夫婦

江上蒼羽

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幸せって……?

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喧嘩、した。


きっかけは何だったっけ?

思い出せないって事は……



きっと、どうでもいいような些細な事。



喧しく怒鳴り散らす旦那。

その声に驚いて泣き出す子供達。

子供達の泣き声に「うるさい!」と喚く義父。




耳を塞いで、全ての音を拒否したくなった。



一方的に責め立てられ、何も反論出来ない私は、ただ黙ってるだけ。

いや、少し

ほんの少しだけ、反論、してみた。


すると



「俺と居るの嫌なら、出てっていいよ」



冷たく言われた。


生温かい物が、頬を伝い

ポタリと、床へ落ちた。




晩ご飯の支度を途中で放棄して、2階へと逃げた。

電気もつけない

化粧も落とさない

何もかも放棄して

布団の中で、一人、啜り泣いた。





“離婚”




結婚して10年

何度、頭に浮かんだだろう…


その度に、泣いて、思い留まって


また泣いて



これ……あと、何年繰り返す?



こんな筈じゃなかった。

私の人生、こんな筈じゃなかった、のに…


どうして、こうなった?


旦那は前はもっと優しかったのに。

キツい物言いなんて、しなかったのに。



旦那を選んだのは、私。


この人と一緒になろう、この人を信じてついて行こう

この人と幸せになろう



そう決めたのは、私。



なのに、おかしい。



思っていたより、幸せじゃない。




家事、育児、仕事、学校行事に町内行事…

自分の事は全て後回し。

気が付けば、おしゃれ、しなくなってた。

流行りに、全然ついていけなくなってた。


いつも同じスニーカー。

たまにパンプス。



服、最後に買ったの、いつだっけ?

最後に美容院に行ったの、いつだっけ?



おかしいな…

幸せになれると思って結婚したのに。




おかしい、な…

もっと…

もっと、幸せにしてくれると思ってたのにな…





ふて寝して

朝になれば、また慌ただしい一日。


私の作った朝食を黙って食べ、出勤していく旦那。

いつも欠かさず言う



「いってらっしゃい」

「気を付けてね」



言わないのは、せめてもの反抗。




「いってきます」




言わないのは、旦那の意地。
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