writerS

柊彩 藍

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作者の権限

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 writerSの勢力は蒼太の狙撃の復活により優勢になりつつあった。しかし、それは蒼太の狙撃による援護ありきなのでそこが破綻してしまえば劣勢へと傾いてしまうのはwriterSだけでなく防衛省の人々まで理解していた。逆に言うと、この狙撃は相手にとって不利に傾かせる条件であることを示している。
 大柴は、荒れ狂う巨体を前に動けずにいた。そうグランドオーガが、大柴の前に立ちふさがったのである。大柴は、グランドオーガの発するオーラに怯んでしまっているのである。グランドオーガはその体格故か、強さがにじみ出ていた。そして、グランドオーガが大振りでただ金棒を振り下ろすという攻撃だけで、確実な死を悟った。その振り上げた時の風圧で家が何件かつぶれるのを目にしたからである。呼び動作だけでここまでなら実際の攻撃となると受けたら、即死。かすったとしても重症は免れないだろう。さらに完璧に避けきれたとしても、叩かれ砕かれたアスファルトによる攻撃でダメージを与えられる。それだけでもかなりのダメージを背負うことに変わりはなかった。そして、その上で、大柴は、間に合わないと理解したのだ。
 その頃、蒼太は多大なるピンチが迫ってきているところであった。はじめは一条がさばききれていた。しかし、その数が増えるにつれ蒼太を守ることは困難になっていった。
 「蒼太、一応防御結界を張れ!このままだと守りきれる自信がない。」
 一条は、多数をしのぎながらそう告げた。蒼太は、忠告通りに結界を張った。はじめは、結界に攻撃が届く前に一条が対処出来ていたがやはり限界は来てしまった。結界に攻撃が届き始め、一条も傷を負い、機動力が減少した。そして、最終的には蒼太結界が剥がれ、蒼太に攻撃が届いてしまった。二人は敵に飲まれてしまった。
 二人に何かあったことは、わりとすぐにそれも多くの人間が気づいた。それは、直接援護がなくなったと感じたものや、間接的にやりにくくなったなどの感覚を覚えたなどの事からだった。そして、ほんの一瞬狙撃ポイントを見るとそこに群がる無数のモンスターの姿を確認出来た。一条が、直前にヘルプとして呼んでいた煌輔もあとから来てそれを殲滅することに当たっていたが、倒れる数より増える数の方が多いのは遠くから見ても分かった。そして、蒼太の身を案じたものが叫んだ。
 「蒼太君!」
 紗希が叫んだその時、絶望的な戦況のなかで変化が起きた。
 「我は、これを記した作者なり。名をmagicwriterとしよう。そして、その我が命ずる。我が作りし、期待の偶像よ、作者の権限としてお前を人間の枠から除外する。人外となりしキャラクターよ、有する力全てを持って相手を殲滅せよ。強き者を撃破せよ、弱き者には構うな消し去ってしまえ、邪魔する全てを動かない人形へとかえろ。」
 年寄りの声が町中に響いた。そして、その声がしてからわずか3秒でビルの屋上に群がるモンスターは消え去った。そのなかで、一人立つのは蒼太だった。
 「蒼太!良かったまだ生きていたんだな。」
 煌輔が、安心した笑みを浮かべると蒼太は、一瞬振り向き何も言わずに飛び降りた。
 「先にやることがあるってか、せめて反応ぐらいしてくれてもいいだろう。」
 そして、煌輔も飛び降りた。
 その頃大柴は、グランドオーガと対峙していたのだが、グランドオーガが蒼太の方角に視線を向けた。強いエネルギーに気を引かれたのだろう。それに気づいた大柴は、この場にグランドオーガを留めさせるように仕向けた。しかし、それも意味がなかった。蒼太の方からこちらへとやって来たのだ。それもあり得ないほどの速さで。大柴でもかかる時間の半分ほどでここにたどり着いたのだ。その時の蒼太の姿は殺すための兵器、殺人兵器そのものだった。体は、返り血で赤く染まり、手からは血が滴り落ち、目はまっすぐターゲットを向いている。その時の蒼太には、生きた人間である様子が見られなかった。まるで意識がどこかへ行ってしまったように。そんな蒼太の手には、二つの銃が握られていた。散弾銃と狙撃銃。蒼太が出せるすべての銃である。
 「ガハハ、コロスコロス!」
 グランドオーガは、強さ漂う蒼太に興奮していた。しかし、その興奮はすぐに恐怖に変わるものとなる。グランドオーガは雄叫びをあげた。それと同時に、周囲から空を飛ぶ魔導師が現れた。大柴は、蒼太の邪魔にならないようにそれを破壊しに行くがどれも手前で倒されてしまっていた。その、全てが蒼太に撃ち抜かれていたのだ。さらに驚くことに蒼太は一度も視野を変えることなく全方位の敵を撃ち抜いた。グランドオーガはそのうちに金棒を振り上げた。その瞬間に、蒼太は金棒の上にいき散弾銃で大きな衝撃を与えた。その衝撃からグランドオーガは、金棒から手を離してしまった。このときの、グランドオーガは猫の前に差し出されたネズミのように震え上がっていた。本能が、蒼太に勝てないと認識したのだ。
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