31 / 42
第5章 異世界編 森の国
"ヨウ"という人物 3
「ユキ…?大丈夫?顔色が…」
ヨウはユキを心配して声を掛ける。それを何度繰り返してもユキは声すら出せない。ヨウは不安に思いユキの肩を抱き寄せユキはヨウの身体の暖かさを少しづつ感じ始める。
小さな焚き火がパチパチと音を重ね、ドクドクと規則正しいリズムの鼓動をユキに与えた。ユキは、ようやくゆっくり息を吸う事が出来た。
「ヨウ。…大丈夫。」
ヨウにユキは言う。だが、力すら感じられないユキの声に対しヨウは決してユキを離さない。離そうとしない。ユキはそんなヨウの自分より暑すぎる体温を受け入れていく。そうして心を落ち着かせようとした。
だが、いくら落ち着けと願っても変えられない物がある。
「ユキ、どんどん冷たくっ!?ユキ!!」
「大丈夫。ヨウ、私は大丈夫」
ユキの手も足も声も顔も身体全てから冷気が放たれる。それは、周りの木々も生き物も全てを凍らせる本来の"ユキ"の力。
ユキは、いたって冷静だ。
しかし、思っていた事実をこんな形でしかも目の前に彼が…
ヨウが"日野 太陽"。雪乃が憧れ尊敬し好意を持った男性…こんな形で出会うなんて。
なんて…滑稽だろうか。
ユキの心は、冷たい氷の様に変わっていく。ヨウの暖かさでは決して溶けない。冷静でいてとても脆い。
ユキは、事実に混乱したが同時にこうも簡単に受け入れてしまう自分に驚いていた。しかし、あるいは受け入れられてしまう自分になってしまったのかもしれない。
なにせ、雪乃は何処にも居ない。
居るのはユキだから。
ユキは、傍から離れないヨウに聞こえない様。ーー心で呟いた。
(貴方が彼なら私は…助けなきゃよかった…)
ユキは、冷たい表情で笑った。
ヨウはユキを心配して声を掛ける。それを何度繰り返してもユキは声すら出せない。ヨウは不安に思いユキの肩を抱き寄せユキはヨウの身体の暖かさを少しづつ感じ始める。
小さな焚き火がパチパチと音を重ね、ドクドクと規則正しいリズムの鼓動をユキに与えた。ユキは、ようやくゆっくり息を吸う事が出来た。
「ヨウ。…大丈夫。」
ヨウにユキは言う。だが、力すら感じられないユキの声に対しヨウは決してユキを離さない。離そうとしない。ユキはそんなヨウの自分より暑すぎる体温を受け入れていく。そうして心を落ち着かせようとした。
だが、いくら落ち着けと願っても変えられない物がある。
「ユキ、どんどん冷たくっ!?ユキ!!」
「大丈夫。ヨウ、私は大丈夫」
ユキの手も足も声も顔も身体全てから冷気が放たれる。それは、周りの木々も生き物も全てを凍らせる本来の"ユキ"の力。
ユキは、いたって冷静だ。
しかし、思っていた事実をこんな形でしかも目の前に彼が…
ヨウが"日野 太陽"。雪乃が憧れ尊敬し好意を持った男性…こんな形で出会うなんて。
なんて…滑稽だろうか。
ユキの心は、冷たい氷の様に変わっていく。ヨウの暖かさでは決して溶けない。冷静でいてとても脆い。
ユキは、事実に混乱したが同時にこうも簡単に受け入れてしまう自分に驚いていた。しかし、あるいは受け入れられてしまう自分になってしまったのかもしれない。
なにせ、雪乃は何処にも居ない。
居るのはユキだから。
ユキは、傍から離れないヨウに聞こえない様。ーー心で呟いた。
(貴方が彼なら私は…助けなきゃよかった…)
ユキは、冷たい表情で笑った。
あなたにおすすめの小説
英雄の番が名乗るまで
長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。
大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。
※小説家になろうにも投稿
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
乙女ゲームは見守るだけで良かったのに
冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した私。
ゲームにはほとんど出ないモブ。
でもモブだから、純粋に楽しめる。
リアルに推しを拝める喜びを噛みしめながら、目の前で繰り広げられている悪役令嬢の断罪劇を観客として見守っていたのに。
———どうして『彼』はこちらへ向かってくるの?!
全三話。
「小説家になろう」にも投稿しています。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?
水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。
私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。