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第1章 歓迎! 戦慄の高天原
014
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翌日、俺はまた具現化の授業時間に修験場を訪れていた。
教会に入ると聖女様がひとりで祭壇に立っていた。
ステンドグラスの綺羅びやかな後光を浴びているその姿は、どこかもの悲しげに見えた。
「こんにちは、今日もお願いします」
「こんにちは! ・・・あれ?」
俺が声をかけると、はっと気付いたのか反応する聖女様。
が、どこか気になるのか挨拶もそこそこに俺の方へ歩いてきた。
「どうかしました?」
「あれ? あれ? 昨日と違うね?」
「・・・?」
俺の傍へ来ると、じろじろ見ながら1周する。
相変わらず無表情なのに言動や行動は活発なんだよな。
そして俺の何がそんなに気になるのやら。
「どうして今日は魔力が溢れてるの?」
「え? 聖女様、見えるんですか?」
「うん。そんなに溢れさせてたら、見える人には見えるよ」
ってことは、聖女様はAR値が相応にあると。
そもそもラリクエのゲーム中にも登場しなかったモブ以下の聖女様。
凛花先輩といい、どうしてこう、優秀な人材があちこちにいるのか。
魔王討伐のパーティー編成が主人公である必要性を感じなくなってしまう。
「昨日は魔力を使い切っちゃってる状態で来ました。これが普段の状態です」
「ああ、そういうこと。だから滝行で何もわからなかったのかも」
「え?」
「魔力を見る修行なのに、魔力が無いときにやったら駄目でしょ」
ごもっとも。
でもあの時点で俺は魔力不足の自覚が無かったから仕方がない。
「それじゃ、今日やればわかるかもってことですか?」
「そうだね。やってみようか」
「・・・」
言うは易し。また限界まで打たれんのかよ。
思い出したら帰りたくなってきた。
「あの、他の修行とかってないんですか?」
「え? 最初に魔力を掴まないと何も出来ないよ」
「・・・そうですか」
そりゃそうだ。具現化の基本は魔力なんだし。
大人しく打たれよう・・・具現化のためだ。
そんくらい我慢しろよ、俺。
◇
そうしてやってきた滝の前。
ざあざあと降り注ぐ水の崩落を目の当たりにして躊躇する俺。
やっぱりさ、意識を失うのって良くないと思うんだよね。
俺、気絶から目覚めるパターンが多すぎる。
あれさ、色々大事なものが無くなってる気がするから遠慮したい。
「ほら、時間も無くなるからやる」
「はい」
促された俺は大人しく滝の中へと進んだ。
そして滝にかき消される俺の気合。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
冷たさと滝の痛さと心細さと~♪
そんな感じの歌があったような気がする。
え? ないって?
問題なのはあったかどうかじゃない。
そのくらい俺の意識が飛びそうって話だ。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
やっぱさぁ、滝行って漫画で見て「やってるやってる」って思うくらいが良いんだよね。
実際にやるもんじゃないと思う。
視界が狭くなってきてだんだんとブラックアウトしてくるんだぜ。
こんなん意味ねぇよ。
・・・。
・・・。
・・・。
意識を手放す少し手前で。
俺は白い何かが身体を駆け巡っているのを見たような気がした。
◇
つんつん。
う・・・。
つんつん。
疲れてんだよ、眠らせろよ。
つんつん。
誰だよ、寝てんのわかんだろ。
つんつん。
ええい、鬱陶しい!!
がばっと上半身を起こすと目の前に滝壺があった。
水辺の岩の上に俺は寝かされていた。
ざあざあと舞い上がる水飛沫に晒されて、全身が水浸しだった。
もっとも滝行の結果から水浸しなのでその水飛沫のせいではない。
「目、覚めた?」
お隣には聖女様。仰向けに寝ていた。
はっと気付いて自分の格好を見れば・・・どうして白装束がはだけてんの!?
しかも俺のマイサンを含めてじっと見ている聖女様。
あの・・・恥ずかしいどころの話じゃねぇぞ!
さっと前を隠す俺。声をあげないだけ褒めてくれ。
プールや川で溺れた後にラッキースケベされる女の子の気分ってこんな感じなのか?
これ、俺が聖女様を「ヘンタイ!」って平手打ちしても良いやつ?
そもそもこれって誰得シチュエーション?
「・・・眼福」
いたよ、得してる人。
なんでこの変態聖女様は俺の恥ずかしい姿で満足してるんですかね。
もはや滝行の目的がこれだとしか思えねぇぞ。
「・・・もう状況には突っ込みませんけど」
「うん、賢明」
「気を失う前に、白い何かが身体にうごめいてるのを見た気がしました」
「あ、それ、魔力。おめでとう」
あれが魔力らしい。
どうにか動いてるのは感じられた。
「五感をすべて飛ばさないと感じられないから。深い瞑想を練習するより滝行が早いの」
「まぁ、確かに2回目で感じられました」
「うん。わたしの選択は正しかった」
そうなのか?
時間的な意味ではそうかもしれない。
とりあえず、ここの修行でのファーストステップは踏めたらしい。
こんな修行ばっかりじゃねぇだろうな?
この日も早めにあがり、また裏庭で昼休みをぶっちするというやらかしをした俺。
魔力あっても体力消耗したら結果、同じじゃん!
ジト目の皆に頭を下げることになったのは言うまでもない。
◇
放課後。今日はジャンヌとリアム君が俺の付き添い日だ。
他4人がお茶をして話をしたのでふたりにもどうだと振ってみたところ、
「あたしは手合わせがいい」
「僕は図書館に行きたいな」
と希望を添えられた。
昼に迷惑をかけた手前、無碍にもできないのでそれぞれの希望に応じることにした。
先に無難そうな図書館へ行く。
高天原学園は図書館もかなりの規模だ。
だけど部活動中心の学校だから図書館要素はゲームでもほとんど出て来ない。
何せ学ぶことの大半が具現化関連だから実践あるのみ。
悠長に本を読んでいる人の数は圧倒的に少ない、と思っていた。
だが俺はこの世界に来て散々、例外を目の当たりにしたわけだ。
たぶんこの図書館も多数の利用者がいる。
そう思って図書館の両開きの木製扉を開けた。
なるほど広い。蔵書数が6桁近いとなればこの規模も納得だ。
紙の匂いにふわりと包まれて、ある種独特の懐かしい空間に来たことを自覚させられる。
読書するためのスペースもそれなりに用意されており分野別の本棚も充実している。
利用者もやはりそれなりの数がいた。
ゲームで描かれなかった世界がこれだけ広がっているのだ。
「僕、あっちの方で読んでるね」
図書館希望のリアム君は、俺そっちのけで本棚へ向かっていった。
俺と一緒に来る必要性ってあったの?
そういえば図書館って、実物の本があるんだな。
本屋代わりに情報屋があるくらいなのに本当に紙媒体だ。
そういう意味でこの世界では貴重な空間だ。
「なぁジャンヌ。リアムはどうして図書館に来たがってたんだ?」
「あたしが知ってるわけないでしょ。リアムに聞いて」
俺が知っていて推定できる理由は、彼の姉のため。
病気の治療のための手段をどうにかして探したいから。
だけどここで答えが見つかるならとっくに見つかっているはずだ。
隣を見ればジャンヌが手持ち無沙汰ながら俺の様子を見ている。
ああ、付き添いだもんね。ふたりとも離れるわけにはいかないか。
「待ってるのも暇だし向こうのディベートスペースで話でもしようぜ」
「わかったわ」
ジャンヌを引き連れ、ほとんど人の居ないディベートスペースで陣取った。
リアム君が戻って来るまで彼女と少し話をしたかった。
なにせ、いつも手合わせとばかり言うのだから。
「ところでさ。俺とどうして手合わせしたいんだ? 強そうだからってだけじゃないだろ?」
「え? 強そうじゃん。強けりゃ色々集まって来る。現に今、あんたの周りに集まってSS協定作ったし」
「あんなん俺の力でも意思でもねぇだろ。偶然だ」
「あんたがどう考えるかじゃなくて周りがどう考えるかだよ。だからあたしはあんたに勝ちたい」
「いちおう断っておくけど、俺は喧嘩もほとんどしたことねぇし力も人並みだぞ」
「ふーん? 謙遜かどうかもやってみりゃわかるわ」
「・・・」
ダメだこいつ脳筋っぽい。
どうしてこんな暖簾に腕押しなんだ。
えー、ジャンヌってこんな感じだったっけ?
ゲームではPCでもNPCでもこんなに馬鹿っぽくなかったと思うんだ。
大人しく1度ボコられるしかねぇのか?
「で、手合わせして俺が見当違いに弱かったらどうすんだ?」
「え? あんたを下僕にするなりパシリにするなり、力関係をはっきりさせておくだけよ」
「誰が奴隷契約なんぞ結ぶためにボコられんだよ!」
澄まし顔でさも当然と言うんじゃねぇ!
怪我しねぇにしてもダメだろこれ。
こいつの初期能力値ってどんくらいだっけ?
チビの女の子にしちゃ、腕力とか素早さが高かった覚えが・・・。
確かレオン並にあったような・・・。
うん、絶対手合わせなんかしねぇぞ。
「奴隷契約じゃないよ、上下関係!」
「同じだろ! 俺がパシられる理由にならん!」
「ええ、約束したのに破るって言うの!?」
怒りではなく泣きそうな表情を見せるジャンヌ。
そんな露骨な態度で釣れると思ってんのかよ。
女の涙なんてお前には早い。
「約束も強引だったろ。どうしても手合わせすんなら歓迎会より後だ」
スルーして先送り。
そこまでに闘技部で何か教えてもらおう。
主に逃げ足を鍛える方法で。
するとジャンヌは泣き真似なんて無かったように、にやりと表情を歪める。
「え? だって歓迎会前の日曜日にレオンやさくらと手合わせするんでしょ」
「何で知ってんの!!」
「何でって、連絡網で」
「そんなもんあんのかよ!?」
俺の知らぬ間に情報共有されてたよ!
ソフィア嬢の仕業だな! そうだな、そうに違いない!
PEか何かで夜にグループ報告とかしてんのか!?
「だってあんたの行動を皆が知ってないと引き継ぎできないでしょ」
「そうだけどさ! 俺のプライベートを侵食されてるみたいで嫌だろ!」
「その日曜日にレオンとやるならあたしとも手合わせできそうじゃん?」
「ぐ・・・」
なんかもう、こいつらの好きにさせるしかねぇのかな。
この様子だと日曜日に全員来そうだ。
もう状況を利用させてもらうしかねぇか。
「・・・もし日曜日に来るんなら得物を持ってこいよ」
「あ、やっとその気になった?」
「なってねぇ。けどやらざるを得ねぇんならやるしかねぇだろ」
「ま、御託はいいよ。それじゃ歓迎会前の日曜日。逃げないでよ」
満足気にうんうんしてやがる。
ソフィア嬢といい、NPCのときより性格悪くなってんな。
思わずはぁ、と溜息をついたところでリアム君がやってくる。
「武くん、終わったよ」
「え、もう良いのか?」
「うん、1日で終わらないから。また時間があるときに一緒に来よう」
「なぁ、俺が一緒に来る意味ってあんの?」
「え? だって友達だよ?」
友達なら放置してひとりで読みに行くなよ。
連れションでさえ一緒だろうに。
ほんとこいつも思考回路がわからん。
「まぁいいや。終わったなら俺は部活へ行くからな」
「あれ、ジャンヌと手合わせしないの?」
「歓迎会前の日曜日になった」
「え? お休みの日に集まるんだね」
ん? こいつは情報共有してねぇの?
ジャンヌに視線を送ってみるが素知らぬ顔をしている。
どういうことだ?
「詳しくはジャンヌにでも聞いてくれ」
「うん」
「それじゃ部室まで送るわ」
「うん、行こう行こう」
仕事は真面目そうなジャンヌに比べ、遠足気分に見えるリアム君。
ほんとに護衛として役立つのかね、こいつ。
まぁされてる側としては信じるしかないか。
◇
闘技部の入り口でふたりと別れ部室の扉を開ける。
開けた瞬間に目の前を何かが凄まじい勢いで通り過ぎていった。
びくり、とするが超速耐性がついてきた俺は声をあげなかった。偉い?
飛んでいった何かを見るとウィリアム先輩っぽい。
向こうのほうで倒れている。
「悪い、外へ飛ばした」
後を追って凛花先輩が出てくると、のびているウィリアム先輩をひっつかんで中へ戻る。
竜巻のような突風が吹き荒れる。
その間、5秒くらい。
・・・。
うん、今日もいい天気だ。
しかし、これだけの能力がある闘技部がどうしてゲーム本編で登場しなかったのだろうか。
武器や魔法は絵になるけど、殴り合うだけなのは野蛮ってか?
ううむ、開発陣の思惑が読めん。何かあるのかも・・・。
「こんにちは」
「来たか武。今日は丹撃の続きをやろうか」
「わかった」
相変わらず瞬速で現れた先輩に当たり前に引っ張られる。
言われるがまま後をついていくと、フィールドに来た。
例のひび割れた大岩の前に立たされる。
えーと? 2回目にしてこれを割れと?
「少しくらいひびが入るまでやろうか」
「いきなりできるわけねぇだろ!」
「あ~、一昨日、丹撃を出すところまでやったろう。あれの続きだ」
「そもそも自力でできねえって」
「そうか? 集魔法ができるならできると思うぞ」
「そうなの?」
まだ入学して5日目だ。
一般人だった俺がいきなり岩を割れるって?
冗談も休み休み言えって状態だよ。
半信半疑どころか疑い99%だよ。
確かに割れる人は目の前にいるけどさ、俺自身ができるかどうかって別問題だろう。
「あ~、信じてないね。言う通りにしろって言ったろう」
「・・・はい」
そうだったよ。俺が疑ったら駄目だ。
「で、具体的にはどうすれば?」
「集魔法の要領で共振させてから、どーん」
「・・・・・・」
昨日のこの人の解説を聞いた限り、説明ができない人じゃないと思うんだが。
面倒がってんのかな。
とにかく頑張ろう。
やってから後悔しよう。
岩の前に立つ。
目を閉じて呼吸を意識する。
自分の鼓動を聞き取って・・・呼吸に合わせて・・・。
で、どうやんだっけ? 魔力の振動を見るのって?
・・・。
肝心なところをフォローしてもらってんじゃん。
これ、まだ集魔法も自力でできてねぇよ。
「もっと続けろ。深いところまで落ちるんだ」
瞑想ってやつですかね。
そういえば聖女様にそんな感じのことを言われた気がする。
結局、やることになるんじゃねえかよ。
いきなりできるもんなの?
・・・とにかくやるか。
・・・。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・うん。わからん。
たぶん、10分くらいは頑張った。
呼吸以外、頭空っぽにしてぼーっとしてみた。
眠くなってきたくらいだ。
だけど全然掴める気配がない。
やっぱ、まだ駄目なんじゃね?
「・・・まだわからねぇ」
「そんなすぐにわかることじゃない」
「・・・」
だったらどうしてやらせてんだよ!
わかるまでやれってか!?
「・・・」
「・・・」
目を閉じてるから凛花先輩がどういう表情をしているのかもわからねぇ。
けども傍で様子を見ているのは何となく気配でわかる。
つまり続けろと。
言葉足らずだけど間違ってたらフォローしてくれてるから、きっとこれで良いんだ。
たぶん。おそらく。
俺は腹をくくって続けることにした。
・・・。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・眠い。
立ったまま眠くなるのって不思議。
バランス崩れねぇかな。
通勤電車みたいに揺れねぇから大丈夫か。
・・・・・・。
・・・。
・・・。
「眠ぃな」
「やっぱ駄目なんじゃねぇかよ!?」
つい大声をあげてしまった。
「君の眠そうな気が伝わってきてね」
「眠そうにしないようにするにゃどうすりゃいいんだよ」
「あ~、そうだな。寝てみろ」
「え?」
「そのまま寝てみろ。呼吸と鼓動を同期させたまま」
「・・・」
もはや疑問に思うまい。
俺はさっきと同じ要領で自分の深いところまで落ちてみる。
・・・。
・・・。
段々と眠気が思考を支配する。
ああでも、不思議だな。
こうやって立ったまま寝ようと思うことなんて無かった。
ぼうっと・・・。
覚醒しながらも眠るように・・・。
・・・。
くら・・・くら・・・くら。
ん・・・。
目眩・・・?
ああ、熱に冒されたような。
これ、あれだ。
ほら・・・共鳴して倒れるときの。
くら・・・くら・・・くら。
不思議な揺れだ。
倒れるわけじゃないのに。
白い・・・揺れ・・・。
ふと。
背中に暖かい何かがくっついた。
ああ・・・何だろう。
眠い・・・。
くら・・・くら・・・くら。
ああ・・・白い・・・。
「その揺れに呼吸を合わせろ」
ん・・・。
揺れ・・・。
この、白くてくらくらするやつ?
ああ・・・落ち着くよね。
呼吸も鼓動も合わさって・・・。
くら、くら、くら。
すう、すう、すう。
「いくぞ」
ん・・・?
心地良いところなのに・・・。
う・・・ぐ・・・!?
お腹に熱が・・・ぐ・・・。
ああ、苦しい!?
「手を前に出せ!」
「!?」
意識は朦朧としたまま。
言われるがまま、熱に冒されて両手を前に突き出した。
「破ッ!」
どしん!
俺の背中から強い衝撃が走る。
痛ぇ!
「おわぁ!?」
同時にお腹に溜まった熱が腕を駆け抜けていく。
ばしん、と目の前が明るくなった。
え!?
なに!?
「おし、できたじゃないか」
「え?」
眠りから覚めたような感覚。
目を閉じていたから何も分からない。
けど何かが起こった。
「できた?」
「見てみろ」
ぼやいた俺に凛花先輩が言う。
見れば・・・目の前の岩の、俺が腕を突き出した先に小さな窪みができていた。
「え?」
「君の力だよ」
そうして意図せぬ間に起こった出来事に。
見ていなかった自分の力は、やはり信じられるものではなかった。
教会に入ると聖女様がひとりで祭壇に立っていた。
ステンドグラスの綺羅びやかな後光を浴びているその姿は、どこかもの悲しげに見えた。
「こんにちは、今日もお願いします」
「こんにちは! ・・・あれ?」
俺が声をかけると、はっと気付いたのか反応する聖女様。
が、どこか気になるのか挨拶もそこそこに俺の方へ歩いてきた。
「どうかしました?」
「あれ? あれ? 昨日と違うね?」
「・・・?」
俺の傍へ来ると、じろじろ見ながら1周する。
相変わらず無表情なのに言動や行動は活発なんだよな。
そして俺の何がそんなに気になるのやら。
「どうして今日は魔力が溢れてるの?」
「え? 聖女様、見えるんですか?」
「うん。そんなに溢れさせてたら、見える人には見えるよ」
ってことは、聖女様はAR値が相応にあると。
そもそもラリクエのゲーム中にも登場しなかったモブ以下の聖女様。
凛花先輩といい、どうしてこう、優秀な人材があちこちにいるのか。
魔王討伐のパーティー編成が主人公である必要性を感じなくなってしまう。
「昨日は魔力を使い切っちゃってる状態で来ました。これが普段の状態です」
「ああ、そういうこと。だから滝行で何もわからなかったのかも」
「え?」
「魔力を見る修行なのに、魔力が無いときにやったら駄目でしょ」
ごもっとも。
でもあの時点で俺は魔力不足の自覚が無かったから仕方がない。
「それじゃ、今日やればわかるかもってことですか?」
「そうだね。やってみようか」
「・・・」
言うは易し。また限界まで打たれんのかよ。
思い出したら帰りたくなってきた。
「あの、他の修行とかってないんですか?」
「え? 最初に魔力を掴まないと何も出来ないよ」
「・・・そうですか」
そりゃそうだ。具現化の基本は魔力なんだし。
大人しく打たれよう・・・具現化のためだ。
そんくらい我慢しろよ、俺。
◇
そうしてやってきた滝の前。
ざあざあと降り注ぐ水の崩落を目の当たりにして躊躇する俺。
やっぱりさ、意識を失うのって良くないと思うんだよね。
俺、気絶から目覚めるパターンが多すぎる。
あれさ、色々大事なものが無くなってる気がするから遠慮したい。
「ほら、時間も無くなるからやる」
「はい」
促された俺は大人しく滝の中へと進んだ。
そして滝にかき消される俺の気合。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
冷たさと滝の痛さと心細さと~♪
そんな感じの歌があったような気がする。
え? ないって?
問題なのはあったかどうかじゃない。
そのくらい俺の意識が飛びそうって話だ。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!
やっぱさぁ、滝行って漫画で見て「やってるやってる」って思うくらいが良いんだよね。
実際にやるもんじゃないと思う。
視界が狭くなってきてだんだんとブラックアウトしてくるんだぜ。
こんなん意味ねぇよ。
・・・。
・・・。
・・・。
意識を手放す少し手前で。
俺は白い何かが身体を駆け巡っているのを見たような気がした。
◇
つんつん。
う・・・。
つんつん。
疲れてんだよ、眠らせろよ。
つんつん。
誰だよ、寝てんのわかんだろ。
つんつん。
ええい、鬱陶しい!!
がばっと上半身を起こすと目の前に滝壺があった。
水辺の岩の上に俺は寝かされていた。
ざあざあと舞い上がる水飛沫に晒されて、全身が水浸しだった。
もっとも滝行の結果から水浸しなのでその水飛沫のせいではない。
「目、覚めた?」
お隣には聖女様。仰向けに寝ていた。
はっと気付いて自分の格好を見れば・・・どうして白装束がはだけてんの!?
しかも俺のマイサンを含めてじっと見ている聖女様。
あの・・・恥ずかしいどころの話じゃねぇぞ!
さっと前を隠す俺。声をあげないだけ褒めてくれ。
プールや川で溺れた後にラッキースケベされる女の子の気分ってこんな感じなのか?
これ、俺が聖女様を「ヘンタイ!」って平手打ちしても良いやつ?
そもそもこれって誰得シチュエーション?
「・・・眼福」
いたよ、得してる人。
なんでこの変態聖女様は俺の恥ずかしい姿で満足してるんですかね。
もはや滝行の目的がこれだとしか思えねぇぞ。
「・・・もう状況には突っ込みませんけど」
「うん、賢明」
「気を失う前に、白い何かが身体にうごめいてるのを見た気がしました」
「あ、それ、魔力。おめでとう」
あれが魔力らしい。
どうにか動いてるのは感じられた。
「五感をすべて飛ばさないと感じられないから。深い瞑想を練習するより滝行が早いの」
「まぁ、確かに2回目で感じられました」
「うん。わたしの選択は正しかった」
そうなのか?
時間的な意味ではそうかもしれない。
とりあえず、ここの修行でのファーストステップは踏めたらしい。
こんな修行ばっかりじゃねぇだろうな?
この日も早めにあがり、また裏庭で昼休みをぶっちするというやらかしをした俺。
魔力あっても体力消耗したら結果、同じじゃん!
ジト目の皆に頭を下げることになったのは言うまでもない。
◇
放課後。今日はジャンヌとリアム君が俺の付き添い日だ。
他4人がお茶をして話をしたのでふたりにもどうだと振ってみたところ、
「あたしは手合わせがいい」
「僕は図書館に行きたいな」
と希望を添えられた。
昼に迷惑をかけた手前、無碍にもできないのでそれぞれの希望に応じることにした。
先に無難そうな図書館へ行く。
高天原学園は図書館もかなりの規模だ。
だけど部活動中心の学校だから図書館要素はゲームでもほとんど出て来ない。
何せ学ぶことの大半が具現化関連だから実践あるのみ。
悠長に本を読んでいる人の数は圧倒的に少ない、と思っていた。
だが俺はこの世界に来て散々、例外を目の当たりにしたわけだ。
たぶんこの図書館も多数の利用者がいる。
そう思って図書館の両開きの木製扉を開けた。
なるほど広い。蔵書数が6桁近いとなればこの規模も納得だ。
紙の匂いにふわりと包まれて、ある種独特の懐かしい空間に来たことを自覚させられる。
読書するためのスペースもそれなりに用意されており分野別の本棚も充実している。
利用者もやはりそれなりの数がいた。
ゲームで描かれなかった世界がこれだけ広がっているのだ。
「僕、あっちの方で読んでるね」
図書館希望のリアム君は、俺そっちのけで本棚へ向かっていった。
俺と一緒に来る必要性ってあったの?
そういえば図書館って、実物の本があるんだな。
本屋代わりに情報屋があるくらいなのに本当に紙媒体だ。
そういう意味でこの世界では貴重な空間だ。
「なぁジャンヌ。リアムはどうして図書館に来たがってたんだ?」
「あたしが知ってるわけないでしょ。リアムに聞いて」
俺が知っていて推定できる理由は、彼の姉のため。
病気の治療のための手段をどうにかして探したいから。
だけどここで答えが見つかるならとっくに見つかっているはずだ。
隣を見ればジャンヌが手持ち無沙汰ながら俺の様子を見ている。
ああ、付き添いだもんね。ふたりとも離れるわけにはいかないか。
「待ってるのも暇だし向こうのディベートスペースで話でもしようぜ」
「わかったわ」
ジャンヌを引き連れ、ほとんど人の居ないディベートスペースで陣取った。
リアム君が戻って来るまで彼女と少し話をしたかった。
なにせ、いつも手合わせとばかり言うのだから。
「ところでさ。俺とどうして手合わせしたいんだ? 強そうだからってだけじゃないだろ?」
「え? 強そうじゃん。強けりゃ色々集まって来る。現に今、あんたの周りに集まってSS協定作ったし」
「あんなん俺の力でも意思でもねぇだろ。偶然だ」
「あんたがどう考えるかじゃなくて周りがどう考えるかだよ。だからあたしはあんたに勝ちたい」
「いちおう断っておくけど、俺は喧嘩もほとんどしたことねぇし力も人並みだぞ」
「ふーん? 謙遜かどうかもやってみりゃわかるわ」
「・・・」
ダメだこいつ脳筋っぽい。
どうしてこんな暖簾に腕押しなんだ。
えー、ジャンヌってこんな感じだったっけ?
ゲームではPCでもNPCでもこんなに馬鹿っぽくなかったと思うんだ。
大人しく1度ボコられるしかねぇのか?
「で、手合わせして俺が見当違いに弱かったらどうすんだ?」
「え? あんたを下僕にするなりパシリにするなり、力関係をはっきりさせておくだけよ」
「誰が奴隷契約なんぞ結ぶためにボコられんだよ!」
澄まし顔でさも当然と言うんじゃねぇ!
怪我しねぇにしてもダメだろこれ。
こいつの初期能力値ってどんくらいだっけ?
チビの女の子にしちゃ、腕力とか素早さが高かった覚えが・・・。
確かレオン並にあったような・・・。
うん、絶対手合わせなんかしねぇぞ。
「奴隷契約じゃないよ、上下関係!」
「同じだろ! 俺がパシられる理由にならん!」
「ええ、約束したのに破るって言うの!?」
怒りではなく泣きそうな表情を見せるジャンヌ。
そんな露骨な態度で釣れると思ってんのかよ。
女の涙なんてお前には早い。
「約束も強引だったろ。どうしても手合わせすんなら歓迎会より後だ」
スルーして先送り。
そこまでに闘技部で何か教えてもらおう。
主に逃げ足を鍛える方法で。
するとジャンヌは泣き真似なんて無かったように、にやりと表情を歪める。
「え? だって歓迎会前の日曜日にレオンやさくらと手合わせするんでしょ」
「何で知ってんの!!」
「何でって、連絡網で」
「そんなもんあんのかよ!?」
俺の知らぬ間に情報共有されてたよ!
ソフィア嬢の仕業だな! そうだな、そうに違いない!
PEか何かで夜にグループ報告とかしてんのか!?
「だってあんたの行動を皆が知ってないと引き継ぎできないでしょ」
「そうだけどさ! 俺のプライベートを侵食されてるみたいで嫌だろ!」
「その日曜日にレオンとやるならあたしとも手合わせできそうじゃん?」
「ぐ・・・」
なんかもう、こいつらの好きにさせるしかねぇのかな。
この様子だと日曜日に全員来そうだ。
もう状況を利用させてもらうしかねぇか。
「・・・もし日曜日に来るんなら得物を持ってこいよ」
「あ、やっとその気になった?」
「なってねぇ。けどやらざるを得ねぇんならやるしかねぇだろ」
「ま、御託はいいよ。それじゃ歓迎会前の日曜日。逃げないでよ」
満足気にうんうんしてやがる。
ソフィア嬢といい、NPCのときより性格悪くなってんな。
思わずはぁ、と溜息をついたところでリアム君がやってくる。
「武くん、終わったよ」
「え、もう良いのか?」
「うん、1日で終わらないから。また時間があるときに一緒に来よう」
「なぁ、俺が一緒に来る意味ってあんの?」
「え? だって友達だよ?」
友達なら放置してひとりで読みに行くなよ。
連れションでさえ一緒だろうに。
ほんとこいつも思考回路がわからん。
「まぁいいや。終わったなら俺は部活へ行くからな」
「あれ、ジャンヌと手合わせしないの?」
「歓迎会前の日曜日になった」
「え? お休みの日に集まるんだね」
ん? こいつは情報共有してねぇの?
ジャンヌに視線を送ってみるが素知らぬ顔をしている。
どういうことだ?
「詳しくはジャンヌにでも聞いてくれ」
「うん」
「それじゃ部室まで送るわ」
「うん、行こう行こう」
仕事は真面目そうなジャンヌに比べ、遠足気分に見えるリアム君。
ほんとに護衛として役立つのかね、こいつ。
まぁされてる側としては信じるしかないか。
◇
闘技部の入り口でふたりと別れ部室の扉を開ける。
開けた瞬間に目の前を何かが凄まじい勢いで通り過ぎていった。
びくり、とするが超速耐性がついてきた俺は声をあげなかった。偉い?
飛んでいった何かを見るとウィリアム先輩っぽい。
向こうのほうで倒れている。
「悪い、外へ飛ばした」
後を追って凛花先輩が出てくると、のびているウィリアム先輩をひっつかんで中へ戻る。
竜巻のような突風が吹き荒れる。
その間、5秒くらい。
・・・。
うん、今日もいい天気だ。
しかし、これだけの能力がある闘技部がどうしてゲーム本編で登場しなかったのだろうか。
武器や魔法は絵になるけど、殴り合うだけなのは野蛮ってか?
ううむ、開発陣の思惑が読めん。何かあるのかも・・・。
「こんにちは」
「来たか武。今日は丹撃の続きをやろうか」
「わかった」
相変わらず瞬速で現れた先輩に当たり前に引っ張られる。
言われるがまま後をついていくと、フィールドに来た。
例のひび割れた大岩の前に立たされる。
えーと? 2回目にしてこれを割れと?
「少しくらいひびが入るまでやろうか」
「いきなりできるわけねぇだろ!」
「あ~、一昨日、丹撃を出すところまでやったろう。あれの続きだ」
「そもそも自力でできねえって」
「そうか? 集魔法ができるならできると思うぞ」
「そうなの?」
まだ入学して5日目だ。
一般人だった俺がいきなり岩を割れるって?
冗談も休み休み言えって状態だよ。
半信半疑どころか疑い99%だよ。
確かに割れる人は目の前にいるけどさ、俺自身ができるかどうかって別問題だろう。
「あ~、信じてないね。言う通りにしろって言ったろう」
「・・・はい」
そうだったよ。俺が疑ったら駄目だ。
「で、具体的にはどうすれば?」
「集魔法の要領で共振させてから、どーん」
「・・・・・・」
昨日のこの人の解説を聞いた限り、説明ができない人じゃないと思うんだが。
面倒がってんのかな。
とにかく頑張ろう。
やってから後悔しよう。
岩の前に立つ。
目を閉じて呼吸を意識する。
自分の鼓動を聞き取って・・・呼吸に合わせて・・・。
で、どうやんだっけ? 魔力の振動を見るのって?
・・・。
肝心なところをフォローしてもらってんじゃん。
これ、まだ集魔法も自力でできてねぇよ。
「もっと続けろ。深いところまで落ちるんだ」
瞑想ってやつですかね。
そういえば聖女様にそんな感じのことを言われた気がする。
結局、やることになるんじゃねえかよ。
いきなりできるもんなの?
・・・とにかくやるか。
・・・。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・うん。わからん。
たぶん、10分くらいは頑張った。
呼吸以外、頭空っぽにしてぼーっとしてみた。
眠くなってきたくらいだ。
だけど全然掴める気配がない。
やっぱ、まだ駄目なんじゃね?
「・・・まだわからねぇ」
「そんなすぐにわかることじゃない」
「・・・」
だったらどうしてやらせてんだよ!
わかるまでやれってか!?
「・・・」
「・・・」
目を閉じてるから凛花先輩がどういう表情をしているのかもわからねぇ。
けども傍で様子を見ているのは何となく気配でわかる。
つまり続けろと。
言葉足らずだけど間違ってたらフォローしてくれてるから、きっとこれで良いんだ。
たぶん。おそらく。
俺は腹をくくって続けることにした。
・・・。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・眠い。
立ったまま眠くなるのって不思議。
バランス崩れねぇかな。
通勤電車みたいに揺れねぇから大丈夫か。
・・・・・・。
・・・。
・・・。
「眠ぃな」
「やっぱ駄目なんじゃねぇかよ!?」
つい大声をあげてしまった。
「君の眠そうな気が伝わってきてね」
「眠そうにしないようにするにゃどうすりゃいいんだよ」
「あ~、そうだな。寝てみろ」
「え?」
「そのまま寝てみろ。呼吸と鼓動を同期させたまま」
「・・・」
もはや疑問に思うまい。
俺はさっきと同じ要領で自分の深いところまで落ちてみる。
・・・。
・・・。
段々と眠気が思考を支配する。
ああでも、不思議だな。
こうやって立ったまま寝ようと思うことなんて無かった。
ぼうっと・・・。
覚醒しながらも眠るように・・・。
・・・。
くら・・・くら・・・くら。
ん・・・。
目眩・・・?
ああ、熱に冒されたような。
これ、あれだ。
ほら・・・共鳴して倒れるときの。
くら・・・くら・・・くら。
不思議な揺れだ。
倒れるわけじゃないのに。
白い・・・揺れ・・・。
ふと。
背中に暖かい何かがくっついた。
ああ・・・何だろう。
眠い・・・。
くら・・・くら・・・くら。
ああ・・・白い・・・。
「その揺れに呼吸を合わせろ」
ん・・・。
揺れ・・・。
この、白くてくらくらするやつ?
ああ・・・落ち着くよね。
呼吸も鼓動も合わさって・・・。
くら、くら、くら。
すう、すう、すう。
「いくぞ」
ん・・・?
心地良いところなのに・・・。
う・・・ぐ・・・!?
お腹に熱が・・・ぐ・・・。
ああ、苦しい!?
「手を前に出せ!」
「!?」
意識は朦朧としたまま。
言われるがまま、熱に冒されて両手を前に突き出した。
「破ッ!」
どしん!
俺の背中から強い衝撃が走る。
痛ぇ!
「おわぁ!?」
同時にお腹に溜まった熱が腕を駆け抜けていく。
ばしん、と目の前が明るくなった。
え!?
なに!?
「おし、できたじゃないか」
「え?」
眠りから覚めたような感覚。
目を閉じていたから何も分からない。
けど何かが起こった。
「できた?」
「見てみろ」
ぼやいた俺に凛花先輩が言う。
見れば・・・目の前の岩の、俺が腕を突き出した先に小さな窪みができていた。
「え?」
「君の力だよ」
そうして意図せぬ間に起こった出来事に。
見ていなかった自分の力は、やはり信じられるものではなかった。
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