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三(水瀬視点)
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「うわ!」
勢いよく振り返ると、 呆れた顔をした立花さんが立っていた。
「もう。みんなして驚かさないで下さい!」
「みんなって?」
「女の子がいたんですよ。この辺はうろつかない方がいいって言われました」
「そういう本人は何してるんだか。まったく近頃の若者は……」
俺は机の上に置かれた書類のことを思い出した。
「打ち合わせじゃないですか? 今日、PTA室で会議があるみたいですよ。机の上にアジェンダが置いてありました」
「何を話し合うんだろうね。 花壇の水やりを誰にするか、 校庭開放日の見張りを誰にするか、 そんなところかな」
何とも平和な世界だ。かつて自分が小学生の頃にはそんなことは思わなかったのだが。 まだ立花さんは探索を終えていないらしい。戻って来たということは、怖かったのだろうか。彼女に限って、そんなことはないだろう。俺の身を案じてくれたのかもしれない。
薄暗い廊下を歩く。給食室、 図工室、 そして行き止まり。俺は声を上げた。
「どうしたの?」
「ここ、行き止まりじゃなかった気がするんですよね」
目の前の壁は、正確には行き止まりではなかった。シャッターのようなものが下ろされていた。『さわるな』と書かれている。 立花さんはそのシャッターを下から持ち上げようとした。 俺はその様子を呆れて見ていた。
「ちょっと。 見てないで手伝ってよ」
「触るなって書いてありますよね」
「そんな決まりを守っていては、 つまらない人生しか送ることができないよ」
俺は彼女の横に座りシャッターを上げるのを手伝った。 しかしシャッターは重く、 俺 俺の膝の高さくらいまでしか上がらない。立花さんは諦めたようだ。
「この先、何があったか覚えてる?」
「それがどうしても思い出せないんですよね」
自分でも不思議だった。小学一年生の記憶が、すっぽりと抜けている。正確には人間にまつわる記憶がないのだ。担任の先生、同級生、音楽や図工の先生。誰ひとりとして思い出せない。幸い、位置関係だけは覚えていた。この学校は国の重要建築物になっているから、大規模な改築はしていない。手をパンパンと払いながら、彼女は言った。
「じゃあ図書室に行こう。 昔の資料とか揃ってるでしょ。案内お願いできる?」
「今日はもうこれで帰りませんか?」
「どうして」
「雨がひどくなってきましたし」
俺は外を気にする様子を見せながら言った。デートの時間もあまり遅れてはまずい。しかしそれ以上に、先程から頭痛と吐き気に襲われていた。彼女は何かを考えるそぶりを見せた。
「わかった。じゃあ図書室まで案内だけお願いできる? 気になってることがあるんだ」
俺たちは図書室の鍵をもらいに、職員室へ向かうことにした。階段を上り、PTA室の前を通りかかった。電気がついており、中で話し合いがされているようだ。会議というよりも、まるで言い争いのようだ。お互いを言葉で殴り合っているようだった。PTAとは 「あっちの小学校に生えている草の方が美味いぞ」「よし、私たちも校庭は人工芝にしよう」という牧歌的な団体だかと思ったが、そうではないらしい。俺たちはそこで行われている会話を立ち聞きしていた。「子供の誘拐」「過去の事件」「変質者」といった物騒な単語が聴こえてくる。急に、俺は頭痛に襲われた。寒気と吐き気をこらえるので精一杯だった。
そんなことを知らない立花さんは、立ち聞きを続けている。不意に、はっとした顔をして、職員室へ足を向けた。「これは急いだほうが良いかもしれないな……」そんな言葉が聴こえた気がした。
・・・
職員室には中年の男性がパソコンを睨んでいた。俺たちは職員室に入り、事情を説明した。 彼は副校長であると名乗り、にこやかに鍵を渡してくれた。
「銀行の方ですか。すいませんね、お付き合いさせちゃって」
銀行の名刺というのは便利だ。大体の人間が、俺たちを信用してくれる。そこに嘘はない。
「彼はこの 小学校に通ってたことがあるんですよ」
すぐ俺を売る立花さんである。ある程度の年齢を過ぎた人間は、この手の身内ネタに弱い。 刺激のない人生は危険だ。過去にしか楽しみを見いだせなくなる。案の定、副校長は食いついてきた。
「え! そうなんですか。何年卒ですか?」
「卒業してないんです。途中で転校しちゃったんです」
「何か覚えていることは? 初恋の女の子とか」
「すみません、何も」
「そうですか。まあ転勤が多い地域ですから。クラス数もだいぶ減ったんですよ。昔は四クラスあったんですけどね、今は二クラスです」
俺は会釈をして、立ち去ろうとするそぶりを見せた。この小学校は創立百年を超えている。 このまま彼に話をさせると、おそらく設立当初まで行ってしまうだろう。横で立花さんがニヤニヤと笑っているのが見える。 彼女はたまにこうして俺に取引先を持つ営業デビューはさせる前に、簡単な会話をさせようとする節があるのだ。
「あそうそう」
副校長はキーボックスからもう一つ鍵を取り出し、手渡してきた。鍵にはテプラで『書庫』と書かれている。
「図書館に行かれるなら、過去の卒業アルバムも見て行かれたらどうですか? 当時の初恋の女の子がどうなってるかとか、見ることができますよ」
まるで風俗店の客引きのような口調だった。
「そっちの鍵が、書庫の鍵です。図書室の奥には書庫がありまして、卒業アルバムとか個人情報を含むものは、そちらに格納してあるんですよ」
俺たちは礼を言い、職員室を出た。 向かいのPTA室では話し合いが終わったようだ。 ぞろぞろと出てくる親御さんたち。母親業・父親業も楽ではない。その中におばあちゃんが混じっていた。六十を過ぎた、金髪で、白いTシャツを着た、気の強そうな女性だ。
「私が知らない顔が こんな時間に小学校をうろついているの、気に食わないね」
彼女は俺たちのネックホルダーを見つめた。いくぶんか顔が和らいだ。 魔除けとはこういう意味だったのだろうか。
「最近の親は、ずいぶんと若いね」
葉月さんが答えた。
「彼らは私たちのお手伝いをしてくれてるんです。銀行の方です」
「手伝うこと、あるのかい? 昔に比べて、だいぶ負担は減ったと思うけどね まあこの会長と副会長じゃ 外の力に頼らざるを得ないのかもしれないね。 全く情けない」
おばあさんはやれやれといった様子でため息をついた。 今までの人生のすべてが 含まれているような溜息だった。 その息を少しでも吸い込んでしまうと、 向こう十年は不幸になる呪いにかかるようなため息のつき方だ。おそらくいろいろ苦労してきたのだろう。その手の人間はため息をつくことがうまくなる。
「嫌になっちゃうよな、あのばあさん」
おばあさんが去って行った後、部屋から出て来た男性が心底うんざりした様子で言った。彼は同じくため息をついたが、 まだため息の達人とまではいかないようだ。
「 あの人は20年前に子供が卒業してるの でもまだこの学校に関わってきているのよ」
「もう子供が卒業しているんだったら関係ないじゃないですか」
立花さんが口を挟んだ。
「それがそうもいかないの。 このあたりでやってる クラブ活動を牛耳ってる 人なのよ。野球とかサッカーとか、 チアとか、 何かしら子供に習わせてるでしょ。 あの人が一声吠えて区役所に行ったらそのチームが解散させられちゃうの」
「であのおばあさんは何に怒ってるんですか?」
沈黙。 葉月さんは顔を伏せ、 男性は明後日の方向を見ていた。俺たちには教えてもらえないらしい。 俺たちが 図書室に行くと言うと、 彼らは 顔を見合わせた。 それは図書室に行くと付けたものに対する反応にしては不自然であったが、 とにかく行くことにした。 雨は強くなってきていていつ電車が止まるかもわからない。 最悪、電車が止まっても良い。 でもデートに遅れるようなことだけは、したくなかった。
図書室はずいぶんと狭く思えた。 でも 小学生の図書室なんてこんなもんなのだろう。 あの時は学校がずいぶん大きく感じた。 学校がすべてでそこにある人間関係がすべてだった。 ずいぶん息苦しい世の中だった。 今では職場では若干の息苦しさはあるが、 一緒に居る人間を選べるという点では、あの時よりも幸せなのかもしれない。俺はマッチングアプリで女の子に連絡に、レストランの予約アプリで店に、遅れる旨を連絡した。本棚の影で行っていたため、立花さんには見られていないと信じたい。あたかも今まで本を読んでいたかのように、彼女に声をかけた。
「いやー。なかなか収穫がないですね。何かありましたか?」
「ううん。昔の広報誌とかも見たけど、手がかりになりそうな情報はないね」
「じゃ、次は書庫ですね」
図書室の奥には扉があり、 鍵がかかっていた。副校長からもらった鍵で開錠し、中へ入る。過去の卒業アルバム、歴代の広報誌、いくつかのファイルが並んでいた。どうしてこれわざわざ鍵のついた場所に保管しておくのだろう。全部読んでいると、終電どころかデートには間に合わなさそうだ。俺がげんなりした顔を浮かべていると、彼女はある一冊の本を読みながら言い放った。
「嘘だろ……?」
勢いよく振り返ると、 呆れた顔をした立花さんが立っていた。
「もう。みんなして驚かさないで下さい!」
「みんなって?」
「女の子がいたんですよ。この辺はうろつかない方がいいって言われました」
「そういう本人は何してるんだか。まったく近頃の若者は……」
俺は机の上に置かれた書類のことを思い出した。
「打ち合わせじゃないですか? 今日、PTA室で会議があるみたいですよ。机の上にアジェンダが置いてありました」
「何を話し合うんだろうね。 花壇の水やりを誰にするか、 校庭開放日の見張りを誰にするか、 そんなところかな」
何とも平和な世界だ。かつて自分が小学生の頃にはそんなことは思わなかったのだが。 まだ立花さんは探索を終えていないらしい。戻って来たということは、怖かったのだろうか。彼女に限って、そんなことはないだろう。俺の身を案じてくれたのかもしれない。
薄暗い廊下を歩く。給食室、 図工室、 そして行き止まり。俺は声を上げた。
「どうしたの?」
「ここ、行き止まりじゃなかった気がするんですよね」
目の前の壁は、正確には行き止まりではなかった。シャッターのようなものが下ろされていた。『さわるな』と書かれている。 立花さんはそのシャッターを下から持ち上げようとした。 俺はその様子を呆れて見ていた。
「ちょっと。 見てないで手伝ってよ」
「触るなって書いてありますよね」
「そんな決まりを守っていては、 つまらない人生しか送ることができないよ」
俺は彼女の横に座りシャッターを上げるのを手伝った。 しかしシャッターは重く、 俺 俺の膝の高さくらいまでしか上がらない。立花さんは諦めたようだ。
「この先、何があったか覚えてる?」
「それがどうしても思い出せないんですよね」
自分でも不思議だった。小学一年生の記憶が、すっぽりと抜けている。正確には人間にまつわる記憶がないのだ。担任の先生、同級生、音楽や図工の先生。誰ひとりとして思い出せない。幸い、位置関係だけは覚えていた。この学校は国の重要建築物になっているから、大規模な改築はしていない。手をパンパンと払いながら、彼女は言った。
「じゃあ図書室に行こう。 昔の資料とか揃ってるでしょ。案内お願いできる?」
「今日はもうこれで帰りませんか?」
「どうして」
「雨がひどくなってきましたし」
俺は外を気にする様子を見せながら言った。デートの時間もあまり遅れてはまずい。しかしそれ以上に、先程から頭痛と吐き気に襲われていた。彼女は何かを考えるそぶりを見せた。
「わかった。じゃあ図書室まで案内だけお願いできる? 気になってることがあるんだ」
俺たちは図書室の鍵をもらいに、職員室へ向かうことにした。階段を上り、PTA室の前を通りかかった。電気がついており、中で話し合いがされているようだ。会議というよりも、まるで言い争いのようだ。お互いを言葉で殴り合っているようだった。PTAとは 「あっちの小学校に生えている草の方が美味いぞ」「よし、私たちも校庭は人工芝にしよう」という牧歌的な団体だかと思ったが、そうではないらしい。俺たちはそこで行われている会話を立ち聞きしていた。「子供の誘拐」「過去の事件」「変質者」といった物騒な単語が聴こえてくる。急に、俺は頭痛に襲われた。寒気と吐き気をこらえるので精一杯だった。
そんなことを知らない立花さんは、立ち聞きを続けている。不意に、はっとした顔をして、職員室へ足を向けた。「これは急いだほうが良いかもしれないな……」そんな言葉が聴こえた気がした。
・・・
職員室には中年の男性がパソコンを睨んでいた。俺たちは職員室に入り、事情を説明した。 彼は副校長であると名乗り、にこやかに鍵を渡してくれた。
「銀行の方ですか。すいませんね、お付き合いさせちゃって」
銀行の名刺というのは便利だ。大体の人間が、俺たちを信用してくれる。そこに嘘はない。
「彼はこの 小学校に通ってたことがあるんですよ」
すぐ俺を売る立花さんである。ある程度の年齢を過ぎた人間は、この手の身内ネタに弱い。 刺激のない人生は危険だ。過去にしか楽しみを見いだせなくなる。案の定、副校長は食いついてきた。
「え! そうなんですか。何年卒ですか?」
「卒業してないんです。途中で転校しちゃったんです」
「何か覚えていることは? 初恋の女の子とか」
「すみません、何も」
「そうですか。まあ転勤が多い地域ですから。クラス数もだいぶ減ったんですよ。昔は四クラスあったんですけどね、今は二クラスです」
俺は会釈をして、立ち去ろうとするそぶりを見せた。この小学校は創立百年を超えている。 このまま彼に話をさせると、おそらく設立当初まで行ってしまうだろう。横で立花さんがニヤニヤと笑っているのが見える。 彼女はたまにこうして俺に取引先を持つ営業デビューはさせる前に、簡単な会話をさせようとする節があるのだ。
「あそうそう」
副校長はキーボックスからもう一つ鍵を取り出し、手渡してきた。鍵にはテプラで『書庫』と書かれている。
「図書館に行かれるなら、過去の卒業アルバムも見て行かれたらどうですか? 当時の初恋の女の子がどうなってるかとか、見ることができますよ」
まるで風俗店の客引きのような口調だった。
「そっちの鍵が、書庫の鍵です。図書室の奥には書庫がありまして、卒業アルバムとか個人情報を含むものは、そちらに格納してあるんですよ」
俺たちは礼を言い、職員室を出た。 向かいのPTA室では話し合いが終わったようだ。 ぞろぞろと出てくる親御さんたち。母親業・父親業も楽ではない。その中におばあちゃんが混じっていた。六十を過ぎた、金髪で、白いTシャツを着た、気の強そうな女性だ。
「私が知らない顔が こんな時間に小学校をうろついているの、気に食わないね」
彼女は俺たちのネックホルダーを見つめた。いくぶんか顔が和らいだ。 魔除けとはこういう意味だったのだろうか。
「最近の親は、ずいぶんと若いね」
葉月さんが答えた。
「彼らは私たちのお手伝いをしてくれてるんです。銀行の方です」
「手伝うこと、あるのかい? 昔に比べて、だいぶ負担は減ったと思うけどね まあこの会長と副会長じゃ 外の力に頼らざるを得ないのかもしれないね。 全く情けない」
おばあさんはやれやれといった様子でため息をついた。 今までの人生のすべてが 含まれているような溜息だった。 その息を少しでも吸い込んでしまうと、 向こう十年は不幸になる呪いにかかるようなため息のつき方だ。おそらくいろいろ苦労してきたのだろう。その手の人間はため息をつくことがうまくなる。
「嫌になっちゃうよな、あのばあさん」
おばあさんが去って行った後、部屋から出て来た男性が心底うんざりした様子で言った。彼は同じくため息をついたが、 まだため息の達人とまではいかないようだ。
「 あの人は20年前に子供が卒業してるの でもまだこの学校に関わってきているのよ」
「もう子供が卒業しているんだったら関係ないじゃないですか」
立花さんが口を挟んだ。
「それがそうもいかないの。 このあたりでやってる クラブ活動を牛耳ってる 人なのよ。野球とかサッカーとか、 チアとか、 何かしら子供に習わせてるでしょ。 あの人が一声吠えて区役所に行ったらそのチームが解散させられちゃうの」
「であのおばあさんは何に怒ってるんですか?」
沈黙。 葉月さんは顔を伏せ、 男性は明後日の方向を見ていた。俺たちには教えてもらえないらしい。 俺たちが 図書室に行くと言うと、 彼らは 顔を見合わせた。 それは図書室に行くと付けたものに対する反応にしては不自然であったが、 とにかく行くことにした。 雨は強くなってきていていつ電車が止まるかもわからない。 最悪、電車が止まっても良い。 でもデートに遅れるようなことだけは、したくなかった。
図書室はずいぶんと狭く思えた。 でも 小学生の図書室なんてこんなもんなのだろう。 あの時は学校がずいぶん大きく感じた。 学校がすべてでそこにある人間関係がすべてだった。 ずいぶん息苦しい世の中だった。 今では職場では若干の息苦しさはあるが、 一緒に居る人間を選べるという点では、あの時よりも幸せなのかもしれない。俺はマッチングアプリで女の子に連絡に、レストランの予約アプリで店に、遅れる旨を連絡した。本棚の影で行っていたため、立花さんには見られていないと信じたい。あたかも今まで本を読んでいたかのように、彼女に声をかけた。
「いやー。なかなか収穫がないですね。何かありましたか?」
「ううん。昔の広報誌とかも見たけど、手がかりになりそうな情報はないね」
「じゃ、次は書庫ですね」
図書室の奥には扉があり、 鍵がかかっていた。副校長からもらった鍵で開錠し、中へ入る。過去の卒業アルバム、歴代の広報誌、いくつかのファイルが並んでいた。どうしてこれわざわざ鍵のついた場所に保管しておくのだろう。全部読んでいると、終電どころかデートには間に合わなさそうだ。俺がげんなりした顔を浮かべていると、彼女はある一冊の本を読みながら言い放った。
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