転生して使い魔から人になったはずなのですが

紫水晶猫

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転生しました

ローヴェリア侯爵家へ

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 あーあ、子犬のようなお父様に絆されて、ローヴェリア侯爵家に来てしまった。

 アンディお兄様の十五歳のお誕生日パーティーにお呼ばれしたのだ。

 それに合わせて一週間、侯爵家にお泊まりすることになってしまった。それというのも……お父様が、「ね? ね? いいでしょう? リチェル。アンディも誕生日だし、折角だからうちにお泊まりしてね。リチェルお願いだよ。パパはリチェルが大好きで、本当は一時も離れていたくはないんだ。でも、ほら? 我慢しているでしょう? 偉いでしょう?」と、何時にも増してウルウルの瞳でシュンとしながら懇願してきたのだ。

 大の大人が泣き落とし……

 しかも、アンディお兄様の誕生日をだしに使っているのがまるわかり。

 お母様とルイスは、「甘やかすのはよくありません!」って、言っていたけれど、何だか、お父様が情けなくなっているのが、可哀想になってしまって、お誘いをうけてしまった。

 それに、お父様が、お母様に言い訳をしているのを偶然聞いてしまったの。

 お父様は……

 もう長く生きられないことを悟った奥さまから、『貴方は、さみしがり屋なのですから、私が逝った後に泣き続けることのないように、後添えとなる女性を見つけてきなさい! 良いですね! 私が生きている内にですよ!』と、一喝されていたそうで……たまたま職務中に知り合ったお母様といい仲になったのも、奥さまの気持ちを汲んで突っ走ったところもあったみたい。とはいっても、その時点でお母様に、奥さまのことを告げなかったのだからアウトなのだけれど。

 だからね、自分たちのお母様が望んだことだったから……お兄様たちには、私たちに対して蟠りがなかったみたいだったの。


 



 侯爵家に足を踏み入れた途端、私は、来たことを後悔しそうになった。

 ずらっと執事やメイドが勢揃いで両脇にならんでいた。

 その中心にはお父様とお兄様たちがいて……

「「「リチェルお嬢さま、お帰りなさいませ!」」」

「リチェル! お帰り! パパは嬉しくて……ウッウッウッ」

「リチェル、待っていたよ。お帰り」

「リチェル、お帰り! 来てくれてありがとう!」

 って、挨拶されてしまった。

 ……いやいや、帰ってきたわけじゃないです。

 侯爵家の皆さまに圧倒されて、私は、顔が引きつりそうになった。

「……あの、リチェル・ミルフィーエです。よろしくお願いします」

 戸惑いながらも、なんとか笑顔で挨拶すると、ざわめきが起こった。

「「「なんてお可愛らしい!」」」

「ああ! 私のリチェルは可愛いすぎるね! パパの心臓を止めるつもりかい? いいよ? リチェル! 本望だ! さあ! 止めてごらん!」

 ……なんだか、お父様が可笑しくなっている。

「私の妹は立派すぎるね。そして、愛らしい」

「可愛いリチェル! ここは、リチェルの家でもあるのだから、もっと気楽にしていいんだからね?」

 ……大歓迎ムードに何だかムズムズして居心地が悪い。

 すると、レオンお兄様は私の右手をアンディお兄様は私の左手を手に取った。

「リチェル、本当に来てくれてありがとう」

 二人は、とても嬉しそうに笑った。

 


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