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大規模襲撃
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「さてそろそろこっちも動くとするか」
男はそういって一つの画面を眺める。そして、そこには尾川市全体が映し出されていた。そして、この男の合図と共に、多数の人間が動き出した。
「作戦開始…」
その頃警戒中の各々が異変に気がついた。
「霧?」
町中を覆ってしまうかのような規模で霧が突如として発生したのである。そこで視界は最悪となってしまった。敵襲であることは間違いない。しかし、視界のせいでどこからやって来るのか検討もつかなかった。
「その霧をあまり吸うな!魔力が微妙に紛れ込んでいる。そこから、大規模な魔法でも使われてしまったら体ごとやられるぞ!」
志穂は、モニターで状況を確認していたのだがその霧に魔力があることに危機感を感じていた。このままだと霧を多く吸ったものは、幻術に意図も容易くかかってしまうのである。そして、その悪い予想通りに次々と幻術にかかってしまった。
「そこか!」
紗希は、無数の刃を飛ばしていく。しかし、倒しても倒しても敵が減らないのだ。ましてや、その敵がまた起き上がってくるのである。これが幻術の効果だということは気づかない。それどころか、今見えている偽の状況をなんとかしようと魔力を消費し、その幻影を討ち滅ぼそうとした。その様子をちょうど霧のかかっていないところでみた蒼太は、銃を構えた。
「やめろ!味方に当たったらどうする!」
一条は、この最悪の視界の中で、さらに目まぐるしく状況が変わる戦場の中に弾丸を撃ち込むなど、ただの博打でしかないことを分かっていた。しかし、それは蒼太にも言えることである。蒼太の場合、それを理解した上で味方には当たらないことにかけたのだ。
「今俺たちに出来ることはない。」
「だったら…」
と蒼太が地上に降りようとするとそれをも一条は引き留めた。
「出来ることはないって言っただろ。俺たちが言ったところで戦況が、変わる範囲なんてごくわずかだ。幸い俺には今相手が望んでいることが予想出来ている。だからこそ動くのは今ではない。ただし、機が来たら忙しくなるから準備しとけ!」
一条の必死な説得により蒼太はなにも出来ないことに対して唇を噛みながらも堪えてその場にとどまった。
「さて、魔力を消費してくれているな。計画通りというところか。」
「俺は、どうしたらいい。」
モニター前に座っている男の後ろから、大男が声をかけた。
「そうだな、お前には新たな名前を与えよう。『グランドオーガ』それがお前だ。少し本をかせいじってやる。」
そうしてグランドオーガは男に本を差し出した。
『我は、物語を書き連ねる執筆者なり。我の思い通りに動く者達よ、我が希望に答えよ』
男の言葉に反応して、本が開き白紙のページに文字が、現れたり。元あった文字が書き変わったりした。
「これで、そうだな。一番始めに幻術が解けたやつのところに迎え。」
その頃、尾川市では幻術を解除するものが現れた。
「あークソが!吹き飛べテメーら!」
大柴が、数の多さにイラつき、辺りの霧を一瞬で晴らすほどの突風を出現させた。そこに回りの霧が流れ込むが、一回解けてしまった大柴の判断は冷静だった。自分のすぐそばに竜巻を発生させ、霧を一ヶ所にまとめていったのだ。そのお陰でだんだんと、霧の濃度が薄くなり、正常な判断が出来るものが増えてきた。やがて霧はなくなり視界もよく判断も性格に出来るようになったのだが、だからこそ絶望的な状況に少しおののいた。尾川市を多数の軍勢が包囲しているのである。これでは、ようやく解禁された蒼太の援護も糠に釘だ。しかし、やらないよりはマシだと、比較的に強そうな人からその頭を撃ち抜いていった。このときの蒼太は、感情も考えもないただの殺戮マシーンのようだった。蒼太にあるのは仲間のために敵を出来るだけ多く殺すという義務感だけ。その感覚だけが、蒼太に暖かさを保たせた。しかし、安全な狙撃が出来るわけでもなかった。次々と、敵が登って来て蒼太に襲いかかろうとした。それでも蒼太は、見向きもせずに、引き金を引く事をやめなかった。信頼できる人がいるからだ。一条は、上がってくる全ての人間を淘汰した。もはやこの二人に、言葉や、感情などいらない。ただ殺すだけ。それだけだ。
「クソ流石に多すぎるだろ!」
大柴は、機動力こそ自慢できるが、あまりにも数が多いとどこにいても攻撃の的になってしまう。
スパン………スパン……
大柴が、どう切り抜けようかと考えていたときに、目の前の人が次々と倒れていくのを確認した。倒れたものは全員頭から血を流している。大柴はニヤリと笑い、大群の中に飛び込んでいった。あいつには負けてられないと。
男はそういって一つの画面を眺める。そして、そこには尾川市全体が映し出されていた。そして、この男の合図と共に、多数の人間が動き出した。
「作戦開始…」
その頃警戒中の各々が異変に気がついた。
「霧?」
町中を覆ってしまうかのような規模で霧が突如として発生したのである。そこで視界は最悪となってしまった。敵襲であることは間違いない。しかし、視界のせいでどこからやって来るのか検討もつかなかった。
「その霧をあまり吸うな!魔力が微妙に紛れ込んでいる。そこから、大規模な魔法でも使われてしまったら体ごとやられるぞ!」
志穂は、モニターで状況を確認していたのだがその霧に魔力があることに危機感を感じていた。このままだと霧を多く吸ったものは、幻術に意図も容易くかかってしまうのである。そして、その悪い予想通りに次々と幻術にかかってしまった。
「そこか!」
紗希は、無数の刃を飛ばしていく。しかし、倒しても倒しても敵が減らないのだ。ましてや、その敵がまた起き上がってくるのである。これが幻術の効果だということは気づかない。それどころか、今見えている偽の状況をなんとかしようと魔力を消費し、その幻影を討ち滅ぼそうとした。その様子をちょうど霧のかかっていないところでみた蒼太は、銃を構えた。
「やめろ!味方に当たったらどうする!」
一条は、この最悪の視界の中で、さらに目まぐるしく状況が変わる戦場の中に弾丸を撃ち込むなど、ただの博打でしかないことを分かっていた。しかし、それは蒼太にも言えることである。蒼太の場合、それを理解した上で味方には当たらないことにかけたのだ。
「今俺たちに出来ることはない。」
「だったら…」
と蒼太が地上に降りようとするとそれをも一条は引き留めた。
「出来ることはないって言っただろ。俺たちが言ったところで戦況が、変わる範囲なんてごくわずかだ。幸い俺には今相手が望んでいることが予想出来ている。だからこそ動くのは今ではない。ただし、機が来たら忙しくなるから準備しとけ!」
一条の必死な説得により蒼太はなにも出来ないことに対して唇を噛みながらも堪えてその場にとどまった。
「さて、魔力を消費してくれているな。計画通りというところか。」
「俺は、どうしたらいい。」
モニター前に座っている男の後ろから、大男が声をかけた。
「そうだな、お前には新たな名前を与えよう。『グランドオーガ』それがお前だ。少し本をかせいじってやる。」
そうしてグランドオーガは男に本を差し出した。
『我は、物語を書き連ねる執筆者なり。我の思い通りに動く者達よ、我が希望に答えよ』
男の言葉に反応して、本が開き白紙のページに文字が、現れたり。元あった文字が書き変わったりした。
「これで、そうだな。一番始めに幻術が解けたやつのところに迎え。」
その頃、尾川市では幻術を解除するものが現れた。
「あークソが!吹き飛べテメーら!」
大柴が、数の多さにイラつき、辺りの霧を一瞬で晴らすほどの突風を出現させた。そこに回りの霧が流れ込むが、一回解けてしまった大柴の判断は冷静だった。自分のすぐそばに竜巻を発生させ、霧を一ヶ所にまとめていったのだ。そのお陰でだんだんと、霧の濃度が薄くなり、正常な判断が出来るものが増えてきた。やがて霧はなくなり視界もよく判断も性格に出来るようになったのだが、だからこそ絶望的な状況に少しおののいた。尾川市を多数の軍勢が包囲しているのである。これでは、ようやく解禁された蒼太の援護も糠に釘だ。しかし、やらないよりはマシだと、比較的に強そうな人からその頭を撃ち抜いていった。このときの蒼太は、感情も考えもないただの殺戮マシーンのようだった。蒼太にあるのは仲間のために敵を出来るだけ多く殺すという義務感だけ。その感覚だけが、蒼太に暖かさを保たせた。しかし、安全な狙撃が出来るわけでもなかった。次々と、敵が登って来て蒼太に襲いかかろうとした。それでも蒼太は、見向きもせずに、引き金を引く事をやめなかった。信頼できる人がいるからだ。一条は、上がってくる全ての人間を淘汰した。もはやこの二人に、言葉や、感情などいらない。ただ殺すだけ。それだけだ。
「クソ流石に多すぎるだろ!」
大柴は、機動力こそ自慢できるが、あまりにも数が多いとどこにいても攻撃の的になってしまう。
スパン………スパン……
大柴が、どう切り抜けようかと考えていたときに、目の前の人が次々と倒れていくのを確認した。倒れたものは全員頭から血を流している。大柴はニヤリと笑い、大群の中に飛び込んでいった。あいつには負けてられないと。
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