ガーディアンズ 宇宙最強の少女達

明日は五月雨

文字の大きさ
41 / 54

第四十話 戦闘後のスリカ視点③

しおりを挟む
 イヤリス大尉の頭をクロノ中佐が撫でた。
 ……羨ましい。

「ふわっ、な、なんで撫でるんですか!」

「可愛いから」

「きゃわっ!!」

 動揺するイヤリス大尉を、愛でながら撫でるクロノ中佐。心なしか嬉しそうだ。
 ……羨ましい。

「これからよろしく。イヤリス大尉」

「は、はい。よろしくです。クロノ中佐ぁ~」

 クロノ中佐の撫でる手つきが、ますます優しくなる。
 イヤリス大尉は「ふにゃっ~~」と心地よさそうな声を出した。
 ……羨ましい。
 すると、クロノ中佐は大佐に向かってとんでもない発言をする。

「シーナ大佐。イヤリス大尉を私にくれないか」

「ふにゃっ!?」

 何を言ってるんだ!?

「ダメだ!」

 大佐はハッキリと断った。当たり前だ!
 イヤリス大尉はホッと胸を撫で下ろしている。

「……そうか。残念だ」

 クロノ中佐はとても落ち込んでいた。
 ……ガーディアンズの先輩として、自分から頭を撫でて励ましてやろう、そうしよう!
 脳内で決めたらすぐ動く。
 この行動の早さこそ、少佐としての……。
 
 上を向いてすぐ諦めた。
 身長差があって満足に撫でられそうにない。
 ……コホン。この諦めの早さこそ、少佐としての実力なのだ。

「ああ、あの。く、クロノ中佐」
 
 すると、イヤリス大尉がもじもじしながらクロノ中佐に話しかける。

「驚きましたけど、き、気にしてません……よ。
 そ、それと可愛いって言ってくれたの。と、とても嬉しかった……です」

「イヤリス大尉」

 クロノ中佐の顔がぱぁぁっと明るくなり、イヤリス大尉にぎゅっと抱きつく。
 あわあわするイヤリス大尉をこれでもかとぎゅっとする!
 ……羨ましい。
 
「はぁ~幸せ~」

 クロノ中佐の表情がこれでもかと輝いている。
 その顔を見ていると、なんでだろう、心がざわざわする。
 ……自分を撫でた時は、そんな顔しなかったのに。

「おい、そろそろイヤリスから離れろ」

 大佐がクロノ中佐へと警告した。

「……」

 が、クロノ中佐は大佐の警告を無視して、イヤリス大尉の頭に顔を埋めていた。けしからん!
 大佐の表情はますます厳しくなっていく。
 これは非常にまずいぞ。

「命令だ。イヤリスから離れろ」

 殺気を出しながら大佐が命令した。
 その圧倒的な迫力に、自分の顔は青ざめ、体は震える。
 ガタガタ、怖い、怖いよぉ~……。

「……………………………………………………わかった」

 クロノ中佐が自分達の反応を見て、ようやくイヤリス大尉から離れてくれた。
 それにより、大佐の殺気が消えた。
 ほっ、よかった~。

「それでいい。これから余が話すからしっかり聞けよ」

「はっ!」

「……ああ」

「ひゃい!」

 ピシッと敬礼しながら返事を返す。
 もうあんな怖い思いはしたくないから、真剣にやった。
 大佐は真面目な表情で、クロノ中佐とイヤリス大尉を交互に見ながら喋り始めた。

「ではクロノ、イヤリス」

「なんだ」

「はっ、ひゃいっ!」

「これからお前達二人に、ガーディアンズの一隊員として、任務を与える!」

「任務?」

「ふわっ、私とクロノ中佐にですきゃっ!?」

「無論。お前達二人に、だ」

 そう言うと、大佐は机の引き出しからくるくる巻かれた一枚の紙を出した。

「クロノ。お前はガーディアンズに入隊したばかりで知らないだろうから、余が直々に教えてやる。
 ガーディアンズの任務。それは――」

「それは?」

 喋りながら、大佐が紙を広げた。
 
「――ポセイドンの討伐。つまり『』の討伐だ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...