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6分の1のサバイブ
夢の在処
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思いがけない返答。龍一は言葉が出なかった。正しくは、何を言えば良いのか、その疑問自体へのアンサーが浮かばなかった。目の前に映し出された男は白金龍也、龍一よりも前に吸血鬼と戦っていたという人物だ。
「そうとだけ言われても……、て顔だな。説明してやろう、龍一くん」
そう告げると、プロジェクターから映し出されたビジョンの龍也が、龍一のいる部屋の中心へと歩き出す。するとたちまち壁から、ビジョンだったはずの身体が出現し、1歩、2歩と3Dの実体となって龍一の前まで歩いてきた。
龍一はもう何が何だか分からなくなってきた。というか、今までなんですんなり順応しようとしてたんだ、この空間に。なんとなく何かが掴めそうだった龍一だったが、再びごちゃごちゃに思考が崩れ去っていく。
龍也はすぐ隣に座り込み、共に本棚を眺める。そうやって1拍置いた後、口を開いた。
「ここは夢の中だ、龍一くん」
夢の中。まだ何も分からない。
「お前は恐らく、吸血鬼に倒された。だからここにやってきたんだ」
龍一はぼんやりとさっきのことを思い出す。死後の世界かなとか思ったけど、そういえばなんでそんなこと思ったんだろう……。気づけばそんなことも口に出していた。
「俺は……。死んだのか?」
龍也は口角をニヤリとあげた。
「いや、死んではいない。死にそうになったらここに来させるように、プログラムしたんだ」
そう言って、ドローンを指先に止める。その光景を見て、龍一はさらに疑問を持つ。
「それは……、サテライト・メビウスじゃないのか?」
「ああ、これは俺の能力、サテライト・オリオンさ。なかなか似てるだろう、お前のとな」
その言葉を聞いて、初めて龍一は思い出した。そうだ、サテライト・メビウスはどこに行った。というか俺は、戦っていたはずなんだ。そして、何よりも。
「何故、この部屋に来たんだ、俺は……」
龍也は顎髭をチリチリと触った後、龍一を真っ直ぐ見据えて、答えた。
「俺は……、吸血鬼に負けた」
急に、龍也の瞳がキュッと真面目な輝きを放ったのを、龍一は感じた。
「この部屋は俺の夢だ、龍一くん。俺たちの子孫が幸福に暮らしていける世界を夢見た俺たちのな」
龍也は立ち上がり、窓の外を見つめる。虹がかかった綺麗な青空だった。
「そして、君がここに来たのも夢があるからだ。この部屋に君の夢へ繋がる何かがあるからこそ、ここに来たんだ。夢を持て、龍一くん。それがこの戦いを生き抜く、唯一の方法だ……」
途端、龍一の視界が眩しくホワイトアウトしていく。思わず目を瞑った。
目を開けると、先ほどの水中に戻っていた。龍一は大して何も分からないまま、この場所に戻ってきたのだった。今起こった出来事に何か意味があるのだろうかと、龍一は考えた。沈んでいく身体のように、思考もゆっくりと、1つの推定へと繋がっていく。
俺には、夢が、ある……。
心の底に押しとどめていたこの夢。夢の中で落とした1枚の紙切れに綴られていたのは、Dreamの中に挟んでいたあの紙切れに綴られていたのは、自作の小説の1ページだということを、思い出した。Dreamのような小説を書いてみたいと、たった1度だけ思ったことがある。諦めて匙を投げたあの1ページが、夢への続きなのだと、たった今、龍一は理解した。
瞬間、龍一にまたスイッチが入った。メビウスを掴む。ウィングを駆動させる。すると4枚のウィングが船のスクリューのように、龍一を池の水底へと誘っていく。その先は夢の在処か、それとも死後の世界への入口か。
「最後の賭けだぜ、テラス! これでお前を倒す!」
「そうとだけ言われても……、て顔だな。説明してやろう、龍一くん」
そう告げると、プロジェクターから映し出されたビジョンの龍也が、龍一のいる部屋の中心へと歩き出す。するとたちまち壁から、ビジョンだったはずの身体が出現し、1歩、2歩と3Dの実体となって龍一の前まで歩いてきた。
龍一はもう何が何だか分からなくなってきた。というか、今までなんですんなり順応しようとしてたんだ、この空間に。なんとなく何かが掴めそうだった龍一だったが、再びごちゃごちゃに思考が崩れ去っていく。
龍也はすぐ隣に座り込み、共に本棚を眺める。そうやって1拍置いた後、口を開いた。
「ここは夢の中だ、龍一くん」
夢の中。まだ何も分からない。
「お前は恐らく、吸血鬼に倒された。だからここにやってきたんだ」
龍一はぼんやりとさっきのことを思い出す。死後の世界かなとか思ったけど、そういえばなんでそんなこと思ったんだろう……。気づけばそんなことも口に出していた。
「俺は……。死んだのか?」
龍也は口角をニヤリとあげた。
「いや、死んではいない。死にそうになったらここに来させるように、プログラムしたんだ」
そう言って、ドローンを指先に止める。その光景を見て、龍一はさらに疑問を持つ。
「それは……、サテライト・メビウスじゃないのか?」
「ああ、これは俺の能力、サテライト・オリオンさ。なかなか似てるだろう、お前のとな」
その言葉を聞いて、初めて龍一は思い出した。そうだ、サテライト・メビウスはどこに行った。というか俺は、戦っていたはずなんだ。そして、何よりも。
「何故、この部屋に来たんだ、俺は……」
龍也は顎髭をチリチリと触った後、龍一を真っ直ぐ見据えて、答えた。
「俺は……、吸血鬼に負けた」
急に、龍也の瞳がキュッと真面目な輝きを放ったのを、龍一は感じた。
「この部屋は俺の夢だ、龍一くん。俺たちの子孫が幸福に暮らしていける世界を夢見た俺たちのな」
龍也は立ち上がり、窓の外を見つめる。虹がかかった綺麗な青空だった。
「そして、君がここに来たのも夢があるからだ。この部屋に君の夢へ繋がる何かがあるからこそ、ここに来たんだ。夢を持て、龍一くん。それがこの戦いを生き抜く、唯一の方法だ……」
途端、龍一の視界が眩しくホワイトアウトしていく。思わず目を瞑った。
目を開けると、先ほどの水中に戻っていた。龍一は大して何も分からないまま、この場所に戻ってきたのだった。今起こった出来事に何か意味があるのだろうかと、龍一は考えた。沈んでいく身体のように、思考もゆっくりと、1つの推定へと繋がっていく。
俺には、夢が、ある……。
心の底に押しとどめていたこの夢。夢の中で落とした1枚の紙切れに綴られていたのは、Dreamの中に挟んでいたあの紙切れに綴られていたのは、自作の小説の1ページだということを、思い出した。Dreamのような小説を書いてみたいと、たった1度だけ思ったことがある。諦めて匙を投げたあの1ページが、夢への続きなのだと、たった今、龍一は理解した。
瞬間、龍一にまたスイッチが入った。メビウスを掴む。ウィングを駆動させる。すると4枚のウィングが船のスクリューのように、龍一を池の水底へと誘っていく。その先は夢の在処か、それとも死後の世界への入口か。
「最後の賭けだぜ、テラス! これでお前を倒す!」
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