【完結】アウローラ・ロレーヌの華麗なる復讐計画 ~皆様、仲良く地獄へ落ちましょう!~

山咲莉亜

文字の大きさ
14 / 26
アウローラ・ロレーヌの華麗なる復讐計画 ~皆様、仲良く地獄へ落ちましょう!~

14 社会的にも抹殺しましょう

しおりを挟む
「改めまして、本日はお集まりいただきありがとうございます。これより私、アウローラと辺境伯フェリクスで計画した復讐劇を開催致します! まず手始めに────私はフランツ・アクトンとの婚約破棄を宣言します」

 控室にある長椅子に座るのはアウローラとフェリクス。そしてテーブルを挟んだ両隣には国王とロンバルティ辺境伯夫妻だ。フランツクズ男その家族クズ夫婦、アウローラゴミの家族、ロアナ尻軽女使用人馬鹿の席はここにはない。
 事前に用意してあった書類を膝の上に抱え、フェリクスと一瞬目配せしたアウローラは心の底から大嫌いな婚約者へ、満面の笑みで縁切りを宣言した。
 アウローラの復讐について、すべてを知っているのはロンバルティ辺境伯一家のみであるため、部屋の中が小さなどよめきに包まれる。だが本題はここからだ。

「理由は複数。ひとつ、格上の生まれである私に対しての無礼。二つ、私への暴行。三つ、私以外の女性との不貞。証拠はすべてここにございますので、今からお集まりの皆様にご覧いただきましょう」

 膝の上に置いてあった書類とは別で、一つの小さな機械がアウローラの手の中にある。感情の読めない笑みを浮かべたアウローラは躊躇なくその機械を操作した。それに反応したのは壁の前に設置されていたものである。

 スクリーンに映し出された景色は今とは真逆の季節だった。その機械は何の前触れもなく、『何の力も持たない女のくせに、この僕に逆らうのか!?』と言葉を発する。その声が誰のものか、この場にいて分からない者はいないだろう。場面は違えど同じような言葉が何度か繰り返され、大きく雰囲気が変わったと思ったら先ほどとは視点が変わった。今度は今まで見えなかったアウローラの姿も映っている。
 これは途中から撮影されたものだ。スクリーンの中のアウローラはフランツの前で崩れ落ちている。すでに何度か手を出された後なのか、頬は腫れ唇は切れ、美しい赤髪は掴まれているせいでボサボサになってしまっている。

 ふと視線を外したアウローラは、スクリーンに釘付けの招待客達を順に見渡す。晒されている本人やその家族、国王は真っ青。フェリクスとアウローラに良くしてくれるロンバルティ夫妻は怒りで表情がなく、その他の者は驚きでその目を見開きながらも呆然としていた。

「さて、これから流れるものはとても見苦しいものですので、皆様ご注意くださいませ」

 アウローラの注意喚起を聞いてその場を離れる間もなく、三つ目の『アウローラ以外の女性との不貞』を証明する映像が流れ始めた。これは何度も遭遇したが、アウローラも直接は見たことがない光景だ。あのを目の前の映像が見せている。平民であるはずなのに貴族の婚儀に呼ばれている時点で二人の関係はお察しで、そうでなくとも彼らの浮気は社交界では有名な話だったのでここまでする必要は本来ないのかもしれない。それでもあえて確実な証拠を見せたのは、シンプルにアウローラの嫌がらせと復讐が目的だったからだ。

 スクリーンの中で愛を育んでいる彼らは今、どんな顔をしているのだろう。気になったアウローラが彼らを見れば、羞恥か怒りか、二人とも顔を真っ赤にして震えていた。なんてみっともない姿なのだろうか。

「アウローラ! お前に人の心はないのか!?」
「いくらなんでもひどいです……!」
「人の心はない? ひどい? それをあなた方が言いますか? 本気ならそっくりそのままお返ししますけど」

 アウローラは何も悪いことをしていない。ただ、冤罪と疑われるのは嫌だし復讐をしたいだけ。そのために必要な情報を提示しただけのこと。アウローラは何年も苦しめられてきたのだから、証拠提示ではなく復讐の意味ではこれだけやっても足りないくらいだと思っている。
 すべて自業自得。今までの自分達の姿を大勢の前で晒しただけだ。悪びれもせず首を傾げて言えば、それっきり二人とも口を閉ざして俯いてしまった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした

綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。 伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。 ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。 ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。 ……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。 妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。 他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。

皇后マルティナの復讐が幕を開ける時[完]

風龍佳乃
恋愛
マルティナには初恋の人がいたが 王命により皇太子の元に嫁ぎ 無能と言われた夫を支えていた ある日突然 皇帝になった夫が自分の元婚約者令嬢を 第2夫人迎えたのだった マルティナは初恋の人である 第2皇子であった彼を新皇帝にするべく 動き出したのだった マルティナは時間をかけながら じっくりと王家を牛耳り 自分を蔑ろにした夫に三行半を突き付け 理想の人生を作り上げていく

悪役令嬢の妹は復讐を誓う

影茸
恋愛
王子との婚約を冤罪によって破棄され、何もかも失った少女メイア・ストラード。 そしてその妹、アリアは絶望に嘆き悲しむ姉の姿を見て婚約を破棄した王子に復讐を誓う。

“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします

ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。 マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。 それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。 ※複数のサイトに投稿しております。

とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜

入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】 社交界を賑わせた婚約披露の茶会。 令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。 「真実の愛を見つけたんだ」 それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。 愛よりも冷たく、そして美しく。 笑顔で地獄へお送りいたします――

[完結]裏切りの学園 〜親友・恋人・教師に葬られた学園マドンナの復讐

青空一夏
恋愛
 高校時代、完璧な優等生であった七瀬凛(ななせ りん)は、親友・恋人・教師による壮絶な裏切りにより、人生を徹底的に破壊された。  彼女の家族は死に追いやられ、彼女自身も冤罪を着せられた挙げ句、刑務所に送られる。 「何もかも失った……」そう思った彼女だったが、獄中である人物の助けを受け、地獄から這い上がる。  数年後、凛は名前も身分も変え、復讐のために社会に舞い戻るのだが…… ※全6話ぐらい。字数は一話あたり4000文字から5000文字です。

あなただけが頼りなの

こもろう
恋愛
宰相子息エンドだったはずのヒロインが何か言ってきます。 その時、元取り巻きはどうするのか?

【追加】アラマーのざまぁ

ジュレヌク
恋愛
幼い頃から愛を誓う人がいた。 周りも、家族も、2人が結ばれるのだと信じていた。 しかし、王命で運命は引き離され、彼女は第二王子の婚約者となる。 アラマーの死を覚悟した抗議に、王は、言った。 『一つだけ、何でも叶えよう』 彼女は、ある事を願った。 彼女は、一矢報いるために、大きな杭を打ち込んだのだ。 そして、月日が経ち、運命が再び動き出す。

処理中です...