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第一章

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 ちなみに今は海の中にいるんだー。精霊王ってすべての精霊の住処に宮があるんだよね。招いていない相手には見つけることが出来ないっていうすっごい便利なやつ。

「そういえばルーって人型だったね。子供だけど。水の精霊だっけ?」
「ええ。貴方様が生み出してくださったのですが…自分で生み出した精霊くらい忘れないでくださいよ」
「ごめんごめん。俺はまた寝てるよー。ルーも遊んでおいでー」
「はぁ…そうですね」

 精霊は自由。いっぱい眠れるね?さっそく寝よっかなー。

「水の精霊様!どうかこの子を救ってください!」

 …寝ようと思ったんだけどなー。地上の方から声が聞こえるね。精霊は魔法を使える。それぞれの属性にあった魔法が使える。だからこうして頼みごとをしに来る人もいる。水の精霊だと水があるところにいればどんな水場の状況も分かる。だけどあの人たちはわざわざ海まで出向いてきたみたいだね。

 精霊王は属性関係ないから様々な情報が手に入る。おもしろいものだよ?

 それで、頼みごとに来た人だったね。水の精霊が使える魔法には水中で呼吸ができるとか治癒魔法とかがある。病気とかかな?どの精霊も動く気なさそうだねー。このままでは気になって眠れないから俺が行こうか。

「こんにちはー。どうしたの?」

 そうそう。俺の服装もなんか異世界っぽくなってたんだよね。それと精霊王って鉄扇じゃないけどなんか鋭い扇を使うみたいなんだよね、魔法を使う時。もちろんなくても使えるけど常に持っておくことに慣れてるみたいだからこの体は。なんていうかかっこいい感じなんだよね見た目が。面白いよねー異世界転生って。

「あなたは水の大精霊様ですか!?」
「あーごめんね。俺は大精霊じゃなくて精霊王なんだー。それでなにかあったの?」
「精霊王!?あっ、はい!この子は私たちの子供なんですがお医者様に見せてもどうにもならないと言われてしまって…精霊様なら治せるかもしれないと思ったのです。どうか、どうかこの子を救ってはくださいませんか!?」

 ……ずいぶんと高貴そうな親子だね。高位貴族とかかな?地位が高い人って関わるのは面倒なんだけど…このまま見殺しにはできないねぇ。

「うん、たしかにこの子は持って一週間とかだったね。治療法がまだ見つかっていないような重病かな?いいよ、俺が治してあげる」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「うん。じゃあちょっと失礼して…」

 その男の子の顔の上に広げた扇をかざし、パチンッと勢いよく閉じる。その子の病気がされたのを感じた。精霊は他の種族には分からないようなことも感じられる。それも強さにはよるけどね。
 ただこの子、やっぱりかなり高貴な血筋か特別な立場にありそうだね。訳アリのようだ。
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