9 / 74
10月1日
しおりを挟む旦那が入院した日の夜、娘達は旦那の布団で、私はその隣に布団を敷いて、3人で手を繋いで眠りについた。
娘2人は、旦那が仕事で使っていたタオルやTシャツを布団代わりにしたり、胸に抱いて寝ていた。
そんな姿を見たら切なくて、余計に涙が出てきてしまう。
10月1日
朝はいつも旦那に合わせて5時に起床していた。
けど旦那はいないし、お弁当作りもないから早く起きる意味はないのに、何となく習慣で早起きしてしまった。
1人で食べる朝食は味気なくて寂しい。
何となく食が進まず、少し食べて残した。
仕事へ行き、職場の皆に前日の休みのお礼を言った。
パートさんの1人が旦那の病気についてパソコンで調べてくれたという。
彼女は勉強熱心な方で、日頃から疑問に感じた事などをネットで入念に調べているらしい。
スマホは苦手で、もっぱらパソコン専門だそう。
その彼女から
「難しい病気みたいだけど、医者の言う事をちゃんと聞いてしっかり治療受けて貰ってね」
と、励ましの言葉を頂戴した。
病気への理解もないのに「大丈夫、治るよ!」なんて、軽々しい無責任な励ましを受けるよりも、ずっと嬉しかった
職場の人達に旦那の具合どう?と気にかけて貰う度、申し訳ないなという気持ちとありがたい気持ちになったけど、現状を説明する際に無駄に明るく振る舞わないといけないのと、後半になるにつれて涙声になるのが自分としては凄く嫌だった。
旦那は相当暇だったのか、頻繁にLINEを送ってきた。
内容はたわいもない事ばかり。
付き合ってる頃の頻繁なメールのやり取りを思い出す。
昨日と同じく帰宅後すぐに夕飯の支度をし、洗濯物を片付けて次の日出すゴミを纏めた。
上の娘の帰宅を待ち、娘と3人で旦那の元へ向かった。
到着したのは18時35分。
面会は19時までなので、残りの25分が家族の時間。
旦那に1日の様子を聞くと、間質性肺炎の原因を見付ける為に、検査をいくつもしたらしい。
・造影剤を使用しての胸部、頭部CT検査→異常なし
・眼科受診→異常はないけれど、目の乾きが気になるから2週間後に再受診するよう言われた
・耳鼻咽喉科受診→唾液の分泌が少ないのが気になる
・肺活量検査
9月26日の検査結果から、皮膚筋炎、シェーグレン症候群の疑い有り。
検査検査で旦那はぐったり。
取り敢えずこの日は、間質性肺炎に結び付く要因に辿り付けなかったみたいだ。
面会を終え、エレベーター前で見送る旦那に手を降って別れた。
前日号泣した上の娘は、頑張って涙を堪えたらしい。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
痩せたがりの姫言(ひめごと)
エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。
姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。
だから「姫言」と書いてひめごと。
別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。
語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる