毒にも薬にもなりたくないっ

新堂茶美

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10.

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ご馳走を食べ、気持ちのいいお布団で眠り、使用人もまだ起きていない時間にスッキリと目覚めたスイレンは部屋から起きるとすぐに王子の様子を見に行った


部屋の前にいた騎士達はニールから事前に話を聞いていたためか、ジロジロとは見られたがすんなり入室できた

(……田舎娘がすみませんねぇ)



昨日と同じ状態で眠るミケラウスの胸元は穏やかに上下している
見えるところに出血も無いようだ
唇の血色は戻っているが、その前髪で顔色までは分からない


顔色を伺おうと、その前髪を恐る恐るそっと掌で寄せると、ハラリと簡単にその顔を現した

白磁の肌が睫毛の影を作り、鼻筋も通っている。美しい人形のようだ

(前髪で隠すのもったいないなぁ)


だが、その眉間には深い皺が出来ている

魘されているのか………睡眠時でもスイレンに触られるのが不快なのか……




両者の心の安寧の為にもその眉間に軽く魔力を通してみる

直後、ビリリッとした痛みが眉間に触れる指先を襲った




───バタンッ

扉が勢いよく開いた

と同時にコハクが飛び込んでくる
そしてジャンピング抱きつきをしてきた

外にいる騎士達は尻もちを着いた状態でこちらを見ている



慌てて片腕でコハクを抱きとめ、口元で人差し指を立てる

「コハク!  シィー!  シィーーーーッ!」


鋭い視線が刺さり顔を上げると、今にも抜刀しそうな騎士達と目が合いビビりつつも、人差し指を立てたままなのも忘れて、小さく声をかける


「ハハッ……すみません……この子は助手です……ハハハッ」

幸い、ミケラウスが起きることはなく、騎士達に切り殺されることも無かったが、扉は全開に開かれ、痛い視線を浴び続けた


ようやく落ち着いたのは、ニールが現れてからだった

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