異世界転生しました。〜優し過ぎる彼と冷た過ぎる私〜

黒狼 リュイ

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第1章  現実世界の私

大学生ーー壊れた雪乃 後編

 森 真里(もり まり)、彼女は優しい性格。誰かの為になら大変でも突き進む性格。それでいてお人好し。
 富川 光(とみかわ ひかり)、彼女は笑顔が溢れて溢れそうになるくらい毎日明るい。こちらも明るくなるくらい。それでいて天然だ。
 彼女達は、私がどんな人なのか関係無く同じ目標を持つ者として共に勉強して試験を受けた人達だ。
 しかし、試験は一度でクリアにはならなかった。富川さんは二回目、森さんは三回目…そして私は受からなかった。
 二人は、私を応援してくれた。そんな明るく優しい彼女達が居るならまだ私は頑張れる。そう感じ四回目の挑戦を約束した。
 だが…決めた事を彼女達に伝えると態度が全く違う。

「霜原さん…無理しない方がいいよ!」

「霜原さんは、まだ他の仕事見つける時間があるんだよ?良いの?勿体無いよ。」

 二人は、持ち前の優しさと明るさを私に向けた。だが、それは私には優しさでも明るさでも無い。

 二人は自分達が受かった。それだけで他はどうでも良かった。そんな彼女達に気づいて居なかった訳でもない…ただ確信に触れたくなかったから無視していた…

『霜原さんは、向いてないんだよ!絶対また落ちるよ!』

『ありえるね、だって先生も言ってたしねー、入学した時から受かる訳ないってセンス無いってさー。』

 そんな事を雪乃が居ない時言っていた。雪乃を受かる訳が無いから勉強する時に利用してやろう。そんな事を殆ど毎度、言っていた。
 雪乃は、やっぱりか…と思った。

 雪乃に優しい人なんて居ない。
 雪乃を思う人なんて居ない。

 この日、最終電車に雪乃は乗った。
 誰も居ない場所に席に座って雪乃は独りきり。

 そんな雪乃が目を伏せ、両手で頬に触れた。冷たい何かが頬を這った。
 
(…涙…ようやく…泣けた…もぅ…いやだっ…)

「あっ、あぁぁぁぁぁーー!」

 雪乃は誰も居ない電車の中叫び泣いた。ただ独り誰にも届かない声を盛大に挙げ、涙を枯れるまで流した。
 雪乃が目を開けた時それは起きた。

 雪乃の世界は、現実、日本では無かった。
 深々と降る雪、凍える様な冷たい風、足元は氷で敷き詰められている。

ーー異世界だった…
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