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第8話
ロアー本屋 2
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バーネットと別れてしまった原因は、人混みの先にやはり存在していた。
「な、なに!?」
「なんてこと…」
バーネットと私の前にあるのは紙を一枚一枚頭上に放り揚げる三人の男女。所謂、昔の瓦版みたいな物だろう。それを風が近い人混みからより遠くの人へと飛ばしていく。ふと一枚手に取る。
"バーン家ハル・ト・バーンの弟。ザティス・ト・バーン。次期伯爵に決定か?!"
「え?どういう事!?」
「あー、ハル様の代わりに弟のザティス様がお成りになられるという話しですわね。」
「いや、でも…」
バーネットは動揺しているレミーを他所に当たり前の様に頷き、「今更かしら」と言いつつ呆れていた。
だが…
「だけど、ハルーは?だってハルーはあのハル・ト・バーンなんでしょ?ならハルが居るから…」
そうだ、ハルーはハル・ト・バーン伯爵の長男だ。血筋も年功から考えても彼が伯爵家当主になるに違いない。なのに、何故弟のザティスなのか?それにさっきまでハルーが居たならハルー自身も知っている筈だ。彼がなにを考えるのかも知りはしないが、それでもおかしな事に違いないはず。それなのに…
「あら?レミー、貴方凄いお顔よ?大丈夫かしら?すごく今にも怒りそうよ?」
「え?あ、いや…」
バーネットは、気遣うようにレミーの手を握り顔を下から覗きこむ。そして何度も大丈夫?と言う。本当にこのへんの行動も優しい言葉も昔とは変わらない。優しい人だ。ザティスが惚れるのも分かる気がした。
しかし、レミーの心はそれよりもなぜか怒りが湧き起こっていた。
その怒りはお茶が沸くようにふつふつと湧き上がりレミーはバーネットに手を握られている中自らの指先から爪先までまるで燃えたぎる様に熱くなっていた。
怒りは収まりはしない。ドンドン暑くなり胸の鼓動も早くなる。そんな怒りに頭も身体も一つになりかけた。その時だった…
「…なにを怒っているの?レミー」
母さんが人混みからレミーの目の前にやって来た。
「な、なに!?」
「なんてこと…」
バーネットと私の前にあるのは紙を一枚一枚頭上に放り揚げる三人の男女。所謂、昔の瓦版みたいな物だろう。それを風が近い人混みからより遠くの人へと飛ばしていく。ふと一枚手に取る。
"バーン家ハル・ト・バーンの弟。ザティス・ト・バーン。次期伯爵に決定か?!"
「え?どういう事!?」
「あー、ハル様の代わりに弟のザティス様がお成りになられるという話しですわね。」
「いや、でも…」
バーネットは動揺しているレミーを他所に当たり前の様に頷き、「今更かしら」と言いつつ呆れていた。
だが…
「だけど、ハルーは?だってハルーはあのハル・ト・バーンなんでしょ?ならハルが居るから…」
そうだ、ハルーはハル・ト・バーン伯爵の長男だ。血筋も年功から考えても彼が伯爵家当主になるに違いない。なのに、何故弟のザティスなのか?それにさっきまでハルーが居たならハルー自身も知っている筈だ。彼がなにを考えるのかも知りはしないが、それでもおかしな事に違いないはず。それなのに…
「あら?レミー、貴方凄いお顔よ?大丈夫かしら?すごく今にも怒りそうよ?」
「え?あ、いや…」
バーネットは、気遣うようにレミーの手を握り顔を下から覗きこむ。そして何度も大丈夫?と言う。本当にこのへんの行動も優しい言葉も昔とは変わらない。優しい人だ。ザティスが惚れるのも分かる気がした。
しかし、レミーの心はそれよりもなぜか怒りが湧き起こっていた。
その怒りはお茶が沸くようにふつふつと湧き上がりレミーはバーネットに手を握られている中自らの指先から爪先までまるで燃えたぎる様に熱くなっていた。
怒りは収まりはしない。ドンドン暑くなり胸の鼓動も早くなる。そんな怒りに頭も身体も一つになりかけた。その時だった…
「…なにを怒っているの?レミー」
母さんが人混みからレミーの目の前にやって来た。
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