前向き時々後ろ向き

江上蒼羽

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気管支鏡検査①

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鬱々とした気持ちのまま日にちが過ぎ、9月26日の木曜日になった。

この日、9時から病院の予約が入っていた。

気管支鏡検査をするそうだ。

私は午後から娘の学校行事に参加する為、事前に半休を取っていたのだけれど、旦那に付き添う為に1日休みにして貰った。

医師から直接病状の説明を聞きたかったのと、麻酔をする為、自分で車を運転しないでくれとの病院側からのお達しがあった為。

助手席に旦那を乗せ、私の運転で病院へと向かった。

車中、憂鬱なのか不安からなのかは分からないけれど、旦那の口数は少ない。   

それに気付いていながらも、無言が辛くて中身のないような話をしては、旦那から相槌を引き出した。


病院に着いて診察券を受付機に通したら、すぐ内科へと向かった。

待合室には既に大勢の患者が待っていて、お年寄りが多い印象。

端の方の椅子に腰掛け、順番を待った。

名前を呼ばれるまでに体温と血圧測定をする。

その後、小さなメモ用紙のような紙に身長と体重を記入した。

その日の血圧170/120とお高め。

毎日同じ物を食べている私は血圧が低いので、これは遺伝的要素が大きいと思う。

義父も血圧がかなり高く、4,5年前に一度脳卒中で倒れて入院した事があった。 

身長は177㎝の体重91㎏。

昔は最大で120㎏くらいあったそうだから、その頃より大分痩せた。

顔立ちも気持ちシャープになったし。

それから少し待つと、名前を呼ばれた。

旦那は私に荷物番を任せて看護師と共にどこかへと行ってしまった。

診察室とは違う方向。

ついて行きたい気持ちがあったものの、待っててと言われた手前待つしかなかった。

9時20分頃だったと思う。

それから時計を見ながら1時間程待っていると、遠くの方で病衣を着た旦那が車椅子で運ばれて行く光景が目に入った。

左腕には点滴が刺され、心なしかグッタリしていた。

そのまま奥の部屋へ運ばれ、2時間出て来なかった。

旦那の荷物を抱えながら時計とにらめっこしていた12時20分、私服姿の旦那が目の前を通過。

おいおい……と思いながら慌てて追い掛けると「あれ、場所移動してたの?」と、意外とあっけらかんとしていて。

いつの間に検査行って、いつの間に終わったんだ?と聞けば、名前を呼ばれてすぐに別室に行って、気管支鏡検査をしたのだと。

車椅子で運ばれる所を私が見た時には検査は終わっていて、2時間程麻酔が切れるのを待っていたそう。

どういう検査をしたのか聞いてみると……

まず喉に麻酔をするのに舌を引っ張られ、まっずい茶色の液を喉の奥にスプレーされた後、更によく分からない液を投入されたとか。

感覚が麻痺した頃に目隠しをされ、口から管を入れられたんだそう。

男性4人と端の方におばちゃん1人の計5人に囲まれて行われ、凄く嫌だった、最悪だった……と笑う旦那。

気管支鏡で肺の中を見て、肺の洗浄をしたらしい。

その際に肺の病巣の一部を採取し、検査にかけるそうだ。

10月10日に結果を教えてくれるという。

間質性肺炎でまず間違いないだろうとの事で、私の中のもしかしたら違うかも……という期待はあっさり覆された。

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