叶わぬ願いと望まぬ結末

黒狼 リュイ

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第20章 魔王と勇者

扉の向こうの父親 3

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「貴方は…ガルフ、だったかしら?」

 知ってはいた。人間が魔界に来たと父上から聞いてはいた。しかし、人間を当時は恐怖の存在にしか見えなくて近付きたく無くて逃げてばかり居た。そんな人間をゼーラルは何故か崇拝するかの様に尊敬し大切にし側でいつも仕えていた。
 俺には謎でしょうがない。弱い人間は、魔族を悪と思い昔から戦争をして来ていたのだから怖くて仕方ない。
 父上は、この人間は大丈夫だと言うけれど俺にはどの人間も同じにしか見えないし思えない…

 だから、不用心だった。失敗した。

「ねぇ?大丈夫?私、間違えてしまったのかしら?あぁ、ごめんなさい…」

 人間はそう言いながら、何度も何度も話しかけてくる。謝りながらも何度も何度も聞いて来た。俺はもう無視出来ないと察した。

「…ごめんなさ」

「謝らなくていい。間違っていないから」

 俺は物凄いぶっきらぼうな言い方をした。自分でも分かるくらいに…
 しかし、人間は何も無かったように続けた。

「あってた‼︎本当!良かったわ…どうしようか不安だったの…」

(…笑った。)
 あれだけ何度も聞いて来た一方的な人間が、俺のぶっきらぼうな言い方で笑った…
 不思議と俺は嬉しく感じた。そんな事はあり得ない、馬鹿げているに違いない。そんな風に思う反面、嬉しかった。ただただ、嬉しかった…

 俺とラルフは、こうして出会った。
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