28 / 74
10月20日
しおりを挟む10月20日(日)
検査なし。
血圧、酸素数値異常なし。
この日は、下の娘の小学校の文化祭だった。
娘が一生懸命製作した図画作品の展覧と、一生懸命練習したリコーダーや歌の発表会が兼ねられている行事。
娘から「パプリカやるんだよ」と、事前に聞かされ、旦那が楽しみにしていた行事だった。
当初、入院は2週間の予定だった為、観に行けると思っていたのに、残念ながら観る事が出来ず……
旦那から、しっかり作品と発表をカメラに収めて来るよう命じられた。
上の娘は友達と観に行くと言い、義父とは口も利かない間柄なので、私一人で参加。
お昼は家族と一緒に食べる事になっていたので、売店で買った物を下の娘と二人で食べた。
周りは家族でワイワイ食事を楽しんでいる中、我が家は私と娘だけ。
娘が寂しくないように話題を見付けて、会話が途切れないように気を付けた。
それでもやっぱり、どこか侘しい時間だった。
午後からの発表会では、人前で発表する事が大の苦手な娘が精一杯頑張ってる姿や楽しそうにパプリカを踊る姿を観る事が出来た。
病室で私が撮った動画を観た旦那は、見てる側が恥ずかしくなる程デレてた。
そして、直接観たかったな……と、ポツリ。
来年は一緒に観に行けたらいいなと思う。
午前中、私の父と2番目の姉がお見舞いに来てくれたらしい。
普段無口な父が意外と喋ってくれたようで、会話に困らなくて良かったと旦那が胸を撫で下ろしていた。
また暇を見て顔を見に来ると言って帰ったそう。
遠いのにありがたい……と、旦那は私の父に感謝しつつ、自分の実の父親である義父が一度も顔を出さない事を憤っていた。
義父は、過去に病気をしてから私等夫婦に車の運転を禁じられている為、簡単には見舞いには来れない。
旦那は私に頼んで連れてきて貰えばいいと義父に言い、義父もそうすると言っていたらしいけれど、一向に頼んでくる気配はない。
人に頭を下げるのが出来ない人だから仕方がないのだろうが、一度も顔出さないのはいかがなものか。
まぁ、私自身も義父を受け付けないオーラを出しているのも悪いんだろうが。
午後からは、旦那の同僚二人がお見舞いに来てくれたという。
二人は旦那に痩せたね、と口々に言ったそう。
確かに大分小さくなった気がする。
何やかんやと二時間程3人で談話室に滞在していたらしい。
少し気疲れはしたけれど、人と話すのはやっぱり良いね……と、旦那が嬉しそうに語っていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる