writerS

柊彩 藍

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入隊試験終了

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 一条は、あることを蒼太へ持ちかけた。
 「俺が、本部長に言ったら不合格にできるかもしれない。本当の事をいえばあんな人材縛ってでも手にいれたいところだが蒼太の頼みなら頑張ってみる。その代わり1つ貸しにしといてくれよ。」
 蒼太は、近くの椅子に座って考えた。その様子だとかなり葛藤していたのだろう。少し座って考えたあと蒼太は立ち上がり部屋を出た。
 「すみません少し外します。」
 「じゃあ私も…」
 部屋を去っていく蒼太を追いかけようとした紗希の肩を一条が引き留めた。
 「少し一人にさせた方がいい。少し俺も意地悪な提案をしてしまったからな。ただ、蒼太が自分自身がどうしたいのかを分かっていないのなら究極の二択を与えたら自分の考えも定まってくるだろう。この問題に関しては蒼太の問題だ。あの子を止めさせるのか、見守るのか。また違った方法をとるのかそれは、蒼太が決めれば俺はそれを全力で手伝う気持ちでいる。」
 一条は、蒼太の考えを堂々と受け止める姿勢を見せた。
 「でも、さっき縛ってでも手にいれたいところだっていってたじゃないですか。もし不合格にしてほしいと蒼太君が言ったら素直にそれができますか?」
 紗希は、もちろん蒼太の味方でいるつもりでいた。だからこそ一条の立場をしっかりと理解しておきたかったのだ。
 「出来る!もちろんあの子には来てほしい気持ちが無いわけではないが、もし蒼太の気持ちに反してあの子をいれたところで、蒼太が現場で集中出来ないなんて事になったらそれこそ意味がないからな。それに、そんな理由じゃなくても友として蒼太の気持ちを尊重したい。」
 その頃、蒼太は煌輔が能力試験を行っている会場まで足を運んだ。そこで煌輔の事をじっくりと見た。そのまま30分ほどが過ぎた頃、蒼太はそこを離れモニタールームへと向かった。蒼太の中で気持ちは固まったようだ。
 紗希がそわそわと落ち着かない様子で部屋をうろうろして、一条はモニターを見てその他の候補生の様子を見ていた。
 「一条さん話があります少し来てもらえますか?」
 「決まったのか…分かった」
 一条は、本部長室へ向かおうとした。それに気付いた蒼太は慌てて止める。
 「そういうことじゃないです!」
 一条は、てっきり不合格にしてほしいということだと思っていた。だが実際は違ったようだ。
 「煌輔の事頼みます。結構めんどくさいやつだとは思いますが、助けながら生きる術を教えてやって下さい。」
 それを聞いた一条は大声で笑った。その笑い声は試験会場まで微かに聞こえていたという。
 「蒼太は、あの子のおかんか!蒼太だってまだ未熟なとこあるだろ。それに俺だってそこまで出来た人間じゃねぇ。」
 蒼太は、少しムッとした。
 「でも、友達に言われた事はやってやりたいよな。やっぱり頼られるのは悪くないからな。まあ、心配しなくても強くなると思うよ。」
 「あ、あと僕がwriterSにいることは内緒にしといてください。」
 一条は、親指を立てて分かったといった。
 
 蒼太と紗希が帰ったあと試験の結果が発表された。結果は変わらず煌輔のダントツ一位。煌輔には直接部隊に入るよう指示された。これは、煌輔の実力がその程度まで達していると見なされたこともあるが一条から頼まれたことだと本部長は告げた。煌輔は、その日のうちに部隊の人に挨拶をして回った。
 「赤松煌輔です!よろしくお願いします!」
 煌輔は、順番に一人づつ回り最後に一条のもとへとやって来た。
 「よろしく。俺は一条裕也だ。よろしくな。」
 一条は煌輔と握手をして帰ろうとしていた。その一条を呼び止めて煌輔は頼み事をした。
 「一条先輩!一条先輩がこの中で一番強いって聞きました。俺を一人で戦えるくらいまで育ててください!」
 煌輔は真っ直ぐに素直な気持ちを一条にぶつけた。一条は、煌輔と蒼太の事を考えいい関係だなと思った。
 「戦闘能力ってのは人に教えられて伸びるものじゃない。だから俺が何かを教えるという訳じゃないが毎日何回か剣で相手してやる。俺との模擬戦のなかで知りたいことがあったら俺に聞いてもいいけど俺から能動的に教えるようなことはしない。だから強くなる方法を自分で考えろ。そのために俺よりも適任なやつがいたら俺との模擬戦なんて忘れてそいつのところに行け。それがお前のためになる。」
 一条は、蒼太から頼まれてなくても煌輔から来たんだなと思いながら返事をした。
 「ありがとうございます!」
 煌輔は気持ちのいい挨拶で感謝の気持ちを伝えた。そして一条は去り際に煌輔に対して一言呟いてから去っていった。
 「いい友達を持ったな」
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