すと、知らん顔で微笑んだ。
「ねえ、ピーチきてますよね」と言われて彩香ちゃんが「知らないけど」と言った瞬間にピーチが彩香ちゃんのスカートの下で「ワン」と一声ほえた。
これじゃあしょうがない。
「私、ピーチとここから出て地上に出たいんです」と久美ちゃんがピーチの頭を撫でながらいった。
久美ちゃんがどうして地上の事をしってるんだろうと有紀は不思議な気持ちになった。
「ピーチが、教えてくれたんです、地上には青いそらと太陽があるって」
「幸せになるには、青い空と、真っ赤な太陽の下でないと、幸せにはなれないんだって」
「私、ピーチと二人で幸せになりたいんです」と久美ちゃんが言うので、有紀はあれっと思った。
「でも、どうやって」と有紀が半分言いかけると、久美ちゃんは「ピーチが地上に通じてる通風口の出口を知ってるんです、そこを通れば地上に出られるってピーチが教えてくれたんです」と久美ちゃんが言い出した。
どうも話しが変だと思ったけど、久美ちゃんはピーチと話しができるらしい。
久美ちゃんはロボットなんだから、犬語が理解できる機能もついてるってことは十分あり得る話しだ。
この世界から地上に出られる方法は判ったけど、勇二君を置き去りにする訳にはいかない。
勇二君が何処に連れて行かれたかは判らないが、久美ちゃんがいいアイデアをだしてくれた。
ピーチに探させれば良いのだ。
ピーチは犬だから、勇二君の匂いを辿れば勇二君が何処に連れて行かれたか跡をたどれば判るはず。
さっそく勇二君が連れ去られた場所にみんなで行ってみることにした。
四つ葉学園前の公園に行ってみると、今は授業中らしくて女の子達の姿は見当たらない。
久美ちゃんが「くわん、くわん、うう、ゆうう、、ぐーー、すいっちょー」とピーチに話しかけるとピーチはすぐに勇二君の匂いを探し始めた。
やっぱり久美ちゃんは犬語が話せるらしい。
彩香ちゃんも目を丸くしてる。
しばらく公園の中をぐるぐる歩き回った後、ピーチは勇二君の匂いを見つけたらしくて鼻を地面に近づけながら歩き始めた。
だけど、ピーチが辿りついたのはさっきの喫茶店の裏口だ。
きっと彩香ちゃんか有紀か、それとも男の子の江実矢君の匂いと間違えたに違いない。
彩香ちゃんも心配になって「ねえ、間違えたんじゃないの」と久美ちゃんに聞いてみた。
久美ちゃんがまた犬語で「くく、くええ、わんぐー」とピーチに聞いてみると間違いじゃないとピーチが言ってるらしい。
裏口から喫茶店にはいってみると、ちょうど変な十字架の置いてある部屋にでた。
もしかして勇二君は十字架に縛り付けられてるのかと思って彩香ちゃんが十字架に駆け寄ったが誰もいない。
部屋の周りには鉄格子がついた部屋が幾つも並んでいるのが見えた。
ピーチが匂いを嗅いで確かめたが、鉄格子の部屋には入った様子はない。
ピーチがさっきの十字架の所まで来てまた勇二君の匂いを見つけたらしい。
十字架のすぐ裏手の壁に鼻先を近づけるとピーチが「うわん、、くーー、わん」と鳴いた。
「この壁の先に勇二君がいるってピーチが言ってるの」と久美ちゃんが突然大声で叫んだので彩香ちゃんは驚いた顔で青ざめた。
もしかして勇二君がこの壁の中に塗り込められちゃったのかもしれない。
だとすれば生きてる訳がない。
有紀が試しに壁をそっと押してみると、すっと奥に開いた。
ピーチが先に中に入ってみると、壁の奥は少し広くなっていて上に登る階段が見えた。
彩香ちゃんは思い過ごしだと判ってほっとした顔で階段を見上げた。
「きっとこの上ね」と有紀が彩香ちゃんに声を掛けると彩香ちゃんはすこし気持ちが落ち着いたのかゆっくりと息を吐いた。
ピーチを先頭に螺旋階段を登っていくと薄暗い通路に出た。
通路の両脇には鉄格子のはまった部屋が沢山ならんでいる。
有紀は耳を澄ませて部屋の様子を伺った。
しんと静まり返って、物音一つしない。
ピーチが床に鼻をすりつけるようにして先に進んでいくと、微かに寝息らしい音が聞こえてきた。
彩香ちゃんが確かめてみると、鉄格子の奥で寝ているのは確かに勇二君だ。
だが彩香ちゃんは困った顔をしてすぐ横を向いた。
勇二君は裸で寝てるらしい。
だけどそれだけじゃあない。
彩香ちゃんが顔を赤くしてるのを見て、有紀もすぐに勇二君の様子が変なのに気がついた。
男の子の大事な物がおっきく真上にそびえるように立ってるのだ。
これじゃあ、恥ずかしくてとても女の子には近寄れない。
久美ちゃんはまだ男の子の事をよく知らないらしくて、平気な顔で鉄格子に近づいた。
鉄格子には鍵が掛かってるけど、暗証番号で開ける暗号式の鍵だ。
久美ちゃんが適当に押してみたがすぐには開きそうにない。
諦めたのか久美ちゃんは一旦鍵から指を離すと、今度は指を揃えて鍵の上に置いた。
いきなり指が凄い勢いで一斉に目にも止まらない早さで動き出した。
全部の組み合わせを片端から押してるらしくて、しばらく待っても何も起こらない。
だけど急にカチッと音がしたと思うと久美ちゃんの指が止まった。
鍵が開いちゃったんだ。
さっそく勇二君を助け出そうと思ったけど、勇二君は裸だ。
この際仕方ないと、江実矢君に制服のスカートを脱がせた。
江実矢君はアンダースコートが丸見えになって、恥ずかしそうにしている。
久美ちゃんが江実矢君のスカートを持って、檻の中に入ると勇二君に着せて出てきた。
どう見ても女子高生には見えないが、ちょっと太めの女子高生だと言われたらそう見えないこともない。
勇二君の話しでは、ここはタコイーカ財団の地下の実験場でロボットのテストをしてるらしい。
地上の世界とそっくり同じ世界を地下に作って、ロボットを生活させてそれで上手く動くかテストする計画らしい。
女の子達の部屋にはみな、ビデオチャット用のパソコンが置いてあって、そのパソコンはインターネットにつながってる。
地上のパソコンにもつながっていて、それでビデオチャットの練習もしてるらしい。
普通の女の子の振りをして、地上の普通の男の子達と話しをしてるって訳だ。
勇二君は偶然、百合ちゃんとビデオチャットしてこの地下の実験場に気がついたらしい。
勇二君が百合ちゃんのパソコンにウィルスを送って、それで百合ちゃんのパソコンをハッキングして、パソコンのデータを盗んで調べたんだ。
そしたら百合ちゃんの設計データがパソコンにはいっていて、百合ちゃんがロボットだ判ったらしい。
百合ちゃんのパソコンを経由して、タコイーカ財団のメインコンピュータにウィルスを送り込んで、この実験場のデータを盗んだんだと勇二君が得意そうに話してくれた。
地下の実験場からは、排気口がいっぱい地上につながっていて、地下の世界に空気を送ってる。
ロボットは空気が無くても生きていけるけど、地下の実験場には本物と同じ木や草も植えてあるから空気が無いと困るんだ。
ピーチは偶然猫を追いかけて排気口に迷い込んだらしい。
彩香ちゃんの匂いが排気口から微かに流れてきたので、ピーチは彩香ちゃんを捜して地下まで降りてきてしまったらしい。
ピーチには迷子防止のためにGPS首輪がついてるから、勇二君にはピーチの居所がわかったんだ。
勇二君の話を聞いて大体の事情は分かったけど今はともかくここから逃げ出すしかない。
排気管は途中が幾重にも折れ曲がっていてあちこちに枝分かれしてるから、地上に上手く逃げ出すのはなかなか難しいらしい。
犬のピーチが道順を匂いで覚えてるので、ピーチなら道が判ると久美ちゃんが教えてくれた。
ピーチと犬語で話しが出来るのは、ロボットの久美ちゃんだけだ。
久美ちゃんも一緒に連れて行くしか、地上に上手く辿り着く方法はない。
すぐに檻をでようとしたが、久美ちゃんがピーチとなにか話してる。
「くーー、くぃんくあんんん」とピーチがうなると久美ちゃんが「タンポポの匂いが遠くからしてくる」と通訳してくれた。
この檻は地下の牢獄らしくて、上まで登れば地上にでられるに違いない。
さっきの螺旋階段まで戻ろうとすると、急にすぐ横のドアが開いた。
黒いリクルートスーツの胸が大きく飛び出してる格好は鈴木先生だ。
「あんた達、なにやってるの」と鈴木先生に言われて、久美ちゃんは立ち止まって動けなくなった。
鈴木先生が持ってる鞭を見て、有紀も恐くて震えてきた。
「さっさと檻に戻るのよ」と鈴木先生の甲高い声が聞こえたが、勇二君はひるまない。
女の子が危ないときには男の子が守るのが男の役目だと勇二君にも判ってるんだ。
胸を張って両手を広げて前に出ると、鈴木先生の前に立ちはだかった。
鈴木先生の腕がすばやく動いた。
鞭の先がすっと伸びると、ぐんと伸びてしなった。
勇二君のおでこめがけて鞭の先がしなって伸びた瞬間に、有紀はもうだめだと思って身体が震え上がった。
鞭の先が勇二君のおでこにぶつかる瞬間に、勇二君の身体が少しだけ後に仰け反った。
そんなことで鞭が避けられるわけ無い。
すると鞭の先が手前で上に跳ね上がるとぴんと音を立てて天井のパイプを叩いた。
天井のパイプがグアンと音を立てて響くと、今度は鞭の先が跳ね返って床を叩いて跳ねた。
あの鈴木先生が鞭の扱いを間違えるなんてとてもあり得ない。
だけどこの地下室は天井が低くて狭いので鈴木先生でも鞭が上手く使えないらしい。
もう一度鈴木先生が鞭を手元にたぐり寄せて、勇二君のおでこをめがけて打ち付けようとした。
今度も勇二君は少しだけ後に身体をずらせただけだが、それでも鞭の先を空を切って天井のパイプを叩いただけ。
鈴木先生はいつもの鞭の振り上げ方では鞭が上手く使えないと気づいた様子。
鞭の取っ手を短く持ち替えると、腕の振りを小さくしてもう一度勇二君めがけて叩きつけた。
だが今度は鞭の先が勇二君の手前でストンと床に落ちてしまった。
勇二君にもっと近寄らないと、鞭が上手く当たらないと判って鈴木先生は少しづつ様子を見ながら勇二君に近づいた。
勇二君は今度はわざと前に身を乗り出して、鈴木先生の前に立ちはだかった。
すると今度は鈴木先生が怯えた様子で後に下がった。
鈴木先生がいつも強気なのは鞭が使えるからだ。
鞭が使えないとなると、やっぱり女。
男の人が恐いらしい。
勇二君がさっきの檻の入り口近くまで進むと、急に履いていたスカートを脱いで床においた。
タータンチェックのプリーツスカートは勇二君の足元で丸い花びらみたいに重なって広がってる。
「ちょっと、その短剣こっちによこしなさい」と鈴木先生が泣きそうな声で叫んだ。
いったい何が起きてるのか有紀には判らなかったけど、鈴木先生の視線が勇二君の腰の前に注がれてるので有紀はなるほどと思った。
この世界には男はあの良一君しかいない。
その上良一君には男の大事な物がついていない。
鈴木先生は本物の生身の男の子を見たことがないから、勇二君の腰についてるが何だか判らないのだ。
勇二君は鈴木先生に見せつけるように腰を前後に大きく振った。
ぶるんぶるんと鈴木先生の目の前で大事な物が大きく揺れると鈴木先生は「何よ、何なのよ、やめてよ」と今度は泣き出しそうな声。
勇二君が調子に乗って、今度は腰を大きく上下に揺さぶりながら鈴木先生の目の前まで歩み寄った。
「いい気になるんじゃないわよ」と鈴木先生が大声を張り上げると、思い切り鞭を振り上げて勇二君の腰のすぐ前に打ち付けた。
だが距離が近すぎるし、すぐ近くに牢獄の鉄格子が並んでる。
振り上げた鞭が壁に当たると、鞭の先が跳ねて牢獄の鉄格子にぶつかった。
鉄格子の間を鞭の先が通り抜けると、床を叩いて天井に跳ねてまた戻ってきた。
ちょうど鉄格子を一回りして鞭の先が勇二君の目の前で床に落ちた。
素早い動きで、勇二君が鞭の先をつかむと力任せにいっぱいに引っ張った。
鞭が鉄格子を一回りして、今度は鈴木先生の身体を引っ張った。
鈴木先生は思わぬ事の成り行きにびっくりしたのか、必死で鞭を握りしめて離さない。
鞭を持ったまま鈴木先生の身体が床に倒れ込んだ。
勇二君は鞭をたぐり寄せて、思い切りぐいぐと引っ張り寄せた。
鈴木先生の身体が鞭ごと、牢獄のなかに引っ張り込まれた。
慌てて鈴木先生が鞭から手を離して、牢獄の入り口から出ようとしたが足がもつれて立ち上がれない。
鈴木先生が両手を牢獄の鉄格子に延ばして立ち上がろうとした時、勇二君が鞭をたぐり寄せて大きく鈴木先生の目の前に打ち下ろした。
びしゃっと大きな音がして、鈴木先生の目の前の床を鞭の先が叩きつけられた。
「服を脱ぐんだ」と勇二君が大声で怒鳴りつけた。
鈴木先生は目を大きく見開いて勇二君を睨みつけたが、勇二君が鈴木先生の目の前に鞭を振り上げると俯いて「だめ」と小さく呟いただけ。
「さっさと脱ぐんだ、痛い目に遭いたいのか」ともう一度勇二君が怒鳴ると、鈴木先生も観念したらしくて「許してと」小さく呟くと、リクルートスーツの上着を脱ぎ始めた。
真っ白なブラウスはスケスケで下のに着た黒いブラジャーが浮き上がって見える。
鈴木先生は勇二君の顔色を伺いながら、ブラウスも脱ぐとお尻にぴったしと張り付いたようなデザインのパンツも脱いだ。
黒いレース模様のパンティーはお色気たっぷりで、勇二君は思わず口元をすぼめて微笑んだ。
「ブラジャーも脱ぐんだ」と勇二君が鈴木先生の目の前に鞭を垂らして脅すと鈴木先生は仕方なくブラジャーのホックを外した。
ブラジャーの肩紐を外すと、あれっと有紀は目を丸くして鈴木先生のブラジャーを見つめた。
おっきく膨らんだブラジャーはパッドが入れてあって、鈴木先生の胸はぺったんこだ。
鈴木先生はずっと巨乳だとばかり思ってたけど実は胸にパッドを入れてあるだけだったんだ。
裸になった鈴木先先生の体をよくよく見ると、体つきは百合ちゃんや久美ちゃんとそっくり同じ。
ハイヒールを履いてるから背が高く見えるけど、四つ葉学園のロボットの女の子達とそっくり同じ体つきだ。
この鈴木先生、タコイーカ財団の研究所の職員だとばかり思っていたけど、鈴木先生もロボットだったみたい。
勇二君が鞭の先で鈴木先生を脅しながら、鈴木先生が脱いだ服の折り重なった床に歩み寄った。
鈴木先生は「だめ、いやん、もうだめ、ゆるして、そんな」と訳の分からない言葉を繰り返すだけでまともにしゃべれない。
勇二君が屈み込むと、鈴木先生のブラジャーを手に持った。
いやらしい顔付きで、ブラジャーの臭いを確かめてるけど勇二君の顔付きはどうも変だ。
勇二君は手に取ったブラジャーを自分の胸に当てると、背中に手を伸ばしてホックを留めた。
男の子なのにブラジャーをするなんていったいなんのつもり何だろうとと思ってると、勇二君は手早く鈴木先生の服に着替え始めた。
鈴木先生のリクルートパンツはきつくてぴっちぴちだけど伸び縮みする生地なので、勇二君が着てもぴったしだ。
これなら遠くから見れば鈴木先生に見えないこともない。
勇二君は得意顔で、彩香ちゃんの前でくるりと一回りしてみせるとポーズを取った。
だけど今はそんなことして遊んでる暇はない。
鈴木先生の居る牢獄のドアを閉めて鍵を掛けると、鈴木先生はまだ床に寝そべったまま体を震わせてる。
早くここから逃げ出さないとまた、誰が来るか判らない。
彩香ちゃんが急いで牢獄の横の階段に駆け寄った。
江実矢君は慌てて、勇二君が脱いだスカートをはき直してる。
ピーチがくんくんと鼻を鳴らしながら螺旋階段を登り始めた。
勇二君が鞭を持ってピーチのすぐ後から、階段を上がった。
長い螺旋階段は登っても登っても階段がずっと続いてる。
ピーチは階段を登るのに疲れたのか座り込んで動けなくなった。
久美ちゃんがピーチを抱え上げると先頭に立ってまた階段を登り始めた。
しばらくして螺旋階段の上の方から明るい光がさしてきた。
やっと階段の出口に着くと、広い広間に出た。
古いお城みたいな建物は、石造りで冷たく冷え切ってる。
高い天井を見上げると窓から青い空が見える。
すがすがしい空気が窓から入ってきて急に息が楽になった。
部屋の中を歩いてみたが、あちこちに通路があって何処が出口だか判らない。
ともかく出口を探すしかないがピーチにも何処が出口なのか判らないらしい。
どこでもいいから行ってみるしかない。
正面の大きなドアを開けて、廊下を進んでみると行き止まりで左右に部屋が並んでる。
部屋の窓から外を見ようと思って、部屋に入ってみたが窓がない。
仕方ないからもとの大広間に戻って、他の通路に出てみたがやはり部屋が並んでるだけ。
この城は何処を歩いても、出口が見あたらない。
こうなったら天井近くにある窓から出るしかない。
勇二君が鞭を振り上げて、うまく窓の金具に通すと鞭の先を下まで降ろした。
鞭をしっかりと掴んで窓をめがけて昇り始めた。
窓から身を乗り出すと外の景色が見えたらしい。
勇二君が嬉しそうな顔で手を振ってる。
まず彩香ちゃんが鞭を掴んで先に登って、次に有紀が登って最後に久美ちゃんがピーチを抱えながら登った。
窓の外は大きなテラスになっていてタンポポが植えてある。
だが空を見上げて彩香ちゃんが「やっぱりだめよ」と呟いた。
有紀も空を見上げてみたが、太陽の色が変だとすぐ気がついた。
一応は赤く輝いてるけど、本当の太陽ならまぶしくて直視はできないはず。
あらためて城をよく眺めてみると、見覚えがある。
ちょっと前に良一君と百合ちゃんが案内してくれたお城のある森だ。
こないだ来たときに登った塔も、タンポポの植えてあるテラスの両脇にそそり立ってる。
地上に登ったと思ってたけど、実際には実験場の一つ上の階に上っただけ。
これじゃあしょうがない。
ピーチの話しではやっぱりさっきの喫茶店の中からしか、地上に出る通路はないらしい。
また今来た道を戻るのはとても無理だ。
前来たときにはエレベータで登ってここに来たはずだ。
エレベータで喫茶店のある歌舞伎町に戻れば、そこからはピーチが地上にでる通風口の道順を知ってると久美ちゃんも通訳してくれた。
他に地上に戻る方法はあるかもしれないが、ピーチが知ってる道順を辿るしか今の所方法はない。
だけどエレベータの有る場所までは森の中を通り抜けなければいけない。
森の中にはまだあの変な怪物達がいるはず。
怪物に捕まったら大変なことになる。
エレベータまでの道はピーチが知ってるらしいので、ピーチを先頭に勇二君が鞭を構えて用心しながら歩き出した。
この前きたのと同じ、森の中の道を抜けていくと何だか様子が変だ。
シュルシュルと紐の擦り合うような音がすぐ近くから聞こえてくるけど怪物の姿は見えない。
彩香ちゃんは不安そうに眉を寄せて、勇二君の後にぴったりと寄り添った。
急にシュルシュルと有紀の背後で大きな音がした。
有紀が振り返ると、江実矢君のすぐ後の木陰から怪物の足が伸びてくるのが見えた。
「恵美ちゃん危ない」と有紀が大声をだすと、江実矢君が慌てて飛び退いた。
怪物の足がすっと伸びてきて空を切ると、また木陰の影に隠れて見えなくなった。
勇二君が江実矢君の側まで来ると、鞭を構えて用心しながら怪物の居る方に歩み寄った。
左右からまた怪物の足が伸びてきたが、勇二君が鞭を叩きつけるとすぐに引っ込んだ。
勇二君が数歩前に進んで鞭を構えると、少し離れた木陰から怪物の大きな頭が見えた。
以前見たときよりも一回りも大きくなった怪物の頭は、大きく膨らんだり縮んだりを繰り返して気持ち悪い。
勇二君が怪物の頭を狙って鞭を叩きつけると、怪物は後に飛び退いた。
鞭を怖がっているらしくて、すぐには近寄ってこない。
「今の内にエレベータに急いで逃げるんだ」と勇二君が鞭を振り回しながらみんなに声を掛けた。
エレベータはこの先すぐにあるはずだから、勇二君が怪物を脅かしている隙に逃げ込めばなんとか成るはず。
ピーチがエレベータの方向に走り出すと、久美ちゃんもすぐピーチの後を追いかけて走り出した。
彩香ちゃんが「いそぐのよ、早く」と大声で叫ぶと有紀も江実矢君と一緒に必死で駆け出した。
森の中の小道を走って右手に曲がると、すぐにエレベータのある建物が見えた。
これで助かったと思って有紀は必死の思いで勢いをつけて走りつづけたが、久美ちゃんと彩香ちゃんの姿が見えない。
どうしたんだろうと思った瞬間に、左右から怪物の足が伸びてきて有紀の手足に絡みついた。
うまく怪物達の作戦にはまってしまったらしい。
小さな怪物達の足に持ち上げられて有紀は森の奥まで連れていかれた。
大きな広場には、怪物達が大勢待ちかまえていて、有紀の体に触手を絡ませてきた。
前に来たときよりも怪物達の数が相当増えていて、彩香ちゃんや久美ちゃんの体にも数え切れないくらいの触手が絡みついてるのが見えた。
不意に「彩香ちゃーん、どこにいるんだ」と勇二君が大声で叫ぶのが聞こえた。
勇二君が助けにきてくれたんだ。
勇二君の鞭が怪物達を叩きつけると、怪物の足がちぎれて飛んで紫色の血を流して地面にはね回っている。
大きな怪物が、ピーチの体に触手を絡ませて抱え上げると勇二君の前に立ちはだかった。
鞭を使おうにもピーチが人質になっては、とても使えない。
勇二君が怪物のすぐ目の前に立ちつくすと、どうしていいのか判らずに怪物を睨みつけた。
不意に木の上から大きな網が落ちてくると、勇二君の体に絡みついた。
勇二君が鞭で網を払おうとしたが、大きな網はもう勇二君の体に巻き付いて解けない。
怪物が木の枝を勇二君の鞭に絡めると、くるくると枝を廻して鞭を絡め取ってしまった。
こうなると勇二君は手も足もでない。
網の上から怪物の玉の足が勇二君の体に巻き付いてブラジャーの上から勇二君の胸を締め付けようとした。
その時、怪物の足がいきなり痺れたように震えて飛び跳ねた。
何があったのか判らないが、勇二君が身につけたブラジャーには怪物を撃退する力があるらしい。
怪物の大きな胴体がどさっと真横に倒れて地面に横になった。
怪物の触手から自由になったピーチがすばやく木の枝に巻き付いた鞭の取っ手を口でくわえると、勇二君に駆け寄った。
勇二君がピーチの口から鞭を取り上げて立ち上がろうとすると、勇二君の前に怪物が立ちはだかった。
一番大きな怪物で、怪物の親玉らしい。
怪物が勇二君の目の前に彩香ちゃんの体を抱え上げると、勇二君の顔色つきが変わった。
彩香ちゃんの体は怪物の触手が絡みついて、足を左右に一杯に広げさせられた格好で震えてる。
怪物の親玉はは彩香ちゃんの後で体を屈めて隠れてるので、これでは鞭が使えない。
怪物の足が彩香ちゃんの口の中に入ると、彩香ちゃんが顔を歪めて苦しそうにしてる。
彩香ちゃんの広げた足の丁度真ん中に怪物の足がくねくねと入り込むと彩香ちゃんの体中が痙攣を始めた。
不意に彩香ちゃんの顔が気持ちよさそうな微笑みを浮かべた。
瞼が半分開いたまま白目になって、口から涎を垂らす顔付きは普通じゃない。
彩香ちゃんの体の中に怪物があの甘いゼリーを流し込んでるんだと有紀は気が付いた。
このままだったら彩香ちゃんはもう怪物の餌食になって逃げられない。
勇二君もこのままどうしていいのか判らないらしくて立ちつくすだけ。
今にも泣き出しそうな顔で勇二君が顔を歪めると、鞭を地面に落とした。
もうどうなってもいいと勇二君が覚悟を決めたらしい。
次の瞬間に勇二君が彩香ちゃんめがけて両手を広げて全速力で駆け寄った。
怪物の足がするすると地面を這うと、勇二君の足に絡みついた。
胸を狙うと弾き飛ばされるのが判っているから勇二君の足を狙ってるんだ。
怪物が勢いよく勇二君の足を引っ張ると、勇二君が仰向けに倒れた。
こうなったら勇二君はもう絶対絶命。
怪物の足がするすると勇二君の履いたリクルートスーツのパンツの裾に入り込んだ。
リクルートスーツのパンツが盛り上がると、怪物の足が勇二君の股間まで届いてきた。
もうだめと思った瞬間にいきなり怪物の体が震えると小さく縮ながら横に倒れた。
勇二君の男の子の大事な物に怪物の足が触れたらしい。
江実矢君の大事な物に怪物の足が触れたときも同じ事が起きたけど、勇二君は江実矢君のより大人で男の子の大事な物も一回りも大きさが違う。
怪物があっというまに倒れちゃうのも納得できる話し。
彩香ちゃんの体に絡みついていた怪物の足も糸みたいに細くなってちぎれて飛んだ。
勇二君が起きあがると、目の前で怪物が倒れて居るのを見て何がなんだか判らないらしい。
急いで勇二君が鞭を掴んで振り上げると、怪物達は一斉に逃げ出した。
勇二君が彩香ちゃんに駆け寄ると、彩香ちゃんを抱きかかえて持ち上げた。
彩香ちゃんも勇二君に必死で抱きついたが口から涎を垂らして眼も虚ろだ。
ピーチがエレベータの方角に走り出した。
「急ぐんだ」と勇二君にせかされて、みんなでいっせいにピーチの後を追いかけた。
エレベータまで辿りついたが、暗証番号が判らないとドアが開かない。
さっきと同じに久美ちゃんの指がすばやく動くとしばらくしてドアが開いた。
エレベータのドアがしまって動き出すと有紀はこれでやっと大丈夫だと思った。
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