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第2章 亜麻色の光
69 大根役者
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本当の黒幕が別にいると知ったのは本当に偶然だった。でもたとえ自分の命が尽きようと、どんな手を使ってでも全ての黒幕をこの世から消す。そう誓った時、その瞬間から俺はすでに動き始めているよ。
そして今日の爆破事件未遂の誘導は俺がこの件で一番最初にやったこと。黒幕は前世で良くあったような嘘っぽいものではなく、本物の洗脳技術を持っているみたいだから今回はそれを利用した。手っ取り早く黒幕を捕まえる方法があるならそれが一番だけど、今回ばかりはそう簡単にいかないと思う。これまでで一番苦戦するだろうね。
今日に限らず、これからも影で動いていくよ。黒幕がこの国にいるとは限らないから世界中に精霊を飛ばすことになるかもしれない。
「ナギサが何を考えているかは分からないけど、私はずっとナギサの味方だよ。……たぶんね」
「たぶんって……」
「だってナギサ、時々とんでもないことをするから絶対に味方でいるとは言い切れないんだよ。できる限り味方でいようとは思ってるから安心して!」
「あーうん。俺はアリスを巻き込むつもりはないから、味方でもそうじゃなくても構わないよ」
それくらいで嫌いになったりするほど俺の気持ちは軽くないからね。むしろ敵対するなら分かりやすく敵対してくれた方が助かる。味方と見せかけて実は敵だったってパターンが一番めんどくさいからさぁ。
良く漫画とかで見る『味方だと思っていたのに実は敵だった』ってやつ、現実にあるんだよね。俺が最後まで騙された経験はないから、大抵途中で自分側に立っていた敵を潰すんだけど。
「俺がアリスの、」
「あ、始まるね」
「……そうだね」
一応アリスに釘を刺しておこうと思ったところで開演のブザーが鳴った。会場が暗転し、一人の女子生徒にスポットライトが当てられる。衣装からして恐らくヒロイン役の子。全然アリスに似ていないけど、似せようとしているのは分かる。精霊王役は───黒髪に青眼の子か。この色彩って珍しいんだよね。髪と瞳の色以外そんなに似てない気がする。あ、でも衣装は少し似てるね。
約二十分間の演劇。演技より演出に力を入れているようで、演技はお世辞にも上手いとは言えないけど演出はしっかりしてるね。……演出に気を遣ったところで完全にフィクションなんだけど、それはほぼ全ての演劇が同じか。
エリオットくんは……あ、いた。照明だね。アリスが言っていた通り裏方だ。裏方の仕事も楽しいよね。俺も前世で変装してスタッフさんの中に混ざり、一緒に仕事をしてみたことがある。一時間くらい混ざってたのかな? 最後までバレなくて笑ったのを覚えてる。そのまま撮影もしてたしね。気付かなかった大勢のスタッフさん達は俺が変装を解いた時すごく青褪めてたね。
『───僕のアリスを返せ!』
『はっ! 返すわけないだろ。返してほしいならオレを倒すことだな!』
………あのさ、俺は絶対にそんなこと言わないと思うんだけど?
「……ふふ」
「アリス……なに笑ってんの。っていうか、申し訳ないけど大根役者すぎない? 見てられないんだけど」
「もっ……お、おもしろ……! ナギサっ……!」
俺の隣にいるお嬢さんは今の一コマがすごく面白かったらしい。チラチラと俺の方を横目で見ながら笑ってくるんだけど、どうにかならないかな? 俺はあんなこと言ってないのに、俺が言ったセリフみたいになってるの最悪なんだけど? しかも俺の一人称『僕』じゃないから。そんなキャラじゃない。
そして今日の爆破事件未遂の誘導は俺がこの件で一番最初にやったこと。黒幕は前世で良くあったような嘘っぽいものではなく、本物の洗脳技術を持っているみたいだから今回はそれを利用した。手っ取り早く黒幕を捕まえる方法があるならそれが一番だけど、今回ばかりはそう簡単にいかないと思う。これまでで一番苦戦するだろうね。
今日に限らず、これからも影で動いていくよ。黒幕がこの国にいるとは限らないから世界中に精霊を飛ばすことになるかもしれない。
「ナギサが何を考えているかは分からないけど、私はずっとナギサの味方だよ。……たぶんね」
「たぶんって……」
「だってナギサ、時々とんでもないことをするから絶対に味方でいるとは言い切れないんだよ。できる限り味方でいようとは思ってるから安心して!」
「あーうん。俺はアリスを巻き込むつもりはないから、味方でもそうじゃなくても構わないよ」
それくらいで嫌いになったりするほど俺の気持ちは軽くないからね。むしろ敵対するなら分かりやすく敵対してくれた方が助かる。味方と見せかけて実は敵だったってパターンが一番めんどくさいからさぁ。
良く漫画とかで見る『味方だと思っていたのに実は敵だった』ってやつ、現実にあるんだよね。俺が最後まで騙された経験はないから、大抵途中で自分側に立っていた敵を潰すんだけど。
「俺がアリスの、」
「あ、始まるね」
「……そうだね」
一応アリスに釘を刺しておこうと思ったところで開演のブザーが鳴った。会場が暗転し、一人の女子生徒にスポットライトが当てられる。衣装からして恐らくヒロイン役の子。全然アリスに似ていないけど、似せようとしているのは分かる。精霊王役は───黒髪に青眼の子か。この色彩って珍しいんだよね。髪と瞳の色以外そんなに似てない気がする。あ、でも衣装は少し似てるね。
約二十分間の演劇。演技より演出に力を入れているようで、演技はお世辞にも上手いとは言えないけど演出はしっかりしてるね。……演出に気を遣ったところで完全にフィクションなんだけど、それはほぼ全ての演劇が同じか。
エリオットくんは……あ、いた。照明だね。アリスが言っていた通り裏方だ。裏方の仕事も楽しいよね。俺も前世で変装してスタッフさんの中に混ざり、一緒に仕事をしてみたことがある。一時間くらい混ざってたのかな? 最後までバレなくて笑ったのを覚えてる。そのまま撮影もしてたしね。気付かなかった大勢のスタッフさん達は俺が変装を解いた時すごく青褪めてたね。
『───僕のアリスを返せ!』
『はっ! 返すわけないだろ。返してほしいならオレを倒すことだな!』
………あのさ、俺は絶対にそんなこと言わないと思うんだけど?
「……ふふ」
「アリス……なに笑ってんの。っていうか、申し訳ないけど大根役者すぎない? 見てられないんだけど」
「もっ……お、おもしろ……! ナギサっ……!」
俺の隣にいるお嬢さんは今の一コマがすごく面白かったらしい。チラチラと俺の方を横目で見ながら笑ってくるんだけど、どうにかならないかな? 俺はあんなこと言ってないのに、俺が言ったセリフみたいになってるの最悪なんだけど? しかも俺の一人称『僕』じゃないから。そんなキャラじゃない。
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