前向き時々後ろ向き

江上蒼羽

文字の大きさ
4 / 74

間質性肺炎疑い

しおりを挟む


怖くなって、途中放棄した検索を再開した。

けれど、調べれば調べる程出てくるのは、知りたくない情報ばかり。


間質性肺炎にかかると肺が固くなる。

固くなった肺は、酸素を取り込む事が困難になり、どんどん呼吸が苦しくなっていく。

更に進行すると、自力で呼吸が出来なくなり、人口的に酸素を吸入しなければならないようで

最終的には呼吸不全で亡くなる……という経過を辿るらしい。

……頭が悪いなりに理解した内容はこんな感じ。


嘘だ嘘だと思いながら懸命に検索かけても、良い結果は出てこなくて。

どうにかなんない?治るんだよね?って祈るようにひたすら検索をしたにも拘わらず、見たくもない結果ばかりが連なる。

私が知りたいのは、間質性肺炎が完治したという前例や、必ず治るという有益な情報。

なのに、検索で間質性肺炎と打ち込むと出てくるのは


“間質性肺炎  余命”

“間質性肺炎  生存率”


そんな残酷なワードばかり。

どれだけ調べても、間質性肺炎が治ったという情報は見当たらない。


この人死んじゃうの?苦しい思いしながら死んじゃうの?
治療しても長く生きられないの?


考えたくないのに、最悪な事ばかりが脳裏に過る。

泣きたいのは旦那本人だろうに、携帯片手に涙が止まらなかった。

嗚咽が出る程泣いたのは久し振りで、涙の生温さがとてつもなく不快だった。

頭が痛くなるくらい泣いても、涙が途切れないから不思議。

どんどん出てくる。

体にどれだけの水分を蓄えてんだろう?って思った。


医師の診断は、間質性肺炎の可能性との事。

つまりは、決定的な診断が下された訳じゃない。

まだ疑いの段階で、もしかしたら違う病気なのかもしれない。

まだ決まった訳じゃないんだ、大丈夫だ……って涙ながらに無理矢理自分を納得させた。

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

痩せたがりの姫言(ひめごと)

エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。 姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。 だから「姫言」と書いてひめごと。 別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。 語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

処理中です...