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【6】
しおりを挟む咄嗟に咳払いで誤魔化す。
「ゴホッ………あーなるほど………変な……いやいや変わった名前ですねー」
すると、俺を囲んでいる先輩方が一斉に笑い出す。
「でしょー?そういう反応になるよね?!」
「私も最初聞いた時笑ったもん」
「マジウケる」
つられて俺も笑い出す。
「“まゆずみ”なんて変わった名字なのに、それに敢えて“まゆか”を重ねる親のセンス!」
「ま、本人も少し変わってんもんねー私らとノリが違うって言うか」
「オトナシ系?」
大声でディスる先輩方に女の怖さを感じる。
「で、その“まゆまゆ”って人はどの人ですか?百田センセーから課題出されて、その人を頼るように言われてて」
早いとこ話をつけたい。
文芸部に所属しているってくらいだから、大人しいド陰キャな地味人間だと予想している。
お願いという名の脅しで、そいつに代わりに課題をやらせようって目論みだ。
だって百田は困ったら黛を頼れって言ったんだし?
その通りに頼ろうって訳。
「まゆまゆは、どうせいつもの図書室じゃない?」
図書室と聞いても、マンガ以外の読書とは縁遠い俺にはピンと来ない。
「図書室なんてこの学校にあったんだ……」
「あはは、セージ君たらウケるし。ま、私らも行った事ないけど。確か西棟1階端っこだっけか」
現在地は東棟の3階。
図書室とは真逆の位置にいる。
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