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ハチャメチャの中学2年生
034
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御子柴君の選んだ曲はロック調のちょっとヤサグレ系の歌。
アウトロー的な雰囲気を出すためか。
御子柴君の格好は不良風になり、サングラスをかけている。
彼は高層ビルの谷間にあるスラム街のような路地に立っていた。
「-----♪」
空き缶を蹴っ飛ばしながら歌う。
なんか小道具とかの演出すげぇ。
歌のストーリー上、ヒロインが登場するのだが・・・
ヒロインが実際に存在するかのように御子柴君の隣に立った。
えええ、生身の人間に見えるよ!
そのヒロインに対して、歌いながらポーズをしたり、手を繋いだり。
最後は抱き合って終わり。
え!? あれ、実体あんの!?!?
皆が拍手をして背景が戻る。
「ひゅー! 諒くん上手!」
「次! 私、歌うね!」
興奮気味の花栗さんが続いた。
選んだ曲は・・・ファンタジックな曲調だ。
歌詞を見るに、少女がドラゴンと仲良くなって、空へ飛び立ち、世界を周る。
そんな感じのストーリー。
で、アバターは・・・花栗さん、エルフっぽくなってる!
耳も長いし、髪の色まで!?
森の中かと思ったら相棒のドラゴンと一緒に遊んだりして。
ドラゴンが成長して背中に乗って飛び立つ!
「-----♪」
ドラゴンの背に乗って大空を舞う。
流れる木々。滝の裏側を飛び抜けて、大きな谷へ急降下。
歌のサビに合わせて夜になったり昼になったり。
部屋全体がドラゴンの背中に乗っているよう!
これだけで大冒険!
下手なVRゲームより面白い!
リアルにあったらハマるぞこれ。
花栗さんが歌い終わる。
背景と衣装が元通りになって、拍手を浴びると恥ずかしそうに手を振った。
「気持ちよかったー!」
「若菜ちゃんも上手!」
「次、さくらさんだ」
「はい! 歌います!」
九条さんが選んだのは季節を楽しむ明るい歌。
日本の四季を巡って、風の精になって飛んでいくというストーリー。
歌い出したら衣装が・・・ちょっと透けるドレスに変わっていた。
ちょっと目のやり場に困る。
というかどうやって透けてんの!?
アバター技術すごすぎ。
「-----♪」
風の精は日本の四季を巡る。
桜と歌えば桜の花が、紅葉と歌えば紅葉の葉が風の精の手に現れる。
夏の海の波飛沫、冬の静かに降り積もる雪。
風の精が手を振れば、それらが部屋中に舞い散る。
皆の手元に桜の花びらや雪が届いて消えていく演出がにくい。
映像だから熱い寒いはないけれど・・・効果音付きで臨場感ありすぎ。
まるで魔法を使っているかのようだ。
俺が感動している間に九条さんの歌が終わった。
「さくらさん歌手みたい! 上手!」
「風の精、可愛い~!」
アバター効果とホログラムの演出のおかげで、大盛りあがり。
俺も感化され、惜しみない拍手を送った。
・・・そして俺は失念していた。
俺の番じゃないか。
皆が俺の方を見ている。
何を歌うんですかーと期待の眼差しで!
そりゃそうだ、誰が歌っても楽しすぎる演出が観られるのだから。
ど、どうする!?
知ってる歌、あんのか!?
「ご、ごめん。カラオケ、ほとんどやったことがなくて」
シリーズ、誤魔化し☆ の前フリ。
「そうなんだ? 武君、意外だなー」
「親が懐古主義でさ。流行りの曲じゃなくて、ふる~い曲ばかり聴いてたから・・・」
俺が知ってる最新の曲は2030年モノです!
高校生の娘と一緒に歌ってたんだぞ?
四十路でついていけてたんだから褒めてくれ!
「んー、古い歌もあるんじゃないかな? ”曲目、無限大”がウリだし」
そう言って橘先輩が画面を操作してくれる。
リスト項目に「年代」があり、それで操作していくと・・・。
あったよ! リスト、2000年まで遡れる!!
年代は古代だけど、さっき聴いた曲調と比べてそんなに差はないはず!
「じゃあ、これで・・・」
俺が選んだのは息子がよく歌っていた曲。
星空を眺める少年と、偶然に出会う少女の話。
住宅街の夜中の線路で毎日眺め、段々と惹かれ合うというストーリー。
つか、これアバターとかどうなんの?
古い曲までカバーされんのか??
壇上に立つと・・・俺が知っている曲が流れ始めた。
あ、夜の住宅街にいる。
踏切に立ってるじゃん。
俺の格好は・・・うん、そのまま! 何で!?
フリとか分からないので棒立ちで歌っていると、隣に歌詞の少女がやってきた。
満点の星空を見上げながら地べたに座っているので、俺も合わせて座ってみた。
流れ星を指したり、寒くて毛布でくるまったり。
歌ってるんだけど、自然とストーリーに合わせた行動がしたくなる。
ちなみに歌ってみて分かったけど、歌詞は俺にしか見えない。
PEみたいに偏光処理されたホログラムで、常に視界に入るよう表示されていた。
だからどんな姿勢をしていても歌詞が見える。素晴らしい。
そして何とか歌い終わると・・・。
皆が拍手してくれていた。
「すっごーい! カラオケ、本当に慣れてないの?」
「知らない歌だけど、じんわり来て良かったな」
「武さんの優しさが溢れてて素敵でした!」
「一緒に星空、見上げたくなったよ!」
うん。それっぽく振る舞えて良かったよ!
◇
2巡して皆が温まってきた頃。
橘先輩が皆の前に立った。
「さて! 若人の諸君! アバターカラオケは楽しいか!?」
「「おー!」」
ノリに合わせる御子柴君と花栗さん。
すっかりマブダチ感だ。
なんだかんだで橘先輩の人を巻き込む術はスゴい。
俺もこれでやられたからな。
良い意味で、なんだけど・・・状況が許せばなぁ。
「だがしかし! アバターカラオケの真髄はここからだぁ!」
「「おー!」」
何で司会をしてんだこの人。
あ、ホストだったっけ。
「という事で! 先ずはまたお手本を見せよう! 武君、こっち来て」
「? うん」
壇上にいる橘先輩の横へ行く。
先輩は設定画面でアレコレ操作している。
声色だとか、衣装指定だとか。
もう何でもありだなコレ、VRも真っ青。
設定が終わったのか、橘先輩は曲を入力した。
暗くなり音楽が流れ始める。
「え? 俺はどうすれば・・・」
「そこに立っててね!」
音楽が流れ出す。
アバターは・・・学園モノか?
先輩がセーラー服を着ている。
うちの学校はブレザーだから新鮮な感じだ。
あれ? 俺もアバターがある。
これは・・・学ランか。
なんか行儀悪く着崩してるぞ。番長かよ!?
「-----♪」
おお、学校のイベントが歌われるたびに、仮想クラスメイトがそれっぽく動き回ってる!
「私のすべてを伝えたのに あなたはいつも そっぽを向く♪」
橘先輩は俺の前で踊りながら、胸に手をあてて切なげに歌っている。
これはポップなラブソングかな?
ほー、と感心して聴いていたら。
ひょいっと橘先輩が俺の顔を覗き込む。
例の上目遣いだ。
気付けば校舎の屋上。
夕焼けに照らされてふたりきり。
え? これって?
「愛するあなたの視線を♪」
橘先輩が俺の腕を取って中央へ導く。
「声を 想いを♪」
くるりと俺を軸に一周して。
「1番を 私にちょうだい♪」
「うわぉ!?」
橘先輩が飛びついてきた!
首に手を回してぎゅうっと抱きしめてくる。
いやいやいや!!
皆、見てるからね!?
「だ、駄目ー!!」
九条さんが慌てて飛び出してきて、俺から橘先輩を引き剥がす。
同時に曲が終わってアバターが消えていく。
「あっはっは!! 大成功!!」
「香さん!」
「先輩、ひどいです!」
とりあえず形式的な抗議をする俺。
いや、役得なんて思ってないからね!?
「あっはっは! いやー、良い反応だよ、さくら!」
「むー・・・」
やられた、と悔し気な表情の九条さん。
「ほらほら、悔しがってないで! さくらの番だから!」
橘先輩が九条さんを壇上に押しやる。
「好きなラブソングを選んで。設定でパートナーって項目があるから、そこで相手を選ぶとその人にもアバターがつくんだよ」
「ええ・・・これですね」
「そうそう。さっきみたいに告白するのが、このアバターカラオケの流行りなんだよ!」
ああね、それを聞いて納得。
これは女子高生に流行りそうなやつだ。
「選ばれた人は拒否権なしで壇上へどうぞ!」
「では・・・武さん、こちらへ」
さっきの悔し気な表情は何処へやら。
満面の笑みで俺を招く九条さん。
まぁ・・・そうなるよね。
音楽が始まった。ポップな曲調。
似たような曲が多いのは橘先輩に影響されてんのかな?
俺のアバターは・・・何だこれ、剣を持ってるぞ。
服は冒険者ってやつか? 中世の旅衣装。
九条さんは軽鎧に弓を携えてる狩人みたい。
あれか、ファンタジーRPG的な曲なのか?
「いつも背中で守ってくれる 暖かいあなたの優しさ♪」
モンスターっぽい獣が襲いかかってくる。
九条さんは俺の背に背をつけて歌っている。
ノリで持っていた剣で斬ってみた。
すらっと豆腐みたいにモンスターが斬れる。まぁ、演出だから。
ひゅう! と御子柴君が囃し立てた。
「わたしの中で育んだ この想い あなたに伝えたい♪」
深い森の中、ぽっかりと空いた広場。
燦々と降り注ぐ陽光の中で九条さんはくるくると踊っていた。
彼女の銀髪がきらきらと舞う。
はちきれんばかりの笑顔が俺を釘付けにした。
「だからわたしは あなたの心を 射止めるの♪」
サビで盛り上がってきたところで、手に持った弓矢を構え。
ああ、こんなところで華麗な射法八節!
その矢を・・・俺に向けて放った!
ハート型の矢が飛んできたのはお愛嬌。
俺の胸に当たるとぱあっと花びらが視界一面に舞い散り花畑になった!
おおう、華麗な演出!
「あなたは わたしの すべてだから♪」
その派手な演出に目を奪われていると。
目の前に九条さんの顔があった。
え? 目を閉じて口を突き出して・・・
「はい! そこまでー!」
橘先輩が止めに入った。
「ええー! 先輩、ひどいです!」
「不意打ちはダメー!」
いや、橘先輩が言う!?
助かったけどさ。
「次! 俺やりたい!」
「あはは! 皆、ノリノリ~!」
やる気満々の御子柴君。
・・・で、指名される俺。
だよね、知ってた。
いや、皆、BL要素をワクテカで見ないで。
「-----♪」
おっと、気付けば始まっている。
アバターは・・・何だこりゃ、騎士?
御子柴君は王子様っぽい。
あの栗毛色の髪が白いゴテゴテの王子様衣装と合う。
いやあ、絵になるね! 端から観たかったよ!
「あの熱い残滓が また黄昏を染めて♪」
ところでこれ、どういうストーリー?
乙女ゲームっぽい感じか?
背景はお城の中庭っぽい。
貴族令嬢らしき人物もちらほら見える。
「この胸の熱を 燻らせ♪」
御子柴君が俺の隣に剣を携えて並び立つ。
ちらり、と此方を見る。
俺も何となくそちらを見る。
なんか視界のあちこちに薔薇っぽいものが出現し紅く染まる。
「お前を この手に 入れたい♪」
御子柴君が凝視してくる。
うん、その格好も潤んだ瞳も絵になるね。
顔を紅潮させてこっちに迫ってこなきゃな!!
「はい、ストーップ!!」
割り込みは橘先輩でした。
うん、お互いに牽制をよろしくお願いします。
「ああー!? 折角の・・・」
「抜け駆けは許されません!」
俺の意思は関係ないのね?
「次、私、やります!!」
熱が衰えることないうちに花栗さんが壇上に上がった。
ご指名は九条さん、下馬評どおり。
選んだ曲は・・・バラードだ。
ずっとアップテンポな感じだったからしっとり系が心に染みる。
ストーリーは現代社会。
迷っていた想い人に、割り込んできた別の想い人。
こういうのってアバターどうなるのかなって思ったら、大人コスプレになった。
九条さんが事務員みたいな社服。
花栗さんは、バリバリのキャリアウーマン的なスーツだった。
「交差する想いが ただ 竹細工のように絡み合い♪」
胸に手を当てて、辛そうな表情をする花栗さん。
「想い人と 想い人の 間を 蝶のように舞う♪」
歌詞に浮かぶ情景や、単語に出てくる物が、背景に浮かんだりホログラムで現れたり。
ちなみに九条さんはデスクワークしてました。地味!
「迷わない 迷いたくない どちらも 選べない♪」
ふっと両手を翳すと、オフィス内から満天の星空の下に移り変わった。
「だから 貴女にも 貴方にも 差し上げます♪」
胸に手を構えてから、前に突き出す動きでハートが飛んでいく。
九条さんと、俺のところに。
えええ!?
俺の方に飛んでいくハートに皆が釘付けになった。
俺もびっくり。
花栗さんはにこやかに、満足そうに歌い終えた。
想いを届けられたはずの九条さんも愕然としていた。
「え、ええ!? 若菜さん!?」
「さくらさん推しでは!?」
「え、えへへ・・・」
はにかんで誤魔化す? 花栗さん。
もはや言葉も浮かばない俺。
詰め寄る九条さんと御子柴君。
あーあ・・・どうすんのよ、橘先輩。火、つけちゃったんじゃない?
◇
「あっはっは! あー、楽しかったぁ!!」
「よくあんな歌えんな・・・」
結局、一番満足したのは橘先輩だった。
ひとりで何回歌ったんだ、この人。
皆が疲れた後も数曲歌ってたぞ。
しかもひとりずつ、ラブソングのパートナーに設定して弄っていた。
皆、飛びつかれたりしてたじたじになっていた。
あの後、さすがに俺だけをターゲットにするのはやめてと訴えた。
すると、橘先輩→九条さん、花栗さん→御子柴君といった組み合わせで歌ってくれた。
なんだかんだでお互いの気持ちを歌に代弁してもらって知ることが出来たのではなかろうか。
親睦を深めるという意味で大成功だったと言えるだろう。
「君たち! 今日の先輩のホスト、楽しんでもらえたかな?」
「はい、楽しかったです!」
「橘さんのノリ、格好良かった!」
「橘さん、また俺たちとも遊んでよ!」
うん、橘先輩との距離がいちばん縮まったね!
御子柴君と花栗さんのハートをがっちりキャッチしてます。
「うんうん、先輩も嬉しいぞ! 次回遊ぶなら、PEの登録しとく?」
「俺、お願いするよ」
「私も!」
迷わず御子柴君と花栗さんが橘先輩と連絡先交換を始めた。
ふたりとも、とても嬉しそうにしている。
正直、橘先輩のこのパワーは尊敬している。
コミュ力だけじゃない、人たらし的な何かがある。
その横顔を見ているだけで眩しい。
弓道部って縛りが無ければ、もっと別のかたちで輝いていたのかもしれない。
俺みたいな凡人が届く人じゃない、そんな気がした。
だからアプローチされている今の自分に・・・少しだけ気後れしていた。
アウトロー的な雰囲気を出すためか。
御子柴君の格好は不良風になり、サングラスをかけている。
彼は高層ビルの谷間にあるスラム街のような路地に立っていた。
「-----♪」
空き缶を蹴っ飛ばしながら歌う。
なんか小道具とかの演出すげぇ。
歌のストーリー上、ヒロインが登場するのだが・・・
ヒロインが実際に存在するかのように御子柴君の隣に立った。
えええ、生身の人間に見えるよ!
そのヒロインに対して、歌いながらポーズをしたり、手を繋いだり。
最後は抱き合って終わり。
え!? あれ、実体あんの!?!?
皆が拍手をして背景が戻る。
「ひゅー! 諒くん上手!」
「次! 私、歌うね!」
興奮気味の花栗さんが続いた。
選んだ曲は・・・ファンタジックな曲調だ。
歌詞を見るに、少女がドラゴンと仲良くなって、空へ飛び立ち、世界を周る。
そんな感じのストーリー。
で、アバターは・・・花栗さん、エルフっぽくなってる!
耳も長いし、髪の色まで!?
森の中かと思ったら相棒のドラゴンと一緒に遊んだりして。
ドラゴンが成長して背中に乗って飛び立つ!
「-----♪」
ドラゴンの背に乗って大空を舞う。
流れる木々。滝の裏側を飛び抜けて、大きな谷へ急降下。
歌のサビに合わせて夜になったり昼になったり。
部屋全体がドラゴンの背中に乗っているよう!
これだけで大冒険!
下手なVRゲームより面白い!
リアルにあったらハマるぞこれ。
花栗さんが歌い終わる。
背景と衣装が元通りになって、拍手を浴びると恥ずかしそうに手を振った。
「気持ちよかったー!」
「若菜ちゃんも上手!」
「次、さくらさんだ」
「はい! 歌います!」
九条さんが選んだのは季節を楽しむ明るい歌。
日本の四季を巡って、風の精になって飛んでいくというストーリー。
歌い出したら衣装が・・・ちょっと透けるドレスに変わっていた。
ちょっと目のやり場に困る。
というかどうやって透けてんの!?
アバター技術すごすぎ。
「-----♪」
風の精は日本の四季を巡る。
桜と歌えば桜の花が、紅葉と歌えば紅葉の葉が風の精の手に現れる。
夏の海の波飛沫、冬の静かに降り積もる雪。
風の精が手を振れば、それらが部屋中に舞い散る。
皆の手元に桜の花びらや雪が届いて消えていく演出がにくい。
映像だから熱い寒いはないけれど・・・効果音付きで臨場感ありすぎ。
まるで魔法を使っているかのようだ。
俺が感動している間に九条さんの歌が終わった。
「さくらさん歌手みたい! 上手!」
「風の精、可愛い~!」
アバター効果とホログラムの演出のおかげで、大盛りあがり。
俺も感化され、惜しみない拍手を送った。
・・・そして俺は失念していた。
俺の番じゃないか。
皆が俺の方を見ている。
何を歌うんですかーと期待の眼差しで!
そりゃそうだ、誰が歌っても楽しすぎる演出が観られるのだから。
ど、どうする!?
知ってる歌、あんのか!?
「ご、ごめん。カラオケ、ほとんどやったことがなくて」
シリーズ、誤魔化し☆ の前フリ。
「そうなんだ? 武君、意外だなー」
「親が懐古主義でさ。流行りの曲じゃなくて、ふる~い曲ばかり聴いてたから・・・」
俺が知ってる最新の曲は2030年モノです!
高校生の娘と一緒に歌ってたんだぞ?
四十路でついていけてたんだから褒めてくれ!
「んー、古い歌もあるんじゃないかな? ”曲目、無限大”がウリだし」
そう言って橘先輩が画面を操作してくれる。
リスト項目に「年代」があり、それで操作していくと・・・。
あったよ! リスト、2000年まで遡れる!!
年代は古代だけど、さっき聴いた曲調と比べてそんなに差はないはず!
「じゃあ、これで・・・」
俺が選んだのは息子がよく歌っていた曲。
星空を眺める少年と、偶然に出会う少女の話。
住宅街の夜中の線路で毎日眺め、段々と惹かれ合うというストーリー。
つか、これアバターとかどうなんの?
古い曲までカバーされんのか??
壇上に立つと・・・俺が知っている曲が流れ始めた。
あ、夜の住宅街にいる。
踏切に立ってるじゃん。
俺の格好は・・・うん、そのまま! 何で!?
フリとか分からないので棒立ちで歌っていると、隣に歌詞の少女がやってきた。
満点の星空を見上げながら地べたに座っているので、俺も合わせて座ってみた。
流れ星を指したり、寒くて毛布でくるまったり。
歌ってるんだけど、自然とストーリーに合わせた行動がしたくなる。
ちなみに歌ってみて分かったけど、歌詞は俺にしか見えない。
PEみたいに偏光処理されたホログラムで、常に視界に入るよう表示されていた。
だからどんな姿勢をしていても歌詞が見える。素晴らしい。
そして何とか歌い終わると・・・。
皆が拍手してくれていた。
「すっごーい! カラオケ、本当に慣れてないの?」
「知らない歌だけど、じんわり来て良かったな」
「武さんの優しさが溢れてて素敵でした!」
「一緒に星空、見上げたくなったよ!」
うん。それっぽく振る舞えて良かったよ!
◇
2巡して皆が温まってきた頃。
橘先輩が皆の前に立った。
「さて! 若人の諸君! アバターカラオケは楽しいか!?」
「「おー!」」
ノリに合わせる御子柴君と花栗さん。
すっかりマブダチ感だ。
なんだかんだで橘先輩の人を巻き込む術はスゴい。
俺もこれでやられたからな。
良い意味で、なんだけど・・・状況が許せばなぁ。
「だがしかし! アバターカラオケの真髄はここからだぁ!」
「「おー!」」
何で司会をしてんだこの人。
あ、ホストだったっけ。
「という事で! 先ずはまたお手本を見せよう! 武君、こっち来て」
「? うん」
壇上にいる橘先輩の横へ行く。
先輩は設定画面でアレコレ操作している。
声色だとか、衣装指定だとか。
もう何でもありだなコレ、VRも真っ青。
設定が終わったのか、橘先輩は曲を入力した。
暗くなり音楽が流れ始める。
「え? 俺はどうすれば・・・」
「そこに立っててね!」
音楽が流れ出す。
アバターは・・・学園モノか?
先輩がセーラー服を着ている。
うちの学校はブレザーだから新鮮な感じだ。
あれ? 俺もアバターがある。
これは・・・学ランか。
なんか行儀悪く着崩してるぞ。番長かよ!?
「-----♪」
おお、学校のイベントが歌われるたびに、仮想クラスメイトがそれっぽく動き回ってる!
「私のすべてを伝えたのに あなたはいつも そっぽを向く♪」
橘先輩は俺の前で踊りながら、胸に手をあてて切なげに歌っている。
これはポップなラブソングかな?
ほー、と感心して聴いていたら。
ひょいっと橘先輩が俺の顔を覗き込む。
例の上目遣いだ。
気付けば校舎の屋上。
夕焼けに照らされてふたりきり。
え? これって?
「愛するあなたの視線を♪」
橘先輩が俺の腕を取って中央へ導く。
「声を 想いを♪」
くるりと俺を軸に一周して。
「1番を 私にちょうだい♪」
「うわぉ!?」
橘先輩が飛びついてきた!
首に手を回してぎゅうっと抱きしめてくる。
いやいやいや!!
皆、見てるからね!?
「だ、駄目ー!!」
九条さんが慌てて飛び出してきて、俺から橘先輩を引き剥がす。
同時に曲が終わってアバターが消えていく。
「あっはっは!! 大成功!!」
「香さん!」
「先輩、ひどいです!」
とりあえず形式的な抗議をする俺。
いや、役得なんて思ってないからね!?
「あっはっは! いやー、良い反応だよ、さくら!」
「むー・・・」
やられた、と悔し気な表情の九条さん。
「ほらほら、悔しがってないで! さくらの番だから!」
橘先輩が九条さんを壇上に押しやる。
「好きなラブソングを選んで。設定でパートナーって項目があるから、そこで相手を選ぶとその人にもアバターがつくんだよ」
「ええ・・・これですね」
「そうそう。さっきみたいに告白するのが、このアバターカラオケの流行りなんだよ!」
ああね、それを聞いて納得。
これは女子高生に流行りそうなやつだ。
「選ばれた人は拒否権なしで壇上へどうぞ!」
「では・・・武さん、こちらへ」
さっきの悔し気な表情は何処へやら。
満面の笑みで俺を招く九条さん。
まぁ・・・そうなるよね。
音楽が始まった。ポップな曲調。
似たような曲が多いのは橘先輩に影響されてんのかな?
俺のアバターは・・・何だこれ、剣を持ってるぞ。
服は冒険者ってやつか? 中世の旅衣装。
九条さんは軽鎧に弓を携えてる狩人みたい。
あれか、ファンタジーRPG的な曲なのか?
「いつも背中で守ってくれる 暖かいあなたの優しさ♪」
モンスターっぽい獣が襲いかかってくる。
九条さんは俺の背に背をつけて歌っている。
ノリで持っていた剣で斬ってみた。
すらっと豆腐みたいにモンスターが斬れる。まぁ、演出だから。
ひゅう! と御子柴君が囃し立てた。
「わたしの中で育んだ この想い あなたに伝えたい♪」
深い森の中、ぽっかりと空いた広場。
燦々と降り注ぐ陽光の中で九条さんはくるくると踊っていた。
彼女の銀髪がきらきらと舞う。
はちきれんばかりの笑顔が俺を釘付けにした。
「だからわたしは あなたの心を 射止めるの♪」
サビで盛り上がってきたところで、手に持った弓矢を構え。
ああ、こんなところで華麗な射法八節!
その矢を・・・俺に向けて放った!
ハート型の矢が飛んできたのはお愛嬌。
俺の胸に当たるとぱあっと花びらが視界一面に舞い散り花畑になった!
おおう、華麗な演出!
「あなたは わたしの すべてだから♪」
その派手な演出に目を奪われていると。
目の前に九条さんの顔があった。
え? 目を閉じて口を突き出して・・・
「はい! そこまでー!」
橘先輩が止めに入った。
「ええー! 先輩、ひどいです!」
「不意打ちはダメー!」
いや、橘先輩が言う!?
助かったけどさ。
「次! 俺やりたい!」
「あはは! 皆、ノリノリ~!」
やる気満々の御子柴君。
・・・で、指名される俺。
だよね、知ってた。
いや、皆、BL要素をワクテカで見ないで。
「-----♪」
おっと、気付けば始まっている。
アバターは・・・何だこりゃ、騎士?
御子柴君は王子様っぽい。
あの栗毛色の髪が白いゴテゴテの王子様衣装と合う。
いやあ、絵になるね! 端から観たかったよ!
「あの熱い残滓が また黄昏を染めて♪」
ところでこれ、どういうストーリー?
乙女ゲームっぽい感じか?
背景はお城の中庭っぽい。
貴族令嬢らしき人物もちらほら見える。
「この胸の熱を 燻らせ♪」
御子柴君が俺の隣に剣を携えて並び立つ。
ちらり、と此方を見る。
俺も何となくそちらを見る。
なんか視界のあちこちに薔薇っぽいものが出現し紅く染まる。
「お前を この手に 入れたい♪」
御子柴君が凝視してくる。
うん、その格好も潤んだ瞳も絵になるね。
顔を紅潮させてこっちに迫ってこなきゃな!!
「はい、ストーップ!!」
割り込みは橘先輩でした。
うん、お互いに牽制をよろしくお願いします。
「ああー!? 折角の・・・」
「抜け駆けは許されません!」
俺の意思は関係ないのね?
「次、私、やります!!」
熱が衰えることないうちに花栗さんが壇上に上がった。
ご指名は九条さん、下馬評どおり。
選んだ曲は・・・バラードだ。
ずっとアップテンポな感じだったからしっとり系が心に染みる。
ストーリーは現代社会。
迷っていた想い人に、割り込んできた別の想い人。
こういうのってアバターどうなるのかなって思ったら、大人コスプレになった。
九条さんが事務員みたいな社服。
花栗さんは、バリバリのキャリアウーマン的なスーツだった。
「交差する想いが ただ 竹細工のように絡み合い♪」
胸に手を当てて、辛そうな表情をする花栗さん。
「想い人と 想い人の 間を 蝶のように舞う♪」
歌詞に浮かぶ情景や、単語に出てくる物が、背景に浮かんだりホログラムで現れたり。
ちなみに九条さんはデスクワークしてました。地味!
「迷わない 迷いたくない どちらも 選べない♪」
ふっと両手を翳すと、オフィス内から満天の星空の下に移り変わった。
「だから 貴女にも 貴方にも 差し上げます♪」
胸に手を構えてから、前に突き出す動きでハートが飛んでいく。
九条さんと、俺のところに。
えええ!?
俺の方に飛んでいくハートに皆が釘付けになった。
俺もびっくり。
花栗さんはにこやかに、満足そうに歌い終えた。
想いを届けられたはずの九条さんも愕然としていた。
「え、ええ!? 若菜さん!?」
「さくらさん推しでは!?」
「え、えへへ・・・」
はにかんで誤魔化す? 花栗さん。
もはや言葉も浮かばない俺。
詰め寄る九条さんと御子柴君。
あーあ・・・どうすんのよ、橘先輩。火、つけちゃったんじゃない?
◇
「あっはっは! あー、楽しかったぁ!!」
「よくあんな歌えんな・・・」
結局、一番満足したのは橘先輩だった。
ひとりで何回歌ったんだ、この人。
皆が疲れた後も数曲歌ってたぞ。
しかもひとりずつ、ラブソングのパートナーに設定して弄っていた。
皆、飛びつかれたりしてたじたじになっていた。
あの後、さすがに俺だけをターゲットにするのはやめてと訴えた。
すると、橘先輩→九条さん、花栗さん→御子柴君といった組み合わせで歌ってくれた。
なんだかんだでお互いの気持ちを歌に代弁してもらって知ることが出来たのではなかろうか。
親睦を深めるという意味で大成功だったと言えるだろう。
「君たち! 今日の先輩のホスト、楽しんでもらえたかな?」
「はい、楽しかったです!」
「橘さんのノリ、格好良かった!」
「橘さん、また俺たちとも遊んでよ!」
うん、橘先輩との距離がいちばん縮まったね!
御子柴君と花栗さんのハートをがっちりキャッチしてます。
「うんうん、先輩も嬉しいぞ! 次回遊ぶなら、PEの登録しとく?」
「俺、お願いするよ」
「私も!」
迷わず御子柴君と花栗さんが橘先輩と連絡先交換を始めた。
ふたりとも、とても嬉しそうにしている。
正直、橘先輩のこのパワーは尊敬している。
コミュ力だけじゃない、人たらし的な何かがある。
その横顔を見ているだけで眩しい。
弓道部って縛りが無ければ、もっと別のかたちで輝いていたのかもしれない。
俺みたいな凡人が届く人じゃない、そんな気がした。
だからアプローチされている今の自分に・・・少しだけ気後れしていた。
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病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
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この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
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