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柊彩 藍

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入隊試験

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 煌輔は防衛省の魔法生物特別対策科本部にきていた。理由は言うまでもなく入隊試験をしに来たのである。煌輔は、入隊試験募集のチラシを家に持って帰ったあと、片時も悩むことなく応募の意志を固めた。蒼太のことや、優衣のことが足枷にならなかったわけではないがそれをもふりきるほどに煌輔の意志が強かった。チラシに書いてある募集開始日時の当日に防衛省に連絡をいれ応募した。試験は、募集期間終了後の2日後だということと試験会場が防衛省魔法生物特別対策科本部であるということだけを知らされ、試験内容には触れないまま電話を終了した。電話のなかで試験内容について質問をしていたがそれに対しては答えることができないと一言で返事が帰ってきた。煌輔はもともと運動神経もよく、体力にも自身があり、基礎的な身体能力を底上げする魔法を得意としていた。しかし、煌輔はさらにこれらに磨きをかけるため募集期間と試験までの2日間を使い必死でトレーニングに励んだ。煌輔のトレーニングに優衣は急にどうしたのと煌輔に問う。煌輔は、最近トレーニングにはまったなどと分かりやすい嘘をつき、再びトレーニングに戻った。その間も蒼太は学校にも行かなかったので、優衣はそちらの方をかなり気にかけていた。蒼太はここ一週間ほどの間連絡を全て絶っており、学校にも行かなかった。優衣は何度も蒼太の携帯に電話をしたが反応するはずもなかった。
 一週間ほど前、蒼太が手紙をおいてwriterSに戻ってきたところ皆の仕事が片付いたからか残っているのはボスと志穂、それに紗希だけだった。蒼太は、このタイミングを利用し、ボスに、事情を説明ししばらくここにすむことの許可をもらった。ボスは、ここに居座るのは好きにすればいいがその原因についてはあまりいい顔はしなかった。しかし、ボスはそれが悪いというわけでもなく悔いが残らない選択を常に選び続けろと言った。蒼太は冷静に考えて今のまま何かが起こったら、煌輔の身に何かがあったら自分に悔いは残らないと言えるのか、手紙に記した煌輔へのメッセージと共にそんなことを頭のなかでぐるぐるかきみだしながら建物内にあるシャワー室へと向かった。蒼太がシャワー室の扉を開けるとそこには、一糸纏わぬ紗希の姿があった。蒼太は、急な出来事で何が起こったのか訳も分からずその姿から目をそらす事を遅らせた。もしかしたら本能的に紗希のあられもない姿から目をそらす事を許さなかったのかもしれない。理由はともかく、蒼太は紗希の裸を見てしまったのだ。紗希は、急遽本を自分のもとへ呼び出しハンマーを出して蒼太を記憶ごと消し去ろうとした。蒼太は、気を失ってその場で倒れた。しかし、その裸の状態で倒れた蒼太を紗希が運べる筈もなくましてや見ることも出来ずに、たまたまシャワー室の前を通った。志穂に助けを呼んだ。少し志穂は怪しい動きをしていたが紗希に助けを請われ喜びながら蒼太を運び出した。蒼太は、志穂の手術台の上で目が覚めた。蒼太は、この状況を見て志穂に色々されていると勘違いをしてその場から逃げ出した。服は、志穂がニヤニヤしながら蒼太に着せていたため、決して蒼太が全裸で廊下を走っていったわけではない。蒼太は、一階の自販でコーヒーを買いそのコーヒーを持って屋上に出た。しばらく落ち着きながらボーッとしていると、紗希が屋上にやって来た。紗希は蒼太を見つけて下を向きながら蒼太のもとに歩いてきた。
 「その何があったか覚えてる?」
 蒼太はこれを聞いてはじめは何をいっているのかさっぱりだったのだが、暗闇のなかで手をモジモジさせながら赤面させている紗希を見て記憶が甦ってきた。
 「何も見てないです…(本当はバッチリ視認しています。)」
 蒼太は、思わずこう言ったがやってしまったことに気がつく。見てないですってほとんどあのこと覚えてますって言っちゃってるじゃないかと。紗希は無言で腕を震わせながらワンダーランドを発動させハンマーを4つほど産み出した。蒼太は、急いで謝罪しああなってしまった経緯を話した。紗希は、わざとじゃないならとしぶしぶ許してくれた。
 「考え事ってどんなこと?好きな子でも出来た?」
 紗希は、からかうつもりで言ったが、自分はなんて事を聞いているんだと焦り慌てて蒼太に違うからねと連呼した。蒼太は何が違うのかは理解できなかったため考え事について打ち明けることにした。蒼太が話そうとすると紗希が言わなくていいと妨害をしてきたが最終的にはやっぱり聞くと蒼太に言って、蒼太から事のいきさつを聞いた。紗希は、ホッとしながら蒼太に後ろから抱きついた。
 「色々辛かったね。その子はやっぱり似ているんだと思うよ。蒼太君と。それにその子も蒼太君も考えていることは結局お互いのためじゃない、だったら秘密を隠してる蒼太君が認めてあげてもいいんじゃないかな。その子が危なくなったら蒼太君は助けることだって出来るんだから。それにもし防衛省に入れたとしたら一条さんみたいな人もいるんだし安心してもいいと思うよ。もし心配だったらお姉ちゃんがなんとかしてあげるから」
 蒼太は、紗希の腕に包まれ安心しながら寝てしまった。紗希は、寝てしまった蒼太を見て慌てながらワンダーランドを使ってソファまで運んだが自分のさっきの行為を思い出して、恥ずかしさで倒れそうになっていた。
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