writerS

柊彩 藍

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拒絶

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 傷心中の紗希を連れて、羽鳥と池宮はファミレスに駆け込んだ。
 「ドリンクバー3つ」
 羽鳥は、ドリンクバーを3つ注文し長時間話す準備を整えた。何か甘いものとかはどうだ?と羽鳥がメニューを渡して見るが紗希は伏せたままだった。
 「なあ、紗希言いたくなければ言わなくてもいいけど一応何があったか教えて。私たちに何か出来るなら何かするから。」
 羽鳥は、どう声をかけていいか分からないながらも、黙っておけなくて声をかけた。
 「もう、いい。何もない。」
 紗希は顔あげないまま答えた。明らかに何かあったのだが今は言いたくないならそれ以上は二人には踏み込めない。
 「と、とりあえずドリンクバーいきましょう。」
 池宮が、とりあえず紗希を動かそうと誘った。思い体を起こして立ち上がった紗希の顔は赤く目は少し腫れていた。泣いていたことがよく分かる。
 そして、ドリンクを飲み干した紗希がようやく自分から口を開いた。
 「私何か悪いことしたかな……」
 「なんで?私が見てる分には何もしてないと思うけど」
 「あのときの蒼太は、怒ってた。焦ってたかな。とりあえず私と近くにいたくないってことは物凄く伝わった。それにもう、会わないって。writerSにも学校にも来ないって。」
 羽鳥は、紗希の行動を思い返しているうちに偶然外を通りかかった人影に目を奪われた。それが誰なのかは見えなかったが羽鳥の勘が蒼太だと認識したのだ。
 「ごめんちょっとトイレ行ってくる。」
 羽鳥はあわててファミレスを飛び出した。すると思った通り蒼太がそこにいた。
 「僕を追いかけてきたんですか?」
 「追いかけてきたわけじゃないけど。聞きたいことはある。」
 羽鳥は、少し怒っていた。別れる原因が何なのかは分からないがその時の蒼太の態度が今の紗希を作ったのだから、当然の怒りである。
 「どういうつもり。別れるにしろ、2度と会わないってそれに私たちからも逃げようとしてるでしょ。」
 「うるさいな!僕のことは忘れろ!逃げて悪いか?僕はもう、2度と人間と関わりたくないんだよ!これ以上近づくな。近づいたら命を奪うつもりで攻撃する。」
 羽鳥は戸惑いで、足が動かなかった。事態は羽鳥が思ってた以上のことになっていたからだ。羽鳥は、はじめ蒼太が怒ってそれの延長で羽鳥達とも会いたくないのだと思っていた。けれど、羽鳥に向けられた目は憎悪そのものだった。
 「じゃあもう、行くから。それと一つお願い。どこで僕を見つけても絶対に声をかけないでください。声をかけられても無視してください。見かけたら僕の視野に入らないようにしてください。あなた達の視野に僕を認識しないでください。」
 蒼太は徹底的に自分に関わることを拒否した。
 「なん…で、何があったの…」
 失いかけた声で蒼太に問う。
 「そんなもの昔の僕に聞いてください。それすらも今は言う価値がない。もう、行きますね。僕が言ったことしっかり伝えといてくださいね。」
 そして、蒼太は走って離れていった。羽鳥は、あのときの目に恐怖を刻まれたため追いかけることすら出来なかった。
 そして、ほとんど放心状態で戻ってきた羽鳥を見て池宮が驚く。
 「どうしたの?」
 紗希には聞こえないように小声で聞くが羽鳥は反応しない。しかし、羽鳥はまだ落ち込んでいる様子の紗希を見て自分がすべきことを理解した。
 「ごめん紗希こうでもしないと、みんなが傷つく。」
 羽鳥は伏せたままの紗希の頭に手を当て呪文を唱えた。
 「ねぇ、何をしたの…?南、南も、なんか変だよ」
 「蒼太に関する記憶があるここ数ヵ月の記憶を封印した。これで紗希は関係無い。大丈夫、訳は後で話すから。とりあえず志穂のところに行こう。あとボスにも話したいことがある。」
 そして、writerSへ向かう道中で池宮は何か発見した。
 「ねぇ、あれって蒼太じゃない?」
 それを聞いた羽鳥はひどく怯えながら二人を引っ張って道を変えた。
 「ちょっと、ねぇ、どうして?せっかく少し話せると思ったのに。」
 「ダメ。もう2度と蒼太に近づいたらダメ。近づいたら殺される。」
 池宮は、言ってることが理解出来なかったが怯えた羽鳥を見てそれが真実だと実感する。
 writerSに戻った羽鳥は起きたことを全てボスに話した。志穂にはまた別の頼み事と共に話した。
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