【完結】アウローラ・ロレーヌの華麗なる復讐計画 ~皆様、仲良く地獄へ落ちましょう!~

山咲莉亜

文字の大きさ
24 / 26
アウローラ・ロレーヌの華麗なる復讐計画 ~皆様、仲良く地獄へ落ちましょう!~

24 お荷物だから

しおりを挟む
「フェリクス」
「ローラ。目覚めて、良かった……」
「心配かけてごめんなさい。あのね、少し話しておきたいことがあるの」

 これはフェリクスとアウローラの将来に関する話だ。二人の取引内容は、『フェリクスはアウローラの復讐に全面的な協力を。アウローラは計画が終了した際、「自由を縛らない」ことを条件にフェリクスと夫婦関係になることを約束』だった。そして詳細は後で聞くが、アウローラの復讐は無事に終えたはずだ。でもアウローラは────

「単刀直入に言うわ。……フェリクス、私とは結婚しない方が良いと思う」
「……なぜ? これは利害の一致で決まった取引のはずだが」

 ────フェリクスとの約束を、守れないかもしれない。何も今になって怖気づいたとか、やっぱり好きな人と結婚したいとか、そんな理由では決してない。だから判断はすべてフェリクスに委ねる。

「この怪我のせいで、右手の感覚が麻痺してしまったみたいなのよ。神経が切れてね。だから手首から下が動かせないし、力が入らないから何も持てない」

 恐らくアウローラを診た医者は知っている。改めて検査した後に話すつもりだったのかもしれないが、これくらい感覚で分かる。もう治ることはない。
 手首から下は全く動かず、手首から上は問題ないが少しだけ感覚が鈍い。実質右腕は使い物にならないと言えるだろう。利き腕だというのに、これから不便になってしまうわ……なんて考えながらフェリクスと目を合わせると、アウローラの言葉を聞いた彼はとても辛そうな顔をしていた。アウローラにはなぜ彼がこのような顔をするのか理解できない。だから気にせず続けた。

「私、こんなことになってしまったからもう二度と戦えないわ。辺境伯夫人には相応しくない。どうするか決めるのはフェリクスに任せるけれど、後悔のない方を選んで」

 フェリクスはとても聡明な人だ。アウローラが現れなければ、いずれ自分にとって利となる相手と政略結婚でもしていただろう。だからしっかり、取引の破棄を告げられると思う。それでいい。彼の隣はとても心地良かったが、大切な存在だからこそ傷付けるようなことがあってはいけない。

 アウローラが個人的な復讐に巻き込まなければフェリクスは命の危険にさらされなくて済んだ。謝罪してもしきれない。だからもう二度と同じようなことにならないよう。国の宝を傷付けることがないように、アウローラはフェリクスと距離を置くことを望む。

「……私の計算ミスよ。父の狂気を見誤っていたわ。片腕が使えない女なんて、死と隣り合わせの辺境伯家ではお荷物でしかない。これ以上あなたに迷惑はかけられな──」
「いい、それ以上言うな。君の気持ちは分かったから」
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした

綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。 伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。 ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。 ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。 ……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。 妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。 他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。

皇后マルティナの復讐が幕を開ける時[完]

風龍佳乃
恋愛
マルティナには初恋の人がいたが 王命により皇太子の元に嫁ぎ 無能と言われた夫を支えていた ある日突然 皇帝になった夫が自分の元婚約者令嬢を 第2夫人迎えたのだった マルティナは初恋の人である 第2皇子であった彼を新皇帝にするべく 動き出したのだった マルティナは時間をかけながら じっくりと王家を牛耳り 自分を蔑ろにした夫に三行半を突き付け 理想の人生を作り上げていく

悪役令嬢の妹は復讐を誓う

影茸
恋愛
王子との婚約を冤罪によって破棄され、何もかも失った少女メイア・ストラード。 そしてその妹、アリアは絶望に嘆き悲しむ姉の姿を見て婚約を破棄した王子に復讐を誓う。

“いつまでも一緒”の鎖、貴方にお返しいたします

ファンタジー
男爵令嬢エリナ・ブランシュは、幼馴染であるマルグリット・シャンテリィの引き立て役だった。 マルグリットに婚約が決まり開放されると思ったのも束の間、彼女は婚約者であるティオ・ソルベに、家へ迎え入れてくれないかというお願いをする。 それをティオに承諾されたエリナは、冷酷な手段をとることを決意し……。 ※複数のサイトに投稿しております。

とある令嬢の優雅な別れ方 〜婚約破棄されたので、笑顔で地獄へお送りいたします〜

入多麗夜
恋愛
【完結まで執筆済!】 社交界を賑わせた婚約披露の茶会。 令嬢セリーヌ・リュミエールは、婚約者から突きつけられる。 「真実の愛を見つけたんだ」 それは、信じた誠実も、築いてきた未来も踏みにじる裏切りだった。だが、彼女は微笑んだ。 愛よりも冷たく、そして美しく。 笑顔で地獄へお送りいたします――

[完結]裏切りの学園 〜親友・恋人・教師に葬られた学園マドンナの復讐

青空一夏
恋愛
 高校時代、完璧な優等生であった七瀬凛(ななせ りん)は、親友・恋人・教師による壮絶な裏切りにより、人生を徹底的に破壊された。  彼女の家族は死に追いやられ、彼女自身も冤罪を着せられた挙げ句、刑務所に送られる。 「何もかも失った……」そう思った彼女だったが、獄中である人物の助けを受け、地獄から這い上がる。  数年後、凛は名前も身分も変え、復讐のために社会に舞い戻るのだが…… ※全6話ぐらい。字数は一話あたり4000文字から5000文字です。

あなただけが頼りなの

こもろう
恋愛
宰相子息エンドだったはずのヒロインが何か言ってきます。 その時、元取り巻きはどうするのか?

【追加】アラマーのざまぁ

ジュレヌク
恋愛
幼い頃から愛を誓う人がいた。 周りも、家族も、2人が結ばれるのだと信じていた。 しかし、王命で運命は引き離され、彼女は第二王子の婚約者となる。 アラマーの死を覚悟した抗議に、王は、言った。 『一つだけ、何でも叶えよう』 彼女は、ある事を願った。 彼女は、一矢報いるために、大きな杭を打ち込んだのだ。 そして、月日が経ち、運命が再び動き出す。

処理中です...