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それは一瞬の出来事だった。
纏う瘴気の色を濃くしたペルシュがミケラウスの手を払い除け、抱き着いた。
ミケラウスがペルシュの肩に寄り掛かっている。
「もう……何もかもが、遅すぎる……」
青いリボンが風に吹かれて飛んでいく。
動かないミケラウスを不思議に思ったスイレンが急いで駆け寄り、ペルシュから引き剥がすとそのまま崩れ落ちていくミケラウス。腹部がじわりと赤に染まっている。
「だめよっ……しっかりしてっ」
ミケラウスを抱きしめるスイレンの身体が輝きだす。腹部から流れる血が腕を服を身体を真っ赤に染めているのに、その色すら霞んで見えるくらいに暖かな治癒の光。
ペルシュが「もう……遅い……ああ……報われる」とうわ言のように呟いているが、先程まで纏っていた瘴気が消えている。
その手に持ったナイフは真っ赤に染まっていた。スイレンがそれを視界に捉える。
「散れ」
スイレンが小さく呟いたかと思うとナイフを持つ手がペルシュの手首ごと、スッパリと切れ、消滅した。同時に手首の無くなった断面が輝く。少しの痛みも感じてこないペルシュは呆けたまま動かない。不意に首が引っ張られる感覚がして腕の中にいるミケラウスを見ると、着けていた青い魔法石のネックレスを掴んでいた。
「着けてくれたんだな。すまない。少し……借りる」
ミケラウスが魔法石を握りこむと、閃光が走り、辺りが一瞬昼間かと思うくらいに照らされた。
その瞬間、コハクがスイレンの腰を抱き、5メートルほど後ろに飛んでいた。
「せっかくじかんあげたのに。すぅのおしゃべりのほうが多かった」
「コハク! お願い! 離して!!」
「だめだよ。けがする。それにくさい」
「コハクッ!! お願いッ!! ミケラウスが死んじゃう!!」
「すぅ、あいさつしたらかえるっていっ
た」
「お願いよぅ……」
「あいつ、しぬきだよ」
「だめよっ!! 絶対だめっ」
「はぁ……すぅのばか」
コハクが腰に回した手を離すと急いでミケラウスの元へと駆け寄るスイレン。
「ミケラウスッ!!!」
スイレンの声にペルシュが我に返り、逃げ出そうとしていた。
スイレンが座り込んだまま左腕でミケラウスを抱き、右手の掌をペルシュへ向ける。
黄金色の光が溢れ出し、ペルシュの身体が重くなる。地面に押し付けられるようにして呻くペルシュを余所に、ミケラウスの腹部を確認すると出血は止まっている。
それなのに、顔面蒼白で気を失っているミケラウス。それに怪我をしたら、鱗が出てきて、回復するのではないのか。
「どういうこと……」
そのまま、魔力を流そうとするとコハクに止められる。
「すぅ、だめ。またビリビリなる。それにふれてるところもしびれてるでしょ」
「だって、もう……」
胸元の魔法石を握る。その色は無色透明。
「あいつについてたしょうき、ぜんぶもらって、とじこめてる。ふえつづけてたから……」
「それなら早く解かないと!!」
「だめ。こいつのちとまりょくがまざってるから……いきなりとけたらこのくに、こわれる。それにじかんもない」
「私の血をっ!」
「こいつはひとりで、きめたんだよ。すぅ、ひつよー?」
「やってみなきゃわからないじゃないっ……!!」
その後、戻るのが遅いと探していたニールが私達を見つけると血相を変え、大声で騎士を呼びペルシュを連行させる。
真っ赤に染まったミケラウスとスイレンも城内へと戻った。
纏う瘴気の色を濃くしたペルシュがミケラウスの手を払い除け、抱き着いた。
ミケラウスがペルシュの肩に寄り掛かっている。
「もう……何もかもが、遅すぎる……」
青いリボンが風に吹かれて飛んでいく。
動かないミケラウスを不思議に思ったスイレンが急いで駆け寄り、ペルシュから引き剥がすとそのまま崩れ落ちていくミケラウス。腹部がじわりと赤に染まっている。
「だめよっ……しっかりしてっ」
ミケラウスを抱きしめるスイレンの身体が輝きだす。腹部から流れる血が腕を服を身体を真っ赤に染めているのに、その色すら霞んで見えるくらいに暖かな治癒の光。
ペルシュが「もう……遅い……ああ……報われる」とうわ言のように呟いているが、先程まで纏っていた瘴気が消えている。
その手に持ったナイフは真っ赤に染まっていた。スイレンがそれを視界に捉える。
「散れ」
スイレンが小さく呟いたかと思うとナイフを持つ手がペルシュの手首ごと、スッパリと切れ、消滅した。同時に手首の無くなった断面が輝く。少しの痛みも感じてこないペルシュは呆けたまま動かない。不意に首が引っ張られる感覚がして腕の中にいるミケラウスを見ると、着けていた青い魔法石のネックレスを掴んでいた。
「着けてくれたんだな。すまない。少し……借りる」
ミケラウスが魔法石を握りこむと、閃光が走り、辺りが一瞬昼間かと思うくらいに照らされた。
その瞬間、コハクがスイレンの腰を抱き、5メートルほど後ろに飛んでいた。
「せっかくじかんあげたのに。すぅのおしゃべりのほうが多かった」
「コハク! お願い! 離して!!」
「だめだよ。けがする。それにくさい」
「コハクッ!! お願いッ!! ミケラウスが死んじゃう!!」
「すぅ、あいさつしたらかえるっていっ
た」
「お願いよぅ……」
「あいつ、しぬきだよ」
「だめよっ!! 絶対だめっ」
「はぁ……すぅのばか」
コハクが腰に回した手を離すと急いでミケラウスの元へと駆け寄るスイレン。
「ミケラウスッ!!!」
スイレンの声にペルシュが我に返り、逃げ出そうとしていた。
スイレンが座り込んだまま左腕でミケラウスを抱き、右手の掌をペルシュへ向ける。
黄金色の光が溢れ出し、ペルシュの身体が重くなる。地面に押し付けられるようにして呻くペルシュを余所に、ミケラウスの腹部を確認すると出血は止まっている。
それなのに、顔面蒼白で気を失っているミケラウス。それに怪我をしたら、鱗が出てきて、回復するのではないのか。
「どういうこと……」
そのまま、魔力を流そうとするとコハクに止められる。
「すぅ、だめ。またビリビリなる。それにふれてるところもしびれてるでしょ」
「だって、もう……」
胸元の魔法石を握る。その色は無色透明。
「あいつについてたしょうき、ぜんぶもらって、とじこめてる。ふえつづけてたから……」
「それなら早く解かないと!!」
「だめ。こいつのちとまりょくがまざってるから……いきなりとけたらこのくに、こわれる。それにじかんもない」
「私の血をっ!」
「こいつはひとりで、きめたんだよ。すぅ、ひつよー?」
「やってみなきゃわからないじゃないっ……!!」
その後、戻るのが遅いと探していたニールが私達を見つけると血相を変え、大声で騎士を呼びペルシュを連行させる。
真っ赤に染まったミケラウスとスイレンも城内へと戻った。
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