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柊彩 藍

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姉心…それとも?

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 悪魔討伐から数週間後、モンスターの出現頻度がなくなったわけではないがだいぶ少なくなってきた。週に1~2回ぐらいだろう。そして、モンスターの強さ事態もそれほど苦戦するようなモンスターは出てこなくなった。ボスから、蒼太は今乗ってきているから、実践でたくさん経験を積んだ方がいいと玉木班が主にモンスター討伐メンバーとして出動していた。当然それのお陰で蒼太たちは人を助ける機会が増え、人から感謝されることも多くなった。政府がwriterSに関する情報に規制はかけているもののその噂は日本中に知れ渡ることになった。現在は、高浜市にWORLD of fairyがあるためその付近でモンスター被害が起きており。その他の地域ではいっさいモンスターによる被害が見られていなかった。玉木班は出動すればするほど主に蒼太だけで何とかするようになった。それは、蒼太だけが仕事をしていうというわけではなく、蒼太中心の戦い方になってきたということだ。これは、蒼太が成長したという証拠なのだが、もう一つの良くない証拠を浮き彫りにしてしまった。それは、紗希が弱くなってきているということだ。能力的には何も変わってはおらず戦闘能力だけでいえば、蒼太をも越える存在であるのは明らかなのだが紗希はこの頃戦闘の最中にボーッとどこかを見つめて隙をつくることが多くなっていたのだ。その事は、紗希も自覚はしていた。
 しばらくそのような状態が続くので紗希はたまたまwriterSの女子会(紗希:不思議の国のアリス、羽鳥南:四獣、池宮瑞希:ウンディーネ、古池志穂:エイル)をしたときに皆に相談した。
 「最近戦闘中にボーッとすることが多いんだけどみんなってそういうことある?」
 「あるよー。手術してるときとかに患者がちょうどいい筋肉してたらついつい見てしまうよ。見るどころか勝手に手が延びてるぐらいだし!」 
 「あんたは病的に変態だからでしょーが!」
 南は志穂を全力でチョップした。
 「わ…私は、人と目を合わせるのが得意じゃないので、常にキョロキョロします。」
 「あんたも人見知り過ぎんのよ!ねえ、紗希~それって何でボーッとしてんの?もしかして誰かを見てるとか?」
 「んー?特に意識はしてないけど…」
 「最近、紗希は蒼太をチラチラ見てるもんねー」
 南は冗談で言ってみた。
 「そ、そんなことないよー見てるとしても先輩として、姉として可愛い弟の事を見てるだけだって」
 そこで三人の目が変わった。紗希は蒼太の事を見ていたんだ、と。
 「そうか~、紗希は蒼太のことが好きなんだ~」
 「さ、紗希さん。あ、あの応援してます!」
 「私の筋肉にライバル出現か~」
 三人は紗希が蒼太のことが好きだというていで話を進める。
 「ちょっとまって皆!蒼太君は確かにカッコいいとこもあるし、実際任務中も人助けしてるとこ見て凄いなーって思うけどそんなんじゃないよ!?」
 「じゃあさ、紗希が蒼太に助けられたらどう思う?」
 南がふいに紗希に問う。
 「それは普通に嬉しいよ。それともっと頑張らなきゃって思うよ。」
 紗希は少しも照れずにそう言った。そこで三人は照れていない紗希を見て不思議に思う。
 このほかにも様々な話題で盛り上がった女子会は夕方頃に終了した。皆、店で別れてそれぞれの帰路に着いているときにそれぞれ違う場所で南と紗希は蒼太を見かけていた。まず先に見つけたのは南の方だった。ちょうど蒼太がスーパーから出てきていたところだ。蒼太は南に気付いて挨拶をし、そのまま帰っていった。そのときの蒼太の手には両方ともレジ袋を抱えていたのだが片方の色が明らかにおかしかった。その袋は赤一色であった。決してレジ袋が赤いわけではなく中に入っているおぞましい何かによってそう見えていた。南はそれが気になってしょうがなくなり、蒼太をつけることにした。蒼太は、後ろをつけている気配に気がついていた。南はこれでもかというほどオーラを発しながら尾行していたので例え蒼太でなくとも誰かがつけてきているという事ぐらいは気付いただろう。蒼太は、尾行している者を撒くため少し遠回りして帰ろうといつもとは違うルートで家に向かった。そのせいか、少し歩いたところで蒼太は優衣に遭遇した。そして、優衣は蒼太のレジ袋を見てこういった。
 「また、そんなの買って。健康に悪いぞ!」
 これは、蒼太からしたら友達からのいじりであり、優衣からしたら友達の変な食生活に対する注意であったが、南の目には違った風に見えていた。南は声が届く位置までは近づいていなかったためその光景は彼女とイチャつく蒼太の姿でしかなかった。南はこれを紗希に見せるのはいけないと携帯にてを伸ばした時、紗希はその場面に遭遇していた。ちょうど反対側から紗希が歩いてきていたのだ。紗希は蒼太を見かけて一瞬立ち止まった。紗希は蒼太に声だけをかけてその場を過ぎ去っていった。その時、紗希はよく分からない胸をチクリと刺されるような違和感を感じていた。
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