writerS

柊彩 藍

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初めての手がかり

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 入隊試験見届けた蒼太と紗希は一度writerSに戻った。しかし、戻るとオフィスのところには誰もいなかった。みんながどこにいるか探そうとしておると慶斗が二人を呼びに来た。二人は、修の部屋につれてこられた。そこにwriterSのほとんどの人が揃っていた。いなかったのは修と志穂だ。ボスは、かなり深刻な面持ちで椅子に座っていた。
 「帰ったか二人とも。今、修から新たな情報が入った。」
 さっきまで煌輔の事しか考えていなかった、蒼太に緊張感を与える一言だった。完全に忘れていた訳ではないがほとんど覚えてもいなかった。
 「とりあえずこれを見てくれ。」
 ボスのパソコンに売っていたのは破壊されてない時のWORLD of fairyの映像だった。しかし、その5分後にキメラが出てきた。これはあの事件当時の映像なんだろう。続いて、普段の町の映像。これもまた5分後にロック鳥が出現した。そしてそのままモンスターが出る5分ほど前からモンスターが出現した直後までの映像を十数本見た。蒼太は、その映像を見て何か違和感を感じた。
 「蒼太お前は気付いたか?全ての映像に黒いマントの人間が写っている。恐らくそいつがこれまでのモンスターの元凶だ。しかし、一人ではこれだけの事は出来ないだろう。修と話した結果これは組織的なものだろうと判断した。」
 蒼太は、答えを教えられたはずなのにどこか腑に落ちないところがあった。
 「あの……修君は?」
 紗希が今ここにいない修について問う。
 「あいつは警察にパイプがあってそこからこの監視カメラの映像を送ってきてくれた。それに帰り道に偶然怪しい黒いマントを見つけたらしく尾行している。情報が入り次第俺たちもすぐに動けるようにしとけ。」
 全員が気を引き締めて出動の準備を始めるなか蒼太はボスのもとへ近づいていった。
 「ボスもし出動することになっても僕はとりあえずいきません。」
 「なぜだ。」
 「この監視カメラの映像に物凄く違和感を感じたんです。むしろ黒いマントの人間の方が気づかなかったほどに。」
 「分かったけど気がすんだら。必ず来いよ。」
 蒼太は黙って頷き、パソコンとにらみ合わせた。何度も何度も同じ映像を見返した。少し休憩しようと自販機に向かうため立ち上がると誰もいなかった。外に出て手伝いに行ったのか、何か動きがあったのだろう。自販機でコーヒーを買いパソコンの前に座り缶コーヒーを開けながら映像を再生すると違和感の正体に気付くことが出来た。その正体とは、なぜかモンスターが出現する前に人々は慌てて逃げているということ。それは、どの監視カメラの映像でも同じだった。そのため今まで人的被害が目立っていなかったと考えられる。しかし、ここで1つ問題が浮かび上がった。なぜ人々は、モンスターの襲来にいち早く気付くことが出来たのか、ということだ。どの監視カメラの映像を見ても人が人避けの結界によって追い出されているような感じではなく、確実に逃走本能、意志、恐怖の感情を持って逃げているようだった。本来人避けの結界にかかったもの達は表情がなくなりその場所を離れていく。さらにその間の記憶は物凄く曖昧に改竄される。そうでないことは、見れば分かった。だからこそ不思議だったまだ現れてもいない恐怖を察知して動くことなんてできるのかと。その事について考えながらもう一度監視カメラの映像を確認すると一人の男性に目が止まった。その男性はどの場所どの時間においてもモンスターが出現する場所に現れていた。同時に発生したときには片方の現場にしかいなかったが、もう片方の方にもその男性と同じ行動をとっていたのだ。その男性は、モンスターが出現する直前に大声で何か叫んでいた。何を叫んでいたのか監視カメラの映像では分からなかったがおおよそ予測はついた。なぜなら、その男性が叫んだと同時に人々が逃げ出したからだ。恐らく、モンスターに関する何かを伝えたのだろう。だとするとこれまでの被害の少なさにも納得がいく。しかし、これではまだ問題が解決したとは言えない、むしろ不安要素を増やしてしまったとも言える。ここまでに至ったことで人々がモンスター出現前に行動することが出来た理由は説明することが出来た。だが、それを伝えた男性はなぜモンスターの出現に気づけたのか。いや、もしかしたら知っていたのかもしれない。彼らは、モンスターを出現させたやつの仲間であらかじめこの事を知っていた。そして、それを伝えた。伝えた理由は2つ思い付いたものがあった。仲間割れによる妨害、もしくはそれまでが作戦のうち。細かく分ければもう少し出てくるかもしれないが大まかに分けるとこんなものだろう。それをみんなに伝えるためにボスに電話をかけようとしたところでみんなが帰って来た。どうやら逃げられたらしい。蒼太は、ここまでの考察をみんなに話した。
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