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BL大賞エントリー続編(1ヶ月限定)
101 両思いになった後は受けが拐われるのがベタでしょう。1
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その日のティアラの結婚式は一国の王女の結婚式としては質素で、けれど皆からの祝福に溢れた温かなものだった。
その式に、昔の婚約者である俺と前夫のアレンが出席しているカオスは他の出席者にはどうでもいい事のようだった。
「俺の方がいたたまれねぇわ。」
俺はモソモソと何処か優しい味のする食事を口に含みながら、遠くで幸せそうに微笑むティアラを眺めていた。
綺麗な綺麗なティアラ。1週間前から俺の特製エリクサーを毎日浴びるように飲んでいたティアラ。
その為に俺を1週間も前から呼んだのか……。
流石にアレンは呼ばれてなかったが、何故か付いてきて出席している。無理矢理捩じ込んだらしい。
そんなに前の嫁の花嫁姿が見たかったのか?その間、息子殿下が国を任されて絶対お前嫌われたぞ?骨肉の争いとかやめろよな。
「――気に入ったかい?それは、ティアラの手作りなんだ。どうしても君に食べさせたいと、お肌をあんなに気にしていたのに夜鍋をして作ったんだよ。」
ニコニコと相変わらず胡散臭い笑みで、今や国王となったハリーが近付いてきた。着いてすぐに挨拶は済ませたが、その時から思ってたけど全然髭が似合ってねぇ。
「まさか、ティアラの手作りを食べられるとは思っていなかった。長生きはするもんだな。」
俺はフォークと皿を置くとこちらを伺うように見ていたティアラに旨いと口パクをした。途端にティアラの顔が綻び、昔の少女だった頃のように笑顔になった。
「おいおい、旦那がいい顔しねぇぞ。」
俺はこそばゆい気持ちになりながら照れ隠しに呟いた。
「今度の彼は大丈夫だ。君達兄弟とは違うからね。」
静かな瞳で俺を見据えるハリーから俺は目を反らさなかった。
「ティアラを幸せにしなくて悪かった。アレンがした事も許される事だとは思っていない。全部、兄である俺の責任だ。」
大切な妹を幸せにしなかった俺達をハリーが許せる筈がないのは当たり前だ。俺はノコノコと出向いておきながら、謝罪という肝心な事をやっていなかった事に気付いた。
「もう、過ぎた事さ。今は幸せなんだからそれでいいじゃないか。正直、ティアラが出戻ってきた時は全面戦争だなんて息巻いた時もあったけれど、王妃とティアラに反対されたし……でも、本当に悪いと思っているなら、我が国に来ないかい?アレンの束縛はきついだろう?君はアレンに全く気がなかったじゃないか、もしかして無理矢理関係を強いられているんじゃないのかい?国をあげて保護したっていいんだ――」
「――黙れ。戦争を初めたいか?」
物騒な言葉と供に俺の前に大きな背中が現れる。
あれ?お前、結構離れた場所で婦女子にきゃあきゃあ言われて囲まれてたよな?今や大国の独身美形国王のアレンは婦女子の憧れの的だった。
「嫌だなぁ、冗談だよ。めでたい祝いの席だ。そんな怖い顔しないで、さぁ遠慮なく飲んでくれ、食べてくれ。本当に今日はめでたいな。」
ハリーは俺に詰め寄っていた時の獲物を追い詰めるような顔を改め、いつもの胡散臭いニコニコ笑顔になると、辺りの客人に声を張り上げ、その場を後にしようとした。しかし、俺は咄嗟にハリーの袖を掴む。
「ハリー、俺。兄弟だし、男同士だけど、ちゃんとアレンを愛してる。愛してるんだ。」
ハリーは俺の言葉に少し目を見張り、そして意地悪そうに微笑んだ。
「なんだ、つまらないな。アレンの片想いだったら色々と隙をつけると思ったのに。甥っ子の言う通り、君を手に入れるのは難しそうだ。」
そう言うとハリーは今度はさっさと行ってしまった。
その途端、中央から歓声があがる。
そこでは少女のように美しい花嫁と精悍で優しそうな花婿のまるで絵画のように美しい神聖なキスが行われていた。
俺が一瞬それに見とれていると腕を引かれ力強い腕に抱き込まれた。
驚いてその主を見ると獰猛な雄が俺を喰おうと口を開けた。
――ああ、喰われる。
中央で行われている清らかで神聖なキスとは違い、貪り喰われるようなキスをアレンから受ける。
「……愛してるとか、初めて言われた。」
えっ? ハズいな。そうだっけ? 顔に血がのぼり目が泳ぐ。
「……ライが悪い。」
アレンは腹のそこから静かに唸り声をあげると俺をマントで包み込み――拐った。
幸せに包まれた会場では二人の男が消えたことなど誰も気にしない――
――ただ、一人の女を除いては……
「……何て事。助けなければ。そうよ、この私があの人を助けてあげる。」
女の顔は嬉しそうに歪んでいた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
こんばんは。おはようございます。こんにちは。
……年2・3回と言っておいて、また更新してしまいました。申し訳ありません。
実はこの度、夢見る少女じゃいられない第8回BL大賞に参加させていただき、1ヶ月間、投稿を再開することにしました。
しかしハッピーエンドの先はもうライが拐われるしかないな。とベタに思った為、この後ライは他国に拐われてしまいます。さてさてどうなることでしょう?
1ヶ月間どうかよろしくお願いいたします。
その式に、昔の婚約者である俺と前夫のアレンが出席しているカオスは他の出席者にはどうでもいい事のようだった。
「俺の方がいたたまれねぇわ。」
俺はモソモソと何処か優しい味のする食事を口に含みながら、遠くで幸せそうに微笑むティアラを眺めていた。
綺麗な綺麗なティアラ。1週間前から俺の特製エリクサーを毎日浴びるように飲んでいたティアラ。
その為に俺を1週間も前から呼んだのか……。
流石にアレンは呼ばれてなかったが、何故か付いてきて出席している。無理矢理捩じ込んだらしい。
そんなに前の嫁の花嫁姿が見たかったのか?その間、息子殿下が国を任されて絶対お前嫌われたぞ?骨肉の争いとかやめろよな。
「――気に入ったかい?それは、ティアラの手作りなんだ。どうしても君に食べさせたいと、お肌をあんなに気にしていたのに夜鍋をして作ったんだよ。」
ニコニコと相変わらず胡散臭い笑みで、今や国王となったハリーが近付いてきた。着いてすぐに挨拶は済ませたが、その時から思ってたけど全然髭が似合ってねぇ。
「まさか、ティアラの手作りを食べられるとは思っていなかった。長生きはするもんだな。」
俺はフォークと皿を置くとこちらを伺うように見ていたティアラに旨いと口パクをした。途端にティアラの顔が綻び、昔の少女だった頃のように笑顔になった。
「おいおい、旦那がいい顔しねぇぞ。」
俺はこそばゆい気持ちになりながら照れ隠しに呟いた。
「今度の彼は大丈夫だ。君達兄弟とは違うからね。」
静かな瞳で俺を見据えるハリーから俺は目を反らさなかった。
「ティアラを幸せにしなくて悪かった。アレンがした事も許される事だとは思っていない。全部、兄である俺の責任だ。」
大切な妹を幸せにしなかった俺達をハリーが許せる筈がないのは当たり前だ。俺はノコノコと出向いておきながら、謝罪という肝心な事をやっていなかった事に気付いた。
「もう、過ぎた事さ。今は幸せなんだからそれでいいじゃないか。正直、ティアラが出戻ってきた時は全面戦争だなんて息巻いた時もあったけれど、王妃とティアラに反対されたし……でも、本当に悪いと思っているなら、我が国に来ないかい?アレンの束縛はきついだろう?君はアレンに全く気がなかったじゃないか、もしかして無理矢理関係を強いられているんじゃないのかい?国をあげて保護したっていいんだ――」
「――黙れ。戦争を初めたいか?」
物騒な言葉と供に俺の前に大きな背中が現れる。
あれ?お前、結構離れた場所で婦女子にきゃあきゃあ言われて囲まれてたよな?今や大国の独身美形国王のアレンは婦女子の憧れの的だった。
「嫌だなぁ、冗談だよ。めでたい祝いの席だ。そんな怖い顔しないで、さぁ遠慮なく飲んでくれ、食べてくれ。本当に今日はめでたいな。」
ハリーは俺に詰め寄っていた時の獲物を追い詰めるような顔を改め、いつもの胡散臭いニコニコ笑顔になると、辺りの客人に声を張り上げ、その場を後にしようとした。しかし、俺は咄嗟にハリーの袖を掴む。
「ハリー、俺。兄弟だし、男同士だけど、ちゃんとアレンを愛してる。愛してるんだ。」
ハリーは俺の言葉に少し目を見張り、そして意地悪そうに微笑んだ。
「なんだ、つまらないな。アレンの片想いだったら色々と隙をつけると思ったのに。甥っ子の言う通り、君を手に入れるのは難しそうだ。」
そう言うとハリーは今度はさっさと行ってしまった。
その途端、中央から歓声があがる。
そこでは少女のように美しい花嫁と精悍で優しそうな花婿のまるで絵画のように美しい神聖なキスが行われていた。
俺が一瞬それに見とれていると腕を引かれ力強い腕に抱き込まれた。
驚いてその主を見ると獰猛な雄が俺を喰おうと口を開けた。
――ああ、喰われる。
中央で行われている清らかで神聖なキスとは違い、貪り喰われるようなキスをアレンから受ける。
「……愛してるとか、初めて言われた。」
えっ? ハズいな。そうだっけ? 顔に血がのぼり目が泳ぐ。
「……ライが悪い。」
アレンは腹のそこから静かに唸り声をあげると俺をマントで包み込み――拐った。
幸せに包まれた会場では二人の男が消えたことなど誰も気にしない――
――ただ、一人の女を除いては……
「……何て事。助けなければ。そうよ、この私があの人を助けてあげる。」
女の顔は嬉しそうに歪んでいた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
こんばんは。おはようございます。こんにちは。
……年2・3回と言っておいて、また更新してしまいました。申し訳ありません。
実はこの度、夢見る少女じゃいられない第8回BL大賞に参加させていただき、1ヶ月間、投稿を再開することにしました。
しかしハッピーエンドの先はもうライが拐われるしかないな。とベタに思った為、この後ライは他国に拐われてしまいます。さてさてどうなることでしょう?
1ヶ月間どうかよろしくお願いいたします。
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