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第7話
アリッサ家とディラスト
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バーネットは「これから話す事の事実を確かめたいの」と言い話し始めた。
「あのパーティーの夜、私のお父様は貴方のお父様を連れてある伯爵様のお部屋へ案内されたらしいの」
「伯爵?」
「えぇ。そこでお父様はお願いをなされたわ。領地を守る為に資産をかき集めていた私のお父様はとうとう経営が追いつかなくなり領地を譲らなくてはならなくなったらしいの。」
「経営?あぁなるほど。」
当時のアリッサ家は、屋敷の裏に山を持ちそこはとても貴重な宝石が取れた事で有名だった。と後から歴史書で読んだ。そして昔から取れた宝石を売り領地の為に資産を得て領地の為に使った事で有名な家系だ。勿論、バーネットの父も経営をしていたが、そうそう鉱山だからと宝石ばかりが取れる事は無かったらしい。その為荒れた領地を復活させる為には多額の資金が必要となり、バーン伯爵家へ資金を援助してもらえないかと度々伯爵家へ訪れていたらしい。
だが…
「そう何度も資金を援助してもらえなかったらしいのよ。だからお父様は当時から仲の良かった貴方のお父様に相談をしに行ったわ。」
「それでバーネットともよく遊んでいたのか…」
「そうよ、私はお父様に連れられ何度も貴方のお屋敷ロアー家へ遊びに行ったわ。そしてパーティーの日。」
「あの日に何があったの?」
バーネットは俯きながら呟いた。一言。
"ごめんなさい。"
上手く聞き取れなかったがそう言った様に聞こえた。何が?何がごめんなさい?なんでバーネットが悲しい顔するのよ?
そしてバーネットは続けた…
「貴方のお父様は、パーティーの夜私のお父様を助ける為にある約束をしたわ。アリッサ家の為に経営を資金を稼いでみせると。」
「父がそんな事を…」
「そして、バーン伯爵は言ったわ。"いつまでだ?"と…」
「貴方のお父様は答えた。"娘が二十歳になる日まで"と。」
「は…な…え?」
何故自分が引き合いに出された?やっぱり父はディラストは私を売る気だったんじゃないか!?やっぱりディラストは娘を道具としか思ってないじゃないか!!
レミーは怒りでおかしくなりそうだった。
奥歯を噛みしめ苛立ちを自分の中に押し留めようとした。その時バーネットは言った。泣きそうな顔をして彼女は苦しそうに…
「貴方を引き合いにしたのは私のお父様が原因だわ…だから…貴方のお父様を責めないで…私はこの話をお父様からようやく聞き出せたわ…だけれど貴方のお父様とはパーティーの夜以降会えていないの。」
「え?でもアイツはバーネットの家に」
「えぇ。だけれど会えていないわ。まるで会いたくなくて避けている様に感じたわ。だから、もう貴方のお父様を責めないで差し上げて…」
「いえ。今は無理です。決して許す訳にはいきません。」
「レミー…」
今更、理由があったと言われて"はいそうですか"となる訳がない。…許さない。何も言わず勝手に行動して勝手に私を売るような事をして…母さん達を悲しませて…許す訳にはいかない…
「全てを明らかにしましょう。バーネット」
「レミー…」
「その為にはハルーに、ハル・ト・バーンに会う事が今出来る事ですよね?なら会いに行きましょう。」
「えぇ、レミーお願いしますわ。私をハルー様に会わせて下さい。」
いつからバーネットと呼び捨てにしていたのだろう?気がつけばレミーは昔の様にバーネットと呼んでいた。バーネットの頼みだから聞く。そんなんじゃない…
聞かなくてはいけない事。会わないといけない人。やるべき事。
それが分かった、全ての真実が明らかになった時、私はもしかしたら許す事が出来るのかもしれない。父を自分を許す事が出来るのかもしれない。
だからこそレミーは動かなきゃと思った。知らないままではいられないのだと思いレミーはバーネットとハルを探す為一度レミーの家に行く事になった。
(きっといつもの様にハルはいる)
そう思い向かう事にした。
(ザティスの件はハルに会って全てを知ってからの方が言い出しやすいだろう。)
ザティスから受けたバーネットの状況確認等の情報はしばらく伝えるのは後回しにしようと決めたレミーだったが、家に着くと思いもよらない事が起きていた。
「あのパーティーの夜、私のお父様は貴方のお父様を連れてある伯爵様のお部屋へ案内されたらしいの」
「伯爵?」
「えぇ。そこでお父様はお願いをなされたわ。領地を守る為に資産をかき集めていた私のお父様はとうとう経営が追いつかなくなり領地を譲らなくてはならなくなったらしいの。」
「経営?あぁなるほど。」
当時のアリッサ家は、屋敷の裏に山を持ちそこはとても貴重な宝石が取れた事で有名だった。と後から歴史書で読んだ。そして昔から取れた宝石を売り領地の為に資産を得て領地の為に使った事で有名な家系だ。勿論、バーネットの父も経営をしていたが、そうそう鉱山だからと宝石ばかりが取れる事は無かったらしい。その為荒れた領地を復活させる為には多額の資金が必要となり、バーン伯爵家へ資金を援助してもらえないかと度々伯爵家へ訪れていたらしい。
だが…
「そう何度も資金を援助してもらえなかったらしいのよ。だからお父様は当時から仲の良かった貴方のお父様に相談をしに行ったわ。」
「それでバーネットともよく遊んでいたのか…」
「そうよ、私はお父様に連れられ何度も貴方のお屋敷ロアー家へ遊びに行ったわ。そしてパーティーの日。」
「あの日に何があったの?」
バーネットは俯きながら呟いた。一言。
"ごめんなさい。"
上手く聞き取れなかったがそう言った様に聞こえた。何が?何がごめんなさい?なんでバーネットが悲しい顔するのよ?
そしてバーネットは続けた…
「貴方のお父様は、パーティーの夜私のお父様を助ける為にある約束をしたわ。アリッサ家の為に経営を資金を稼いでみせると。」
「父がそんな事を…」
「そして、バーン伯爵は言ったわ。"いつまでだ?"と…」
「貴方のお父様は答えた。"娘が二十歳になる日まで"と。」
「は…な…え?」
何故自分が引き合いに出された?やっぱり父はディラストは私を売る気だったんじゃないか!?やっぱりディラストは娘を道具としか思ってないじゃないか!!
レミーは怒りでおかしくなりそうだった。
奥歯を噛みしめ苛立ちを自分の中に押し留めようとした。その時バーネットは言った。泣きそうな顔をして彼女は苦しそうに…
「貴方を引き合いにしたのは私のお父様が原因だわ…だから…貴方のお父様を責めないで…私はこの話をお父様からようやく聞き出せたわ…だけれど貴方のお父様とはパーティーの夜以降会えていないの。」
「え?でもアイツはバーネットの家に」
「えぇ。だけれど会えていないわ。まるで会いたくなくて避けている様に感じたわ。だから、もう貴方のお父様を責めないで差し上げて…」
「いえ。今は無理です。決して許す訳にはいきません。」
「レミー…」
今更、理由があったと言われて"はいそうですか"となる訳がない。…許さない。何も言わず勝手に行動して勝手に私を売るような事をして…母さん達を悲しませて…許す訳にはいかない…
「全てを明らかにしましょう。バーネット」
「レミー…」
「その為にはハルーに、ハル・ト・バーンに会う事が今出来る事ですよね?なら会いに行きましょう。」
「えぇ、レミーお願いしますわ。私をハルー様に会わせて下さい。」
いつからバーネットと呼び捨てにしていたのだろう?気がつけばレミーは昔の様にバーネットと呼んでいた。バーネットの頼みだから聞く。そんなんじゃない…
聞かなくてはいけない事。会わないといけない人。やるべき事。
それが分かった、全ての真実が明らかになった時、私はもしかしたら許す事が出来るのかもしれない。父を自分を許す事が出来るのかもしれない。
だからこそレミーは動かなきゃと思った。知らないままではいられないのだと思いレミーはバーネットとハルを探す為一度レミーの家に行く事になった。
(きっといつもの様にハルはいる)
そう思い向かう事にした。
(ザティスの件はハルに会って全てを知ってからの方が言い出しやすいだろう。)
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