writerS

柊彩 藍

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モンスターの発生元

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 ある日ボスにwriterSの全員が呼び出された。ボスの部屋に行くと修さんとボスが険しい顔でたたずんでいた。
 「今からwriterSはモンスター討伐の任務を破棄する。全て防衛省のやつらに任せることにした。」
 ボスは驚くべきことを口にした。
 「なぜですか!私たちが戦わないと人手が圧倒的に足りません!」
 紗希は、反論した。それももっともだ。なぜなら、本来モンスター討伐の任務はwriterSが主として行いそれのサポートを防衛省の方々が行っているのだから人が足りるはずがない。何よりwriterSの本と防衛省の本とでは、1つの強さが明らかに違うのだ。
 「玉木さん、それはその通りなのですが僕たちには別の任務をしなければならなくなったのです。それについて詳しくはホームズに聞いてください。」
 修さんは、ホームズを憑依させる。
 「よし、お前らの聞きたいことは何だとりあえず1つ質問しろ。俺も何から教えたらいいのかわかんねぇからな」
 ホームズは軽快に喋り出した。
 「なぜ、モンスター討伐の任務を破棄するのですか」
 紗希は真っ先に質問する。やはりあの決定には納得がいっていないみたいだ。
 「おい、あんたそんな言い方したのか。それは、まだ先の話だろ。まあいいや。モンスター討伐の任務は今はまだ継続してくれ。後に破棄する。」
 ホームズはボスに呆れたのち、正しい順序を示した。
 「そのタイミングは?」
 大柴はすかさず言葉を挟む。
 「それは、ちょっと順序がとぶな。その前に俺から1つお前らに質問だ。今までのモンスターは一体どこから発生していると思う?」
 ホームズが提示した質問は、writerSの人々を困らせた。普通に考えればWORLD of fairyから出てきていると考える。しかし、WORLD of fairyはすでに閉鎖されており、その回りを常に防衛省の人々が24時間体制で監視しておりそこからモンスターが出てきたという報告がいっさいなかったからだ。考えられるとすれば、防衛省の中に裏切り者がいて、モンスターを外に逃がしている。もしくは、モンスターの中に空間転移が使えるモンスターがいてランダムで転移させているかということ。この2つだが、どちらも考えにくかった。防衛省に裏切り者がいるというのであれば、とっくにあぶり出されているであろうという信頼があったからだ。見回りをする人と時間帯は必ず決まっているためモンスターの出現時間がかなり限られてくるはずなのだが、モンスターの今までの出現時間は実際バラバラである。そして2つ目に関しては、WORLD of fairyのもととなった本にそのようなモンスターの記述はなかったからだ。その2つの可能性とその可能性が低いと考えられる理由を、ホームズに伝えると、ホームズは声をあげて笑った。
 「まず、1つお前らの推理は、完璧ではない。防衛省に裏切り者がいる可能性、それを考えるに至ったのは素晴らしい物事を批判的に見る観察眼が育っている証拠だ。だが、なぜ裏切り者が一人だと決めつけた。お前らがこれの可能性が低いと考える理由は裏切り者が一人だった場合だ。複数いればそんなもの何の役にも立たない条件だ。それに2つ目の可能性。そんなもの誰かが書き足していたとしたらその可能性は十分にあり得る。」
 ホームズの言葉に驚きながらも納得をしているとホームズは続けた。
 「お前らがそんなんだとこの事態の解決には当たれない。もっと多方向から物事を考える力を身に付けろ。それは、まあ追々身につけてもらうとして。実は俺もそれらの可能性を考えた。だからボスに頼んでWORLD of fairy及び防衛省捜査に乗り込んだ。」
 ホームズはその時の出来事を全て語った。それで分かった事実は
 まず、WORLD of fairyの本に文字などが書き加えられているや、魔術的な介入があったなどの変化は見られないということ。WORLD of fairyの装置は何者かによって壊されておりそこからモンスターが出ているとは考えづらいということ。あとは、探偵の勘で防衛省に裏切り者がいる可能性は低いらしい。それは、ホームズがじきじきに全ての職員と会話して感じた事だそうだ。そして、ホームズは新たな可能性が浮かび上がったと指摘した。
 「何者かがあの装置の複製を作ることに成功したのではないかと考える。それなら、あの装置が壊されていた理由が成り立つ。そこで、これからは任務に1つ新たな任務をつけたい。モンスター発生時そのときの状況を全てまとめて俺のところにもってこい。その情報から俺が黒幕を炙り出す。」
 こうして新たな方針のもとwriterSは再始動した。
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