漆黒の法皇 〜黒き聖職者は世界を救う〜

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第一章 伝説の冒険者、登場

第十三話 会議は踊る、そして侵略者は降臨する

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第一章 伝説の冒険者、登場

13 対策会議

「まず、みんなに伝えた通り、今回の異変は大魔王が一枚噛んでいる可能性がある。」

「でも、本当に大魔王がやったのかい?幾ら大魔王とはいえ、あの化け物達を操るなんて至難の業だよ?」

ソロモンは大魔王が一枚噛んでいるという事実に、少し疑問を持っていた。

「その事実に関しては間違いありませんわ。今朝、新たに神託が来て、『深淵の軍勢』を率いている存在がいる、そしてその者は、大魔王軍の者だと…。」

フレイから告げられた事実に、会議室の空気が一気にピリピリした雰囲気になった。

「………………………………。」(訳 そういう事なら、私達が全員『深淵の軍勢』と戦っている間、大魔王軍も黙っていないんじゃ?)

「確かに…人類の最大戦力である私達が全員いないこの状況、他国に大魔王軍が攻めてくる可能性も十分ある。」

「それなら僕に考えが。」

カインが思い付いたその余りにも最悪すぎる状況に対し、コウが対抗策を思いついた。

「エンライ、君の忍術『影分身の術』は、確か他人にもかけられるね?」

「……ああ、可能だ。」

「なら、全員に影分身の術を付与して、その分身達を他国に派遣すれば、心配なく戦えるはずさ。」

「「「「「「「「「!!!!」」」」」」」」」」」

コウが思い付いた策に、希望が見え始めた。

「後、もしも分身の僕たちが死んだ時の保険として、カインとフレイ、二人には全ての国に結界を張ってほしい。君達が使う『神聖魔法』は魔族達に非常に有効だ。移動はソロモン、頼めるかな?」

「任せて、それぐらいなら魔力は全然余るさ。」

「決まりだな、それじゃあ各自『深淵の軍勢』へ向けて万全の準備を整えて、当日また会おう。解散!」

こうして、対策会議は終了し、早速ソロモンの空間魔法で各国に転移して、フレイと一緒に結界を貼りに行った。そして各自万全のコンディションへ整えて、ついに、その時がやって来た。ダレッド達は本気の時にしか使わない専用装備を装着して、現場である世界樹の近くにある『世界樹の大森林』の上空にて、今か今かと待ち構えていた。そして遂に、侵略者達は降臨した。

「みんな来たぞ、第一陣だ。ソロモン、頼む。」

「おっ!僕が最初でいいの?最近全力出せてなかったからね~……全力で行くよ。」

ソロモンは魔法を発動して、背後に真っ黒な光が何個も現れた。

「《次元喰らう無空の闇》」

そしてその光は『深淵の軍勢』達に向かって射出され、直撃した瞬間強い衝撃波が襲ったが、ソロモンが同時に展開した結界でこちらの被害をゼロにした。そしてソロモンが放った空間魔法《次元喰らう無空の闇》が『深淵の軍勢』に当たったところを見ると、周りに環境ごとぐっちゃぐちゃになっていた。しかし一息付く間もなく、また空間の狭間から出て来た。

「それじゃあ皆んな、行くぞ。」

ダレッド率いる前衛組達は、『深淵の軍勢』…正式名称『深淵種』目掛けて突撃していった。ダレッドは魔剣『ダーインスレイブ』を使用するダレッドだけの剣技『魔剣術』で目の前にいる数兆匹の『深淵種』達をバラバラにしていった。タオレドは寝ながらも見事としか言いようのない剣技で倒していって、バルサはその剛腕で潰していき、ガールは神速の槍術で串刺しにしていった。そしてカインは上空に飛んでいき、大魔法を発動した。上空に巨大な魔法陣が展開されて、数万もの光の槍が現れた。

「《天空より降り注ぐ光の聖槍》」

カインは光の槍を全て操り、深淵種のみ当たるよう操作して、串刺しにしていった。そしてフレイは深淵種達が逃げ出さないように結界を維持しつつ、補助の魔法を使用してダレッド達をサポートしていた。そして一通り倒し終わり、落ち着いて来た。

「よし、皆んなお疲れ。第一陣終了だ。フレイ、皆んなを回復してくれ。」

「はい、《生命を包む回生の聖光》」

フレイはすぐさま神聖魔法を発動し、皆んなを癒した。そして数分後、また空間の狭間が開き、深淵種が出て来た。

「チッ…もう第二陣か…。皆んな、もう一踏ん張りだ!」

ダレッドは皆んなに活を入れて、深淵種達に向けて突撃していった。
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