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犯人特定
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警察は、慌ただしく活動していた。あちらこちらで通り魔事件の報告が寄せられていたからだ。事件の調査によると、被害者はその全てにおいて似たような証言をした。身長は170㎝程、恐らく男性、フードを深く被っていた。だいたいこのような証言が帰って来た。そして、警察は事故現場から犯人の逃走経路を確認した。聞き込みによると怪しいフードを深く被った男が路地裏に入っていったという目撃情報を手にいれた。さらに、警察は事件現場と地図を照らし合わせて、かなり広範囲にほぼ同時刻に犯行が行われていることを確認した上である結論に至った。それは、どの通り魔も同一犯であり、魔法による空間移動などで犯行ポイントを変えていたのだと。そこで、魔法に通じたものたちに協力を仰ぐことにした。その協力先は防衛省魔法生物特別対策科である。警察は、守谷に頼んだ。そして、守谷は警察からの要請を受諾し、指示を出した上でwriterSにも事件の情報を流した。もし、これが単なる通り魔事件でないのなら彼らの力も必要になると感じたからだ。そして、守谷の勘がその可能性が高いと言っていた。
「今、守谷から協力要請が出た。全員一旦集まれ。」
ボスからのメッセージによりwriterS全ての人間が集結した。そこで、なぜ協力を要請されたのかの理由と事件に関する現段階で確認されている情報を伝えた。そして、writerSは魔法目線での調査を行った。修だけは、警察に行き両方からの目線で警察と連携をとった。
「とりあえず、魔法使用の痕跡探しかな。ボスの話によれば転送術式か、空間移動術式しか考えられないから絞るのは簡単そうだね。」
紗希は、その二つの魔法使用痕跡に絞り着々と、操作を進めていった。
「…………」
「南?どうかしたか?体調でも悪いの?」
黙り混んで作業をしていく羽鳥を気にかけ紗希は声をかけた。
「いや、大丈夫少しボーッとしてただけ。」
もちろんそんな事はない。羽鳥は捜査をしていく中で違和感を感じはじめていた。それが、捜査をしている現場に感じたものなのか、この事件自体にたいしてなのか、それとももっと別の何かなのかは、分からなかった。しかし、その違和感は確かに悪い予感がしていた。羽鳥は、その違和感を感じるほどに何かが不安になっていった。そして、事件の解決に進歩が見られた。その時にその違和感は、違和感ではなくなる。
「南、ちょっときて。瑞希も!」
先の呼ぶ方へ二人は向かった。紗希が手がかりを発見したようだ。そしてそれは間違いなく転送術式であることが判明した。そこである可能性が出てきた。犯人は二人以上であるということ。犯行に至ったのは恐らく一人であるだろう。それは警察が突き詰めた予想に代わりはない。しかし、魔法的に見て、転送術式が使用された事が二人以上の犯行だと証明した。転送術式は、そもそも自分以外の何かにかけるものであり自分自身にかける事があまり無い。それどころか、自分自身にかけるメリットが無いのだ。まず、普通の使用方法では、特定の地点や人物にかけて、それを使用する人がノーコストで魔法を発動できるというものである。この術式の、特徴は使用者と術者が違うということだ。しかし、自分自身にかけれないことはない、この場合、魔力を消費するのは術式を組み上げる時だけなのだがその過程で命を失う危険がある。転送術式の基本として他人にかける魔法を自分にかけると言うことは、自分を他人として定義することなのである。このとき、自分の魂を否定することになるため死の可能性が出てくる。よって犯人は二人以上であると推定できる。
「わかった警察に伝えておく。」
三人は、ボスに報告し更なる情報を求めて捜査を再開した。
「修。これ新しい情報。」
先ほどの情報を資料にして修の元へ私にきた。
「………………」
修は、よほど集中しているのか返事が無い。相川は、念のためもう一度声をかけた。
「おい、おいとくぞ。」
「…………………」
それでも反応は、無い。それどころか相川の存在にすら気づいていないようにも感じられた。
「返事くらいはしろよ」
「ボス、今から言うこと信じられますか?」
修は、ひどく怯えた顔で振り向いた。
「まずこの動画を見てください。」
そしてパソコンで監視カメラの映像を再生した。そして、そこに映っていたのは、被害者が体を蜂の巣にされる映像だった。しかし、実際は被害者にそれほどの傷は無い。そう不思議に思っているとみるみる被害者の傷が消えていく。そして顔は映らなかった者の傷を治した被害者の腹に一刺しナイフで傷をつけた。
「なんだよ、こんなの酷すぎる。」
「まだ何ですよ。」
修は、別のカメラの映像を見せた。
そこには、フードを被った男の顔が映っていた。
「これ合成とか加工はしてないんだよな。」
「信じられますか?」
「信じたくないに決まってるだろ!」
そこに映っていたのは、蒼太だったのである。さらに、たまたまフードを被って路地裏に入っていった可能性も考えられなくは無いが、監視カメラの情報と、相川が持ってきた情報だけでその可能性は否定された。まず、被害者を攻撃した最初の武器恐らく散弾銃と特定された。散弾銃は、蒼太が使える武器のひとつである。さらに、別のカメラに現れた時間帯。事件を起こしてからやって来た時間にちょうど重なるのだ。それだけではない。蒼太が入っていった路地裏は、先ほど紗希が捜査結果を報告した場所なのである。修は、苦しみながらも警察にこの事を報告した。そしてその30分後に荒牧蒼太に逮捕状が出された。
「今、守谷から協力要請が出た。全員一旦集まれ。」
ボスからのメッセージによりwriterS全ての人間が集結した。そこで、なぜ協力を要請されたのかの理由と事件に関する現段階で確認されている情報を伝えた。そして、writerSは魔法目線での調査を行った。修だけは、警察に行き両方からの目線で警察と連携をとった。
「とりあえず、魔法使用の痕跡探しかな。ボスの話によれば転送術式か、空間移動術式しか考えられないから絞るのは簡単そうだね。」
紗希は、その二つの魔法使用痕跡に絞り着々と、操作を進めていった。
「…………」
「南?どうかしたか?体調でも悪いの?」
黙り混んで作業をしていく羽鳥を気にかけ紗希は声をかけた。
「いや、大丈夫少しボーッとしてただけ。」
もちろんそんな事はない。羽鳥は捜査をしていく中で違和感を感じはじめていた。それが、捜査をしている現場に感じたものなのか、この事件自体にたいしてなのか、それとももっと別の何かなのかは、分からなかった。しかし、その違和感は確かに悪い予感がしていた。羽鳥は、その違和感を感じるほどに何かが不安になっていった。そして、事件の解決に進歩が見られた。その時にその違和感は、違和感ではなくなる。
「南、ちょっときて。瑞希も!」
先の呼ぶ方へ二人は向かった。紗希が手がかりを発見したようだ。そしてそれは間違いなく転送術式であることが判明した。そこである可能性が出てきた。犯人は二人以上であるということ。犯行に至ったのは恐らく一人であるだろう。それは警察が突き詰めた予想に代わりはない。しかし、魔法的に見て、転送術式が使用された事が二人以上の犯行だと証明した。転送術式は、そもそも自分以外の何かにかけるものであり自分自身にかける事があまり無い。それどころか、自分自身にかけるメリットが無いのだ。まず、普通の使用方法では、特定の地点や人物にかけて、それを使用する人がノーコストで魔法を発動できるというものである。この術式の、特徴は使用者と術者が違うということだ。しかし、自分自身にかけれないことはない、この場合、魔力を消費するのは術式を組み上げる時だけなのだがその過程で命を失う危険がある。転送術式の基本として他人にかける魔法を自分にかけると言うことは、自分を他人として定義することなのである。このとき、自分の魂を否定することになるため死の可能性が出てくる。よって犯人は二人以上であると推定できる。
「わかった警察に伝えておく。」
三人は、ボスに報告し更なる情報を求めて捜査を再開した。
「修。これ新しい情報。」
先ほどの情報を資料にして修の元へ私にきた。
「………………」
修は、よほど集中しているのか返事が無い。相川は、念のためもう一度声をかけた。
「おい、おいとくぞ。」
「…………………」
それでも反応は、無い。それどころか相川の存在にすら気づいていないようにも感じられた。
「返事くらいはしろよ」
「ボス、今から言うこと信じられますか?」
修は、ひどく怯えた顔で振り向いた。
「まずこの動画を見てください。」
そしてパソコンで監視カメラの映像を再生した。そして、そこに映っていたのは、被害者が体を蜂の巣にされる映像だった。しかし、実際は被害者にそれほどの傷は無い。そう不思議に思っているとみるみる被害者の傷が消えていく。そして顔は映らなかった者の傷を治した被害者の腹に一刺しナイフで傷をつけた。
「なんだよ、こんなの酷すぎる。」
「まだ何ですよ。」
修は、別のカメラの映像を見せた。
そこには、フードを被った男の顔が映っていた。
「これ合成とか加工はしてないんだよな。」
「信じられますか?」
「信じたくないに決まってるだろ!」
そこに映っていたのは、蒼太だったのである。さらに、たまたまフードを被って路地裏に入っていった可能性も考えられなくは無いが、監視カメラの情報と、相川が持ってきた情報だけでその可能性は否定された。まず、被害者を攻撃した最初の武器恐らく散弾銃と特定された。散弾銃は、蒼太が使える武器のひとつである。さらに、別のカメラに現れた時間帯。事件を起こしてからやって来た時間にちょうど重なるのだ。それだけではない。蒼太が入っていった路地裏は、先ほど紗希が捜査結果を報告した場所なのである。修は、苦しみながらも警察にこの事を報告した。そしてその30分後に荒牧蒼太に逮捕状が出された。
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